Feb 28, 2026

二月の終わり

a1

広場の歌声は絶えない。

今日は風があるので、
早春譜がぴったりね。


a2

屋台では男性が
餃子を追加注文していた。

春節はこれですなあ。


a3

ローラはドルフィンの倉庫から
小池恵子が選んできた
スラックスを身につけた。

どうかな?

ゆったりしてて
動きやすそうよ。


a4

ローラ。
餃子が。

あ、今戻ります。


a5

その頃、久々の
ジェニー達の家では。


a6

マンゴー亭からアンナが
デリバリーで餃子を届けにきていた。


a7

やっぱり春節は餃子ね。


a8

龍の舞がすごかったって
新聞に書いてあるよ。
今年は中止だって聞いてたけど、
広場に行けばよかったなあ。

どうせすごく混んでたんでしょう。

そうみたい。
人波の上で舞ってたらしい。


a9

喫茶ペンギン前では。

マリーネが、今年の春節は
3月3日までだから、そろそろ餃子を
食べましょうって言ってるわ。

私広場に注文しに行ってくる。
とはるなが言った。

今月も今日で終わり。
もう3月で明日はコンテストの発表ね。
明日行けばいいことがあるかも。

私もそんな気がする。



解説)
続きます。
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Feb 27, 2026

子供の領分 そのに

a1

広場の演奏は続いている。


a2

さっきまで広場にいたみたいだけど、
ルイちゃんはどこに行ったのかしら。

他の子と一緒でしょ。

そうだといいけど、
あの子、よく迷子になるのよ。
4年前の春節でも
迷子になったの。

そんなに前から知ってるの?

その時が初めてだったはずよ。


a3

ルイたちは
ベランダの洗濯物干し場に移動していた。


a4

仲良しになったんだし
探偵団を結成しようよ。
少年探偵団。
と圭が言った。


a5

少女探偵団ね。

え。
そんなのないよ。

男の子は圭だけでしょ。

そうか。


a6

団長はピリカだね。
一番年長みたいだし。

私は子鹿のフィギアの精霊で、
年齢なんてないのよ。
精霊であることに目覚めて数ヶ月だし、
この世界のこと何にも知らない。

みんなそうだよ。
脇役みたいだし。

それで探偵団って
何するの?

まだわかんない。


a7

広場のラーメン屋台には、
ドルフィンのマスターと
イベント企画好きの夏木さんがいた。

はい、お待たせしました。
と言われている。


a8

私もラーメンを。

はい。あら初登場、
じゃなかった、初めての方ですね。
観光でお見えですか?

そんなところです。

あ、僕もう食べ終わるので、
この席空きますよ。
とマスターが言っている。


a9

男性はラーメンを啜っている。

うまいですなあ。
春節はラーメンに限る。

餃子もありますよ。


a10

マンゴー亭では、
調理の区切りがついたローラが
厨房から出てきた。

そのチャイナドレス、
なかなかお似合いよ。

ちょっと丈が短すぎると思いません?

それしかなかったのよ。
倉庫でスラックス探してみるわ。
と小池恵子が言っている。



解説)
続きます。
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Feb 26, 2026

子供の領分

a1

広場では大道芸人たちの演奏が再開され、
人々は平常に戻って聞き入っている。


a2

「春一番」は名曲ね。
この季節にぴったり。
などと話している。


a3

エトナがドルフィンの2階から、
小さな女の子を連れて降りてきた。

あらかわいい子ね。


a4

その子は、ルイちゃんっていうのよ。
私の遠い親戚の娘さんなんだけど、
両親が不在がちで、よく預かってるの。
と言っても、ほとんどドルフィンの2階で
預かってもらってるんだけど。
とマンスフィールドさんが言った。


a5

子供達が話している。

あなたはドラコにお煎餅あげたり、
話したりしてたわね。
すごいなあ。
あ、私は鈴木すず。

僕は池谷圭。

私はピリカよ。


a6

そこにルイがやってきた。


a7

ルイとピリカは見つめあっている。

あなたは、ルイね。

その声は、
もしかしてピリカ?


a8

やったーと言い合って、
ハイタッチしている。


a9

ルイちゃん、
ピリカと知り合いだったの?

マンスフィールドさんの倉庫で出会ったの。
ピリカは子鹿のフィギアだったのよ。
この前行ったらなくなっていて、
マンスフィールドさんに聞いたら、
シモーヌっていう人にあげたって言ってた。
いなくなって寂しかったの。

それってどういうこと?

私はまだ子供だから、
人形と話ができるの。
とルイが言った。

私はできないよ。
とすずが言った。

僕も。
と圭が言った。

子供にもいろいろあるのよ。
とピリカが言った。

私は子鹿のフィギアに宿っていた精霊。
マンスフィールドさんの倉庫に
置かれていたとき、
ルイが話しかけてくれて、お友達になったの。
それから去年の7月の初め。
倉庫に見学に来たディアナが、
フィギアの中に宿っていた私を見つけて、
マンスフィールドさんから譲り受けたの。
ディアナも鹿のフィギアの精霊だから、
私のことがわかったのね。
それから、ディアナに夢の世界に連れて行ってもらって、
そこに来ていたフミコっていう魔族の人が、
魔法で人間の姿に変身できるようにしてくれたのよ。

おとぎ話みたいだね。



a10

仲良くなった子供達は
鹿せんべいを食べている。
子供なのでなんでも食べるのだった。



解説)
続きます。
Posted at 19:51 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Feb 25, 2026

