Aug 08, 2022

夏といえば

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ジルさん。覚えておいでかしら。
去年の夏は、別荘の鍵をお借りして、
姉のメアリー=ケイトと二人で、
別荘近くの池で楽しませてもらいました。

ああ、それはよかったですね。
別荘の鍵はいろんな方に貸したので、
みなさん利用されたようです。

ええ、ええ。池は結構賑やかでしたよ。
今年はどんな様子ですか?

あの仕掛けのついた池のある別荘は工事中なんです。
でも、近くに別の小さな別荘もあります。
そこでよければ、今年もどうぞお使いください。
管理人にも言っておきましょう。
と言ってジルは簡単な地図を書いて、
別荘の鍵と一緒に渡してくれた。


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ありがとうございます。
夏といえば水遊びの季節ですからね。
ジルさんも、エルマさんを誘って、
おいでになればいいのに。
とアシュレイは言った。


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屋台の前のテーブルでは、
相変わらず歓談が続いていた。
エルマって手が白いのね。
ずっと手袋してたからね。
などと言っている。


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ここの肉まん美味しいですね。
この前お土産に買って帰って、
すっかりファンになりました。
そうでしょうとも。


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アイスはエルマに写真を見せている。
こっちの世界で気がついた時、
近くでこの人たち見なかった?


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この二人、すぐ近くにいたわよ。
高台で、突然意識が戻って、
何が起きたんだろうって思っていたら、
ちょうどサラがシャボン玉を吹きにきて、
そばにきたサラと話してたら、
この二人も何か相談してて、
サングラスの人が、私に、
「君、帰りたくなったら自分で倉庫に戻れるよね。」
って尋ねたの。
サラがジャンさんの家の倉庫までなら、
私が案内するって、すぐに言ってくれて。
サングラスの人は、
「じゃ、そういうことでお願いします。」
「すごい魔法をみせてもらいました」
って、老人に言って、立ち去っていったの。
その後、私たちも老人と別れて、
サラの家に行ったの。


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やっぱり。
サングラスの青年は、ゼロっていう怪盗で、
マントの老人は、魔法使いのマーリン。
ゼロが、フィギアだった君を盗み出して、
マーリンが魔法で今の姿に変えたんだ。
とジャンは言った。


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サラは、ジャンから、
エルマやジョー軍曹の住む異世界と
この世界とのつながりのあらましを
教えてもらって、驚きの連続だったが、
とりあえずエルマにサングラスも返せたし、
部屋に戻ることにした。

このバナナ甘いですよ。
試しに一口、どうですか。
と言われている。


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甘いバナナを一房買ってしまった。
このワッペンつけてたら、
いいことが起こるって言ってたけど、
こういうことかな、とサラは思っている。


解説)
サラは旧交を暖めているエルマたちが、
自分に気を使ってくれるのを気にして、
早めに退散したのでした。
サラには、どうもそういうところが
あるようです。
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