Nov 24, 2025

忘れられた夢の世界で

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アイスとシモーヌは鏡の扉を抜けて、
忘れられた夢の世界のみすずの家に
やってきた。

あら、新しいお客様ね。
とみすずに言われている。


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なんだ、ディアナじゃないの。
そんなコート着てどうしたの。

顔はそっくりだけど、
この人はディアナじゃないの。

私はシモーヌと言います。


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事情を聞いたみずずは、
早速シモーヌをディアナに紹介している。

あ、この方だ。
シモーヌさんていうんですね。
鹿のフィギアに宿っていた精霊の私を
見つけてくれて、
自由に暮らせる世界を与えてくれた人。

もう随分前のことね。
フィギアのあなたの体は
今でも大事に家に飾ってあるわよ。

フミコさんに人間の姿にしてもらう時、
あなたみたいな人になりたいと
思って念じていたら、
そっくりの顔になったんです。

そういうことってたまにあるのよね。


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気がついたらこの世界にいて、
昔のことを全然思い出せなかったんです。
ずっとこの世界で鹿の姿で生まれて、
自分の中に精霊が宿ったんだと思ってた。

私もあなたと、
この世界に来た夢のことは覚えていないのよ。
ふつう夢はみんな忘れちゃうしね。

それでも何故かその夢の世界は残った。
私たち夢食いの間では、
こういう世界は貴重なんですよ。
夢見る主体がいないので何でも自由ですから。
とみすずが言った。

私の記憶から消えて、
夢の世界だけが消え残った時点で、
もう私の夢とはいえないわね。
夢自体の力が世界を支えている。
恐竜がいるって聞いたけど、
それは多分その夢自体が生み出したものよ。
そんな夢見たことがないもの。

夢が消える前に、
何かが来てシモーヌさんの夢を
のっとったんじゃないの?
とアイスが言った。

魔族のみる夢に入り込む夢食いって、
聞いたことがないわ。
危険が多すぎるもの。
とみすずが言った。


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そこにフミコがやってきた。

随分賑やかね。
あら、お客様?


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歓談が終わり、
フミコは、ミミコを
シモーヌに紹介している。

私もこの子も魔族なのよ。
この子は未来の世界で生まれたの。

なんだか事情がややこしそうね。
あ、そこにある水晶玉は。


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この水晶玉は
魔族が天気予報の占いに使うものよね。
精霊が宿っているけど今は眠っている。
見つけたのはシビルっていう夢食いで、
北の孤島で見つけたって言ってたわ。
精霊が封印されていたのを私が解放したの。
そしたら火の精霊バーンも宿っていて
火山が噴火して鎮火するのに大変だったのよ。
何か覚えがある?

ディアナと一緒にいた夢のことは覚えていないのよ。
でも幼い頃、祖母が同じような水晶玉を
使っていたのは覚えているから、
夢に出てきても不思議じゃないけど。


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この家には、火の精霊バーンの他に、
水の精霊バルもいるの。
二人とも器や壺の中で眠っている。
どちらも人間の姿になれる魔法が
かかっているから会話もできるわ。
会ってみる?

精霊の願いを聞いてあげるのが
私の趣味で使命だと思ってるけど、
元素の精霊たちにその必要はないわね。
寝てるのを起こすのも悪いし、
今はやめておくわ。


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シモーヌはディアナに
家の中を案内されている。

ここに棲みついてるのは
夢食いばかりだと思っていたら、
ロボットもいるのね。

あれはお隣の未来の世界から来た
工作用ロボットなんですよ。

ややこしそうな事情がありそうね。


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ディアナはシモーヌを屋外に
案内している。

近くに綺麗な滝があるんです。
私がこの世界で一人で暮らしていた時、
初めて夢食いのみすずさんと出会った場所。
そこによく水を飲みに行っていた。
私にはすごく懐かしい感じのする場所なので、
もし私たちが夢で一緒に遊んでいたとしたら、
二人でそこに行ったことがあるかもしれない。

私が忘れてしまった夢を
思い出すかもしれないっていうわけね。
行ってみましょうか。



解説)
続きます。
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