春節の広場 そのきゅう

b1

龍は宝珠を探す仕草をしている。


b2

宝珠を見つけた仕草をしている。


b3

やがてうねうねと天に昇っていく。


b4

流石にみんな気がついて、
踊りをやめて空を仰いでいる。


b5

空に登っていっちゃったね。


b6

見事なもんですね。
みんな踊りをやめましたよ。
帽子どうしたんです。

脱帽しているんだよ。


b7

あれ、どうしたんだろう。
なんか頭が軽くなったみたい。

龍の舞が終わったんだよ。


b8

見事なものね。
そういえば、2年前の春節でも、
ハリーさんが最後に
龍を天に登らせたのよ。
同じ魔法なのかしら。

今のは人形を操る魔法の応用です。
物品に精霊が宿っていなくても、
操ることはできるんですよ。
あの作り物の龍は微妙で、
自分で舞の手順を覚えていました。
精霊が目覚めかけているのかもしれません。

ふーん、春節だから、
龍の舞を踊りたかったのかも
しれないわね。
それで龍はどこに行ったの?


b9

まだ空を漂っていますよ。

じゃあ、郊外の森林公園に
おろしてくれない?
ドルフィンのスタッフに頼んで、
後で回収してもらうわ。

わかりました。



解説)
続きます。
Posted at 19:59 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Feb 24, 2026

春節の広場 そのはち

a1

シモーヌは、
作り物の龍の頭に向かって呪文を唱えている。
薄い煙が立ち上った。


a2

龍はゆっくりと頭を上げて
もぞもぞと動き出した。


a3

龍は広場に出てきた。


a4

みんな踊りに夢中で
まだ気がついてないみたい。

頭ごしに動いていくから、
持ち上げているように見えるわね。


a5

あれは龍でしょう。

みんなで踊りながら運んでいるのか。
器用なものだなあ。


a6

なんだこれ。

ジェットが気がついたようだ。


a7

わー龍だよ。
龍の舞が始まったんだ。


a8

龍はお構いなしに
うねうねと踊っている。


a9

ケイ、気がついたのね。

龍の舞は中止じゃなかったんですか。

それが事情が変わったのよ。



解説)
続きます。
Posted at 19:51 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Feb 23, 2026

春節の広場 そのなな

a1

広場で踊る人の数は増えていた。


a2

大道芸人たちの演奏も
熱を帯びている。


a3

踊らにゃ損損。
と言っている。


a4

ジェットとケイも
噂を聞いてやってきて
参加している。


a5

カオス状態になってきたわね。

今日は気温も上がって
春一番が吹いたそうだよ。
踊り日和だね。


a6

ルビーのところに、
シティポリスがやってきた。


a7

あのー。
この踊りいつまで続くんでしょう。


a8

春節の時には、よくこうなるの。
ご存知でしょう。
ここの住人はみんな
歌や踊りが大好きですからね。

しかし、
これ以上人数が増えると
カオスになりますよ。
怪我人が出ないうちに
とめないと。


a9

私が止めましょうか。
とシモーヌが言った。

そんなことできるの?

龍に踊ってもらうんです。


a10

魔法で龍を動かすのね。
見てみたいわ。
とサラが言った。

魔法を使うのは
まずいんじゃないですか。

みんな踊りに夢中だから、
きっと大丈夫よ。



解説)
続きます。
Posted at 19:32 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Feb 22, 2026

春節の広場 そのろく

a1

シモーヌは倉庫から戻ってきた。

おかえり。


a2

シモーヌは部屋の奥に目をやった。

あれはなんですか?

春節の竜の踊りに使われる、
作り物の竜よ。
準備のためにスタッフが出してきたんだけど、
今年は操作する人がいなくて、
舞は中止になったの。


a3

シモーヌたちはベーカリーの
テーブル席に座って話している。


a4

シモーヌ。
一人で鏡の扉を使って、
マンスフィールドさんの倉庫にいって、
すぐに戻ってきたのは、
素早い行動で驚いたけど、
わけを説明してくれる?


a5

ええ。実はね。
私、以前にもあの倉庫を訪れたことがあったの。
マンスフィールドさんのお話で、
倉庫の一部を美術館として開放していることや、
フクロウのコレクションがあるって聞いて、
本当に同じ場所か確かめに行ったというわけ。
黙っていてごめんなさい。

全然いいけど、
確認できたの?

ええ、あのフクロウの置物のコレクションの多くには、
精霊が宿っていて、今は別世界で暮らしているんです。

ふーん。そうだったの。
私はそういう判断能力は全くないからわからない。
あのコレクションは確か知人から譲り受けたものよ。

そうなんですね。
でも一つカラフルな新しいのがありましたよ。

ああ、あれね、
あれは最近買ったのよ。


a6

広場では
踊る人が増えていた。


a7

だんだん盛り上がっている。


a8

屋台ではルビーと
ドルフィンのマスターが話している。

賑やかになってきましたね。

カオス状態にならないといいけど。


a9

マンゴー亭では、
ローラが、春節の期間中のお店の手伝いを
頼まれて、承諾していた。

春節の間は、従業員はチャイナドレスで
統一することになったんで、
その服装で頼むよ。



解説)
続きます。
Posted at 20:08 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Feb 21, 2026

