Dec 23, 2025
夕暮れ時

長いような
短いような日が暮れて
夕暮れになった。

エクレア号は夕陽を背に
北東に進んでいる。

海上では
あっという間に時が経つのね。

焚き火してるの?
昔覚えた火遊びですよ。
航海中は刺激がないんで
こういうことをやったものです。
ところでキャップテン・クックドゥー。
あなた片目に眼帯してたんじゃなかったっけ。

はい。
幽霊船の船長らしくしてたんですが、
魔術劇場でなくしちゃったみたいで。
でも飾りものだったんですよ。
マスクの下はされこうべなので。

誰か火を灯したの?
勝手に点灯したみたいよ。
この船、誰も運転してないのに進んでいくし、
意思を持ってるみたい。
わからないことばかりね。

いよいよ陽が沈みかけ、
一同は夕食を取ることにした。
食料は缶詰が少ししかないですが、
ワインならありますから。
と言っている。

今日は何日?
12月23日よ。
えー、もうイブイブなんだ。
休暇もおしまいか。
私明日には帰らなくちゃ。
と佳奈が言っている。
私も一緒に戻るわ。
佳奈みたいに休暇をとった訳じゃないけど、
恐竜の写真たくさん撮れたし、
年末年始はドルフィンの2階の部屋で過ごしたい。
とエトナが言った。
じゃあ私も付き合うか。
広場のお正月の準備も手伝わないと。
ここにはいつでも来られるからね。
とアイスが言った。
アイスはしっかりしてるのね。
いつもハリーに少しは見習えって言われてる。
さすが人間。
とヴィヴィアンが言った。
好奇心旺盛の私たちは
船の行き先を見届けたい。
とシノが言って、
ダリオと頷き合っている。

なぜか長い夕暮れ時ののち、
さすが夕日は沈み、
空には星が瞬きはじめた。
解説)
続きます。
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