Jan 23, 2023

会話の続き そのご

a1

ふーん。
そういうことなの。
管理局は「夢の故郷」について
他にも色々とご存知のようね。
とヴィヴィアンが言った。


a2

マリアがメルティに声をかけた。

メルティさんはこの町は二度目だけど、
まだ別世界には行ったことがないでしょう。
わたしこれから犬猫同盟の集まりで、
ジャンのフィギアたちの村に行くんだけど、
よかったら案内するわよ。

だったら私も行ったことないから、
一緒に行ってみましょうか。
町の中はこの前案内しちゃったし。
とサラが行った。


a3

ぜひぜひ。
これが私の夢の続きだとしたら
世界がどんどん広がってく感じね。
とメルティは言った。


a4

僕もその村見てみたいなあ。
この町の郊外の家の庭のジオラマがモデルで、
迷いの森とも繋がっていて、
去年、怪物が来たという場所でしょう。
あ、管理局の仕事としてじゃなく、
個人的な興味ですが。

だったら連れて行ってもらったら?
とミラに言われている。


a5

出入り口は別室にある魔法の扉からだから、
すぐに行けますよ。
私もそろそろルーマニアに作った
ヴァンパイアたちの世界の様子を見に行きます。
とマーリンが言った。


a6

そうなんですか。
じゃあ、私はそちらについて行っていいかしら。
あ、これも管理局の仕事じゃなくて、
個人的にヴァンパイアに興味があるの。


a7

魔法の扉は隣の部屋にあります。
ご馳走様でした。
ではまた。
とミラが挨拶している。


a8

あっという間に
二人になっちゃったね。


a9

さっきバグが言いかけて、
途中でミラに遮られた話だけど。
とヴィヴィアンが言った。

もし、あの「夢の故郷」が
いわゆる冥界のような異世界だとしたら、
メルティの夢と繋がったと言うことは、
バグが想像して仄めかしてたみたいに、
生身の彼女が深刻な危篤状態に
陥ったからじゃないかと思えるの。
私たちが魔法の鏡を使えなくなったのもそのせいで、
代わりに死への誘惑のような世界への扉が開いた。
向こうから遭難者のような人が来たけれど、
メルティたちが扉を使えなかったのは、
メルティが一人じゃなかったから。
偶然サラがいたことで夢の世界が共有されていて、
メルティの無意識の死への誘惑を打ち消すことができた。
多分ポイントは、夢の共有ということにあって、
これまで一人きりだった夢の世界が
他人と共有されることで、
メルティは生き続けられたのよ。


a91

さすがにデビルになっただけあって、
興味深い解釈だね。
私には何とも言えないが、
背後に何か大きな力が働いていることは感じる。
その謎のカウボーイだって、
今では彼女の夢を共有しているんだろう。
留守番しているというが、
見方によってはもう彼女の夢の一部だと言っていい。
偶然都合よく迷い込んできただけなのか、
生き延びるために彼女の無意識が招き寄せたのか。
それとも、と言うところなんだが。
それはそうと、
お前はサングラスをかけると迫力あるね。
よく似合ってるよ。
とハリーが言った。



解説)
途切れ途切れの長い会話も
お開きになったようです。
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