春節の広場 そのご

a1

サラたちはマンゴー亭で
話し込んでいる。


a2

ジャンさん。
あなたは庭にジオラマの村を作るほどの
フィギアマニアなんでしょう。
その村に配置していたフィギアたちに
精霊が宿って異世界で暮らし始めた。
そのきっかけはなんだったの?
とシモーヌが尋ねた。


a3

話せば長いんですよ。
僕はあの郊外のバービーハウスを、
美術品のコレクターだったマンスフィールドさんから
購入したんです。
家には人形の保管用の倉庫が付いていたんで、
それが魅力だったんです。
その倉庫にはリリスという人形が置いてあって、
マンスフィールドさんから、リリスは
倉庫の主だから大事にするようにと言われました。
それが購入の条件だったんです。
後で知ったんですが、その人形に精霊が宿っていたんです。
ある日、たまきとベーカリーで知り合って、
僕が庭にジオラマの村を作っていることを知った、
たまきたちが、家に遊びにきて、
倉庫で休憩していた時、フィギアの兵士たちが乱入してきました。
倉庫のドアが、突然異世界と繋がるようになったんです。
やがて異世界からリリスが現れて、
その異世界はリリスの力だけでなく、
その土地の持つ力や、フィギアたちの思いや、
もちろん僕の願いなど、いろんな事情が重なって
生まれたというようなことを教えてくれました。


a4

なるほど。
魔族が魔法で生み出した世界じゃなかったっていうことね。
その家の前の持ち主のマンスフィールドさんは?

彼女なら大抵広場のベーカリーにいますよ。
コンテストの審査員をされているんです。
町の市街地に近い場所に大きな倉庫を持っていて、
今でも美術品のコレクターとしても活躍されています。
ご紹介しましょうか。

ええぜひ。


a5

3人は広場のベーカリーに向かった。

マンスフィールドさん。

あら、ジャン。
お揃いで何かしら。

ご紹介したい方が。
こちらシモーヌさん。
骨董品の売買をされています。

シモーヌです。どうぞよろしく。
ところで突然不躾なお願いで恐縮ですが、
マンスフィールドさんは美術品を蒐集されていて、
大きな倉庫をお持ちとか。
仕事柄とても興味があるんです。
拝見させていただけないでしょうか。


a6

もちろん歓迎するわ。
倉庫の一部は、美術館のように一般にも開放しているの。
でもここからだと、
車で行かないとちょっと遠いわね。

シモーヌは、その言葉に何か思い当たったようで、
もしかして、フクロウのコレクションをお持ちですか?
と尋ねた。

フクロウの置物なら、結構あるかな。

やっぱり。じゃあ早速伺います。


a7

ドルフィンの建物の中に入ると、
シモーヌは壁に向かって呪文を唱えた。
すると薄い煙がたちのぼり、鏡の扉が現れた。

またなんでもありなのね。
と言われている。


a8

シモーヌが扉を抜けると、
そこはマンスフィールドさんの倉庫の
中だった。

やっぱりここだったわ。
と言っている。


a9

棚にはフクロウの置物のコレクションが
並んでいる。


a10

カラフルなフクロウの置物がある。

おや、君は新入りね。
それに精霊が宿っている。
君も自由になって、常春の国に行きたい?



解説)
続きます。
Posted at 22:22 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Feb 20, 2026

春節の広場 そのよん

a1

ガルーダの舞に続いて、
自由参加の踊りが始まった。


a2

みんな好き勝手に
踊っている。


a3

今年はわりと参加者が少なくて、
カオス状態になりそうもないわね。

結構なことです。

などとルビーたちが話している。


a4

ピリカは、
ドラコと話している。

私もあなたと同じ夢食いなのよ。

ダーダー。


a5

マンゴー亭では、
ジャンとシモーヌが話していた。

この前の馬のフィギアの精霊は元気ですか。

エドね。
常春の世界で、ディアナと一緒に
野原を駆け回っているわ。


a6

鹿せんべいが焼きあがったわよ。
とローラが言った。


a7

鹿せんべいをもらったピリカは
ドラコにもあげている。

ドラコはダーダーと
お礼を言っている。


a8

ピリカはアンに抱き上げてもらった。


a9

サラはマンゴー亭に行った。

あら、ローラ、
マンゴー亭で働いてるの?

忙しそうだったので、
お手伝いしてるだけよ。

あなたの腕なら、きっと
スタッフに誘われるわよ。



解説)
続きます。
Posted at 19:37 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Feb 19, 2026

春節の広場 そのさん

a1

広場の一画から大道芸人たちが移動して、
マイクを持ったルビーが現れた。


a2

これから春節恒例の
ガルーダの舞の演舞を始めます。
舞手は舞踊研究家にして
マンゴー亭のシェフの丹下健太氏。
ごゆるりとご観覧ください。


a3

ガルーダのお面を被った
丹下健太が登場して一礼した。


a4

大道芸人たちの演奏に合わせて、
丹下健太は早速踊り始めた。


a5

軽やかにジャンプしながら、
意味不明の身振り手振りをしている。


a6

音楽がクライマックスに達して、
健太は驚異的なジャンプをした。
時の流れが緩やかになって、
空中に静止しているように見えた。


a7

万雷の拍手と歓声に包まれ、
健太はお辞儀をしている。


a8

舞と佳奈は食事に夢中だったようだ。

あれは何?
と空を見上げて舞が言った。


a9

上空には円盤が浮かんでいた。


a10

宇宙ステーションから、
ピピが踊りを見にきていたのだった。



解説)
続きます。
Posted at 20:02 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Feb 18, 2026

春節の広場 そのに

a1

マンゴー亭で
ジャンとローラが話している。


a2

君は去年のハロウィーンのコンテストで
ゾンビの仕草で優勝した人だろう。
この町の人じゃないよね。

ええ、観光に来たんだけど、あれから、
喫茶ペンギンの前のカコさんたちの家に
家事手伝いで居候させてもらっているの。

ふーん。これ美味しいね。
君が焼いたの?

