Apr 06, 2022

花散る春の日 そのに

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文学青年は今日も散歩していた。

花の色は移りにけりないたづらに
わが身世にふるながめせしまに


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ながめって、眺めと長雨の両方の意味を
掛けているんだ。
と文学青年はつぶやいたが、
ルルもリタも聞いていなかった。

今日もいい天気ですね。
肉まん蒸かし立てみたいですよ。
といわれている。


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ベランダではペギーが
洗濯物を干している。


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乾いたらこの黄色いTシャツ
着ようかな。


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部屋の中では
ベスとニッキーと舞が
今子のことで話合っていた。

11人もいるんだから、
同居人がひとり増えても
変わらないわよ。
あの子かわいいしね。


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きみはいったいいくつなのさ?
とトラ猫がいっている。


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ベーカリー前では
狐の姉妹が食事していた。

姉さん私やっと化けられるようになったよ。
貴理子さんが奉納してくれた
あの葛の葉のおかげみたい。


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そうね。あれは夢見の水で育った
迷いの森の特別な葛の葉。
もっと時間がかかると思ったけど、
あなたみたいな若い狐でも
変身できたのは驚きだわ。
でも上手く化けたつもりでも、
尻尾をださないように気をつけてね。


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うん、気をつけるよ。
尻尾はしっかり着物でかくしてるから大丈夫。
と今子はいった。

解説)
今日は気温が随分あがりました。
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