Dec 07, 2025
散歩の続き

佳奈とエトナは
みすずの家に戻ってきた。
あら、あそこの人誰かしら。
広場で見たことあるわよ。
8月初めのコンテストで優勝した人じゃない?
名前は忘れちゃったけど。

キッチンでみすずに出会った。
お帰りなさい。
湖畔の散歩はどうだった?
感動しました。
やはり本物は違うわ。
あのー、2階のベランダで
オレンジ色の髪の人を見かけたんですが。
ああ。
彼女はあなたたちが散歩をしている間に
遊びに来たの。

みすずはシビルを紹介している。
私はシビル。
あなたたち、コンテストで優勝した時、
広場で喝采してくれたわね。
よく覚えているわ。
私はエトナといいます。
あの時のことは私も覚えてます。
オレンジ色のその髪型は
すごくユニークなので忘れないわ。
私は佳奈。私も覚えてます。
サラたちと一緒にジープで
郊外に行った人でしょ。

4人はコーヒーを飲みながら話している。
この忘れられた夢の世界の中央部には
森林地帯が広がっていて、
そのちょうど真ん中くらいにこの家はあるの。
東に行くとサバンナがあり、やがて砂漠地域。
北に行くと海に出て、その向こうに小島がある。
西に行くと雪に覆われた山脈がある。
この世界には空き家が点在していて、
この世界を訪れた夢食いたちは、
そういう家を見つけて住み着くことがある。
森の中の小屋にはシノが住んでいるし、
西の砂漠の家にはセリーヌが住んでいる。
雪山の小屋にはラルゴが住んでいるし、
北の小島の家にシビルが住んでいるのよ。
随分広い世界なんですね。
そうなの。
でも、そういうことがわかったのはつい最近のこと。
アイスやヴィヴィアンが空を飛んで
最果ての地域の様子を教えてくれたの。
私たちが暮らすのはだいたいこの森の中だけ。
遠出をするのは危険だからね。
まだわからないことも多いのよ。

ヤミーがバナナを運んできた。
気楽に恐竜観察ができると思って来たけど、
けっこう危険が多くて大変な世界なんですね。
遠出ができないのは残念だなあ。
この湖の周辺なら大丈夫よ。
それにシノかナディアが帰ってくれば、
森の中ならガイドしてくれる。
彼女たちが戻ってくるまで待つのなら、
私の住む島に来てみる?
大人しい草食恐竜しかいないから。
とシビルが言った。

佳奈とエトナは
シビルの言葉に甘えることにした。
シビルさんも魔法を使えるんですか?
私は魔法は使えないけど、
行き来するために、
アイスに呪文だけ教えてもらったのよ。

3人は北の小島の
シビルの住む家に移動した。

霧が濃くて雰囲気あるところですねー。
そうでしょ。
火山の島だから割と温暖で、
静かな一人暮らしには最適。

あれはサイカニア。
みすずたちの住む森にいるのとは、
別種みたいだけど、
大人しい草食恐竜よ。
いい感じだなあ。
解説)
続きます。
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