そうよ。
私は料理研究家なの。


a3

バターを塗ると
こくが出て一味違うわよ。
お塩を少し振ると、さらに甘味が引き立つわ。


a4

そこにシモーヌとピリカがやってきた。

マスター。この前は
鹿せんべいを作ってくれてありがとう。
すごく好評だったので、
また注文してもいいかしら。


a5

もちろん。
と言いたいところだけど、
これから、ガルーダの舞を
踊らなくちゃならないんだ。
それに春節でラーメンの屋台も出してるし、
注文が多くてね。
ちょっと時間がかかるかもしれないな。


a6

あ、だったら私に手伝わせてもらえませんか。
鹿せんべいは得意なんです。
と会話を聞いていたローラが言った。


a7

サラはルビーたちに会って話をしている。


a8

もう春節なのね。
今年は恒例の竜の舞は見られるの?


a9

それが今年は取りやめになったんですよ。
いつもは軍の特殊部隊が協力してくれるけど、
今年はなんでも豪雪地帯に派遣されていて、
雪かきをしてるらしくてね。
とドルフィンのマスターが言った。

でも恒例の春節の踊りは
これから始めるつもり。



解説)
続きます。
Posted at 19:56 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Feb 17, 2026

春節の広場

a1

サラたちは鏡の扉を使って
サラたちの部屋に戻ってきた。


a2

広場で春節が始まってるよ。
今年は屋台が出てるみたい。

まだ寒いよね。


a3

サラは上着を着込んでいる。


a4

3人は広場に出かけた。
万国旗がはためいている。


a5

ピリカは干支の馬の埴輪に
注目している。

いい匂い。


a6

ラーメンの屋台が出ていたのだった。


a7

佳奈と舞がラーメンを食べている。


a8

鈴木すずと圭も
出来上がりを待っている。


a9

アンナと小池恵子は
チャイナドレスを着ていた。

その格好二人とも
久しぶりじゃない?

春節だからね。



解説)
続きます。
Posted at 19:58 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Feb 16, 2026

朝の出来事 そのに

a1

なんかすごい声が聞こえたけど。

ああ、
恐竜が叫んだんですよ。


a2

何が起きたか、
聞かないことにしよう。

家の周りを案内するわ。
とみすずが言っている。


a3

ここは菜園なの。

ヤビーが喜びのポーズをしている。


a4

あれは常設タイプの鏡の扉ですか。

ええ。
現実の未来の世界に行けるのよ。

現実世界ですか。
私は遠慮したいなあ。


a5

一行は家の玄関前に戻ってきた。

ところで、
情報の記録装置みたいなものはありますか。
とマルテが言った。

紙とペンね。もちろんあるわよ。
でもどういう風の吹き回し?

湖でアンモナイトを見つけたり、
恐竜を見ているうちに、
大昔のことをいろいろ思い出して、
記録に残しておきたくなったんです。


a6

そうそう、レイチェルが使っていた
机と椅子があるわ。


a7

何を書くの。

もちろんマルテの手記です。

そのタイトルは
やめた方がいいわよ。

じゃあ火星年代記。

それもやめた方がいいわ。


a8

文字を書くなんて、
見かけによらないわね。
人間みたい。

そこにピリカがやってきた。

シモーヌ。
鹿せんべいごちそう様でした。
また食べたいんですけど。


a9

あれは広場のマンゴー亭で、
特別に作ってもらったの。
また行って頼んでみましょうか。

うん、私も行きたい。

広場ねー。
そういえば今日は2月の16日。
今年の春節は明日からだから、
里帰りして見物するのもいいわね。
とサラが言った。


a10

サラはシモーヌとピリカを連れて
家に戻ることにした。



解説)
続きます。
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Feb 15, 2026

朝の出来事

a1

サラはぐっすり眠って
部屋から起き出してきた。

おはよー。

おはよ。
今日もいい天気よ。


a2

夢とは思えない瑞々しさね。


a3

マルテは起きたかしら。
あ、ヤッピー。おはよう。

おはようございます。
マルテさんなら、
みすずさんと散歩から、
戻ってこられたところです。
玄関の前にいらっしゃいますよ。


a4

二人が玄関前のベランダに
回ってみると、
アンキロサウルスのアンキローに乗ったみすずと
マルテの姿が見えた。

おはよーと声をかけている。


a5

天気がいいので、
湖畔で朝食を食べようということになった。


a6

あれはサイカニアの群れね。


a7

マルテは何も食べないの?

私は水だけでいいんです。
昨日たっぷり飲みましたから。
ちょっとこの辺を歩いてきます。


a8

さっきのみすずが乗ってた恐竜は?

ああ、アンキローね。
群れに帰ったみたい。
いつも私の朝の森林浴に付き合ってくれるの。
あれでまだ子供なのよ。


a9

マルテは
ティラノサウルスに出会っていた。



解説)
続きます。
Posted at 19:21 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Feb 14, 2026

夕食のあとさき

a1

サラは食堂に降りてきた。
ヤッピーが配膳をしている。

すっかりうたた寝しちゃった。


a2

夕食が始まった。

ふーん。そんな夢を見たの。

マルテに似た宇宙人に、
声をかけたところで目が覚めたのよ。


a3

ヤビーが、料理を運んできた。

それは。

湖でとれたアンモナイトですよ。

それ夢に出てきたわ。


a4

食事が終わり、
みすずはシモーヌを
来客用の寝室に案内している。

シモーヌさんは
この家に泊まるの初めてでしょう。
一人だとちょっと広いけど、
この部屋を使ってね。


a5

確かに広いわね。
応接セットもついてる。


a6

サラはいつもの部屋ね。

了解。


a7

サラの泊まる部屋を
見に行ってもいい?

もちろんよ。


a8

このベッドも寝心地良さそうじゃない?

そうなのよ。
ところで、さっき話した夢のことだけど、
何か意味があるのかしら。

夢の中で見た夢でしょう。
さすがに、そういうのはよくわからないわ。


a9

フミコはマルテを
来客用の寝室に案内していた。

二人用の大きいベッドだから
あなたでも十分使えるでしょう。

そうですね。
私は手足をまとめると
意外と場所をとらないんですよ。
人間用のベッドを使うのは初めてですが。


a10

私たちの星が見える。
とはいえ、ここは忘れられた夢の世界。
この夢を見た人はかなりの人ですね。

シモーヌの祖母だったって聞いてるわ。
亡くなる直前に見ていた夢で、
夢を見ながら亡くなったのかもしれないの。

じゃあ私たちみたいに
夢の中に移り住んで、
ずっと生きておられるのかもしれない。

木々の梢をゆすって、
風が波のように通り過ぎていった。



解説)
続きます。
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Feb 13, 2026

サラの夢

a1

サラは夢を見ていた。


a2

あの星は。


a3

どんどん近づいていく。


a4

地表まで接近したようだ。


a5

井戸のような人工物がある。


a6

サラが吸い込まれるように
落ちていくと水中だった。


a7

どうなってるのかしら。


a8

あ、あなたはマルテなの?

サラ。


a9

サラはその声に目を覚ました。

サラ。
そろそろ晩御飯よ。
といわれている。



解説)
続きます。
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Feb 12, 2026

みすずの家で

a1

水浴びしてるよ。
大丈夫かなあ。
とヤッピーたちが噂している。


a2

サラとシモーヌは
おやつを食べていた。


a3

おやつを食べたら、
なんだか私眠くなっちゃった。
とサラが言った。

ふーん。
そういえば、サラとはエクレア号で出会ってから、
ほとんど一緒に行動してるけど、寝てないわね。

エクレア号にマーレが来た夜に、
海賊船に泊まって以来ずっと寝てない。
船から町に戻ってきたと思ったら、
馬のフィギアのエドの件で常春の国に行ったり、
アフリカに行ってピピの件で宇宙船に乗ったり、
色々あったけど全然寝てない。

鏡の扉を頻繁に使うと、
疲れたり時間の感覚もおかしくなるのよ。
特に普通の人間はね。
寝室に行って本格的に休む?

それほどでもないわ。
今寝たら、
晩御飯寝過ごしちゃいそうだし。


a4

サラたちは
フミコがミミコの世話をしている部屋に行った。

ここは爽やかな風が吹き込むから、
気持ちよさそう。

そこ座ってもいい?

もちろんよ。
お茶でも飲む?


a5

マルテが湖でタコ泳ぎしてるわよ。

そんな泳法あったっけ。

あ、あれはタコ踊りか。


a6

サラは疲れが溜まっていたのか、
あっという間に寝てしまった。


a7

やがて
マルテとみすずが
湖畔の散歩から戻ってきた。

泳ぎがお上手なんですね。

手足がたくさんあるので。

あれ、
サラは?

寝ちゃった。


a8

そよ風を受けながら、
サラは眠っている。


a9

パラサウロロプスの子供が
覗き込んでいる。



解説)
続きます。
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Feb 11, 2026

湖畔の散歩

a1

サラたちはみすずの家にやってきた。
マルテはさっそく湖を眺めている。

あら、珍しい姿のお客様ね。
とフミコが言っている。


a2

応接間にみんなが集まった。

私の名はマルテ。
夢の中で暮らせる世界を探していたところ、
シモーヌに常春の国に送ってもらえました。

マルテさんは夢食いなの?

よく聞かれませすが、
元はあなたたちが火星と呼ぶ星の住人です。
遥か昔に精神的な進化を遂げた代償に、
現実世界では長時間存在できなくなり、
あなたたちが夢食いと呼ぶような存在と
類似した生き方をしていますが、
異世界由来の夢食いではありません。

元は惑星で生まれた生物で、
人間や魔族やタコと同じなのね。

違いますが同じです。


a3

恐竜が見たいというマルテを
みすずが湖畔に案内することになった。


a4

ヤミーやヤッピーと出会った。

湖畔巡りですか。
今日はプラキオサウルスが来てますよ。
といわれている。


a5

二人が岸辺に沿って歩いて行くと、
プラキオサウルスに出会った。


a6

二人が近づいていくと、
プラキオサウルスは
水辺を離れていった。

このへんの草食恐竜は、
最近私たちに慣れてきて、
棲み分けしてくれてるみたいなの。
とみすずが言っている。


a7

さらに岸辺を回っていくと、
漁をしているスピノサウルスを見かけた。


a8

二人の姿に気がついた
スピノサウルスたちは
立ち去って行った。

礼儀正しい連中ですね。

あなたが怖いのかも。


a9

マルテは湖に入っていく。

まるでタコみたいね。
といわれている。



解説)
続きます。
Posted at 19:43 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Feb 10, 2026

雪の日

b1

ジェニーたちの部屋で
たまきたちが話している。

雪が降ってる。

夜中に降り積もったみたいね。


b2

年に一度か二度の雪景色ね。


b3

探偵事務所でも。

雪が降るなんて珍しいね。


b4

冬らしくていいんじゃない。


b5

喫茶ペンギンでも。

昨日は冷え込むと思っていたら、
やっぱり雪になったのね。


b6

雪景色は暖かい部屋から
見るのが一番。

雪見酒したいなあ。


b7

サラたちの部屋でも。

雪だね。

薄着で出かけたサラはどうしているかなあ。

きっとあったかい世界で
快適に過ごしているわよ。


b8

サラは
トロンの小屋でくしゃみをしていた。

誰か私の噂をしたのかしら。


b9

さてシモーヌ、これからどうしましょう。

マルテも住処が決まって、
新しい世界に馴染めそうだし、
一件落着ね。
ホテル・ナジャに行って、
ハリー夫妻に報告するか、
常春の国に行って、
城のフクロウたちにマルテを紹介するか、
物語の分岐点のようで迷うわね。

どっちでもあまり変わらないと思う。
とサラが言っている。


b10

この鏡の扉は、
去年の6月にアイスとヴィヴィアンとセリーヌが来た時、
アイスがいつでもみすずさんの家に行けるように、
設置してくれたんです。
とトロンが言っている。

そこはどんなところ?

この忘れられた夢の世界の中央にある森林地域よ。
恐竜たちが棲息している。

行ってみたいな。
とマルテが言った。

それは構わないけど、
マルテは一人きりの暮らしが好きなんじゃないの?

恐竜を見てみたいんです。
遥か昔、地球で恐竜が栄えたのは、
私たちの文明が最盛期の頃でした。

もう何億年も前のことよ。

マルテが突然現れたらみすずたちが驚くから、
私たちも一緒に行きましょう。

思いつきみたいだけど、
これで話の行き先が決まったわね。



解説)
先日の日曜日、珍しく雪が降ったので、
常設セットの窓から見える雪景色を撮影しました。
Posted at 20:10 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Feb 09, 2026

マルテ そのご

a1

ところでマルテ、あなたは大昔に、
隣の星に住んでいた連中の生き残りだって、
レプティリアンのシベールから聞いたんだけど。

そうですか。

隣の星って、火星のことでしょう。

そうです。遥か昔のことです。
隕石が衝突し、気候が大変動して文明は滅びました。
夢の世界で生きられるすべを覚えていたものたちだけが、
極地の地下の氷の中で生き残ったのです。
それから長い時が過ぎ、
レプティリアンたちが探索にやってきたのです。
でも彼らの目的は隣の青い水の惑星、地球でした。
接触はあったものの、
砂漠と化していた惑星に関心を失った彼らは、
いくつかの補給基地を残して地球に去っていった。
私たちがそう仕向けたこともあったんですが。

古代に地球に来たレプティリアンたちが、
人類、特に魔族と共存していたっていう話は、
フミコから聞いたことがあるわ。
それ以前の出来事なのね。


a2

あら、ここには壁があるみたい。
前に進めない。

見えないだけで、ここは洞窟の中なんです。
雪で塞がれているという
向こうの入り口に行ってましょう。


a3

3人はどんどん
洞窟の奥に進んで行った。


a4

雪の壁に突き当たると、
マルテは目から怪光線を発して雪を溶かした。
すると洞窟の出入り口を塞いでいた雪が溶けて、
雪塊が音を立てて崩れ、
3人は忘れられた夢の世界に出るとことができた。


a5

サラ。
という声がする。

トロン!

谷川に水を飲みに来ていたら、
大きな音がしたので様子を見に来てみたんです。
アイスさんと二人で、
せっかく塞いだのにまた開けちゃったんですか。

ちょっと事情が変わったみたいでね。
そう言って、サラは、
トロンをシモーヌとマルテに紹介した。


a6

トロンは夢食いなの。
子供のみる夢だけに出没するらしいのよ。

姿もおもちゃみたいで
一見幼児用玩具の精霊みたいね。
とシモーヌが言った。

それが違うんですよ。


a7

3人はトロンに小屋に来ないかと
誘われたので、ついていくことにした。

このあたりは
忘れられた夢の世界の中でも
最西端の辺境で、住人も恐竜も滅多に来ない。
一人暮らしには最適なんです。


a8

やがてトロンの住む小屋に到着した。


a9

快適そうなお部屋ね。

そうなんですよ。
水しかないですがどうぞ。

あ、これお水なのね。



解説)
続きます。
Posted at 19:57 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Feb 08, 2026

マルテ そのよん

a1

マルテさーん。
随分探したのよ。


a2

マルテでいいですよ。
森の中に出現して
あちこちを観察していたんです。


a3

ここは山紫水明の世界ですね。
気に入りました。

ここには私が送り込んだ
主にフィギアの精霊たちが
暮らしているの。
住み着いた夢食いもいる。
あなたが来たことは
みんなに知らせておくから
出会ったら挨拶してね。

あまり交流はしたくないんですが。


a4

シモーヌは、
ちょっと考えているようだったが、
やがて口を開いた。

マルテは寒さは大丈夫?

前の世界では氷に閉じ込められていた
こともありましたから、
全然平気ですよ。

だったら。
いい住処があるわ。


a5

3人はセコイアの根元で眠っていた
オオトカゲに出会った。

こちらはマルテ。
新しい住人だから
仲良くしてね。

最近は馬とかタコとか
賑やかになってきましたね。
どうぞよろしく。
とトカゲは言った。


a6

この辺りは雪が積もっていますね。

常春の国と言ってもそれは平野や森や湖のある中央部分。
雪を被った周辺の山々は世界の境界になっているの。

ここ登るんですか。


a7

3人は雪山に登って行った。

ここに洞窟があるの。
トンネルになっていて、
忘れられた夢の世界に抜けることができるけど、
今は向こう側の入り口は雪で塞がれている。
普段はフクロウたちが、たまに吹雪の際の避難所に
使っているみたいだけど、
あなたの住処にどうかなと思って。


a8

なるほど。
住み心地が良さそうですね。

トンネルを抜けて、
忘られた夢の世界に行きたければ、
それも構わない。
ただし、向こうの世界には
すでに夢食いたちが暮らしていて、
恐竜も生息しているのよ。


a9

ここ改造してもいいですか。

どうぞご自由に。


a10

マルテが呪文のようなものを唱えると、
周辺がホワイトアウト状態になった。

これってピピの夢の中と同じ。
とサラが言った。

ピピの夢もそうやって変えていたのね。

変えたのは洞窟の中だけです。
私には、この状態が落ち着くんですよ。
天国にいるみたいで。



解説)
続きます。
Posted at 19:33 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Feb 07, 2026

マルテ そのさん

a1

オウル様はお昼寝中で、
ディアナ様はエドさんと
お花畑にお出かけです。

新しくこの世界に来てるはずなんだけど、
マルテっていう
タコみたいな生物のこと知らない?

存じませんです。
私はいつもお城におりますので。
みんなを集めて聞いてみましょうか。

それには及ばないわ。


a2

二人は城を出て
マルテを探してみることにした。

いつも巡回パトロールをしてる、
アーキスに聞けばわかるかも。


a3

アーキスは、庭園の中の
カエルの彫像を栖にしている。

見なかったなあ。
タコみたいな姿なんだな。
探してみるよ。

新しい住人なんだから、
仲良くしてね。


a4

この世界、結構広いから
きっとどこかにいるんでしょうね。

野原の方にいってみましょう。


a5

カマキリに聞いても
知らなかった。


a6

私たち平原をずっと駆け回っていたけど、
誰もみなかったわよ。
と言われている。


a7

森の中に入っていたら
見つけるのは大変そうね。

やっぱりフクロウたちに
集まってもらって
目撃者を探したほうがいいかなあ。


a8

二人は湖のほとりまでやってきた。

あ、あそこに。


a9

大きな石の上にポツンと立っている、
マルテの姿が見えた。



解説)
続きます。
Posted at 19:48 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Feb 06, 2026

マルテ そのに

a1

3人は鏡の扉を抜けて、
ピピの見ていた夢の中から
宇宙ステーションに戻ってきた。


a2

シモーヌたちは夢の中で起きた出来事を
みんなに説明している。

タコのような姿の生命体。
それがピピの夢の世界に侵入して、
いつか誰かがそこにやってくるのを期待して、
ピピを長時間眠らせていたというわけね。

住んでいた世界を失って、
ピピの夢の中に緊急避難したんだって言っていたわ。
それにしては、あまり困っているようにも
見えなかったけど。
住みやすい場所を知らないかっていうので、
とりあえず、精霊たちの住む常春の世界に送ってあげたの。

随分大胆な決断だね。
そのマルテという生命体は、信頼できるのかな。
彼の素性は何もわからないんだろう。
とハリーがいった。

そこは私の直感です。
住みやすい場所を知らないかって言われた時、
常春の国のことが思い浮かんだの。
確かにマルテのことは
まだ何も知らないに等しいけど、
常春の国に送ればうまくいくような気がした。
変な言い方ですが、
常春の国がマルテを招いているような感じです。
私はこういう直感を大事にしてます。
とシモーヌが言った。

わかる気がするわ。
そういう感覚は魔族の特性なのかもしれないわね。
とカーミラが言った。

とにもかくにも原因が究明されて、
昏睡状態からピピが目覚めたのは、喜ばしいこと。
シモーヌさんの活躍に感謝するわ。
皆さん、どうぞゆっくりしていってください。
とメイズが言った。


a3

一行は宇宙ステーションの中にある
バー・エデンに案内された。


a4

あの人、すごいパワーを持っているんですね。

シモーヌのことね。
彼女は昨年の11月にハリーを訪ねてきて
知り合ったので、まだよく知らないの。
あのパワーには私も驚いたわ。

彼女の祖母も相当な魔力の持ち主だったそうだ。
その血を受け継いでいるようだな。
シモーヌはパリでアンティークの店を経営してるそうで、
しっかり人間社会にも溶け込んでいる。
いつも遊び回っているヴィヴィアンとが大違いだな。

ヴィヴィアンだって、
バー・デジャや、ホテル・ナジャを経営してるわよ。

そういえばそうだが、
実務はイリヤやマリアに任せきりだろう。
それはともかく、
パワーという意味では、ヴィヴィアンもすごいよ。
あいつだったらどんな対応をしたかな。

あんまり想像したくないわね。

そうなんですね。


a5

シモーヌとサラも、
ピピとダックにお礼の歓待を受けていた。

目を覚ましてもらった上に、
こんなにチョコもらえるなんて
嬉しいなあ。
あ、ラッカスって知ってますか。

何それ?

今年の1月に新発売された
チョコなんですよ。
ラミーとバッカスを組み合わせた
洋酒チョコなんです。

細かいことに詳しいのね。


a6

やがて地球に戻る前に、
一同はメイズに挨拶しにいった。

もうご存知かもしれないけれど、
この宇宙ステーションには、
地球オタクの宇宙人たちが乗船していて、
ここから円盤を飛ばせて、
地球観光をしたり地球を観察しているの。
宇宙連合の規約として、一応
地球の住人との直接的なコンタクトは
禁止されているけれど、特例措置もあり、
アフリカのホテル・ナジャは例外。
今回は非常事態ということで、
そういう経緯で知り合えた、
魔族の皆さんの力を借りられたわけです。
今後ともどうぞよろしくね。
とメイズが言った。


a7

サラとシモーヌは帰りがけに通路で
レプティリアンのシベールと出会った。

やあサラ、
随分面白いショーを見せてもらったよ。

シベール。
あ、こちらは。

シモーヌさんだね。よろしくな。
船内はどこもモニタリングされてるんだ。
あのタコのような宇宙人のこと
教えてやろうか。

あ、ええ、お願い。

あれは隣の星に大昔住んでいた連中の
生き残りだよ。

え、そうなの。

これから会いにいくんだろう。

ええ。
流石に気になるから。

おれはこれから
おやつを食べにいくんだ。
またな。


a8

一行は転送装置で
アフリカに帰ってきた。

さっきのトカゲ頭の宇宙人は?
とシモーヌが尋ねている。

大昔から地球に来ていた宇宙人で、
レプティリアンって呼ばれてる。
特にシベールは魔族のパワーに関心を持ってるから、
用心したほうがいいかも。
とサラが言った。

色々複雑なのね。
ともかくハリー夫妻にご挨拶してから、
常春の国に向かいましょう。


a9

二人は鏡の扉を抜けて
常春の国にやってきた。

おお。シモーヌ様、
それにサラさん。
とミネルバが言っている。



解説)
続きます。
Posted at 19:37 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Feb 05, 2026

マルテ

a1

世界は真っ白な状態になった。
ピピは眠っているようだ。


a2

サラはポケットから、持っていた
チョコレートを取り出して、
ピピの鼻先にかざしてみた。


a3

ピピは飛び起きた。
いい匂い。
と言っている。

あれ、ここは?

ここはあなたの夢の中よ。
夢の中でも寝てたみたいだけど。


a4

3人はとりあえず前方に歩いてみた。
方角も遠近感も全く掴めない。


a5

これは本当に僕の夢の中なの?

これじゃ、起きてから
何も思い出せないのも無理ないわね。

僕たちは夢って滅多に見ないんだ。
それに、こんな夢初めて。

あら、あそこの
タコのようなものは何?


a6

タコのようなものは
そろそろと近づいてきた。

やはり来ましたね。
君たちは、夢食いですか。
それとも宇宙ステーションの乗員かな。
おや、ピピも目覚めているのか。

夢食いでも乗員でもないわ。
この人は魔族のシモーヌ、
私はサラサラのサラよ。

地球人でしたか。
なるほど魔族が鏡の扉を使ったのか。

あなたこそ、夢食いなんでしょう。
ピピの夢の中に入り込んで
何をしているの?


a7

私の名はマルテ。
確かに夢食いと同じように
ピピの夢に入り込んではいるが、
これは臨時の緊急避難なんだ。
私たちの住んでいた世界は、
失われてしまってね。
安住の地を探している。

それはお気の毒だけど、
ここはピピの夢の中でしょう。
ピピはずっと眠っているのよ。

夢を持続することが大事だったのだよ。
持続する夢にはやがて夢くいが来るだろう。
あるいは君たちのように、
異変に気がついて様子を見に来るものがいる。
宇宙ステーションには、
宇宙連合に加盟している様々な惑星から来た
地球オタクの宇宙人が乗っているから、
誰か夢に入り込める能力を持った宇宙人が、
来ると思っていたんだが、
船に乗っていないはずの
地球の人間や魔族が来るとは意外だったよ。

それで、来たけど、どうするつもりなの。

こうして話してるじゃないか。
どこか住みやすい世界を知らないか?

その言い方、
とても緊急避難で助けを求めてるように
見えないけど。


a8

しばらく考えてシモーヌが言った。

わかったわ。
あなたの住みたい世界には何か条件があるの?

持続可能で平和な世界がいいな。

こんなに真っ白な、
手抜き画像のような世界がお望みなの?

それも手軽でいいな。
あ、今のは冗談だよ。
ただしこの宇宙を構成する現実世界はだめなんだ。
私たちは進化した結果、
もう夢のような異世界でないと、
長時間は体がもたない。
風邪もひきやすいし。

わかったわ。
あなたを常春の国に送ってあげます。
とシモーヌはいうと呪文を唱えた。


a9

なんと薄い煙がたちのぼり、
マルテの体は煙に紛れて消えていった。

シモーヌ。
あの人送っちゃって大丈夫なの?

話していて害意はないことが
感じ取れたの。
まだわからないことは多いけど、
とりあえず、みんな心配してるだろうから
急いで帰りましょう。


a10

シモーヌが呪文を唱えると、
鏡の扉が現れた。

ちょっと安易すぎる展開じゃない?

この世界、
ちょっと気に入ったなあ。
なんだか天国に続いているようで。
こんな夢、また見られるかなあ。
とピピが言っている。

あなたが望めばね。
とシモーヌが言った。



解説)
続きます。
Posted at 19:45 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Feb 04, 2026

ピピの夢へ

a1

みんなはメイズのいるフロアに行き、
事態の報告をしている。

もうチョコレートの匂いに、
慣れてしまったのね。

でも一度普通に目覚めて話せたのなら、
意識に精神的な障害は起きていないっていうことね。

見ていた夢を覚えていないということは、
夢の中で特に劇的なことがなかったということかしら。

夢の記憶が封印されて、
夢を思い出せなくなっているのかもしれませんよ。

などと口々に話している。


a2

ピピは、夢を見たことを覚えていないって言ってたけど、
ピピがずっと睡眠中に夢を見ていて、その夢の中に、
外部からの侵入者がいるっていうのは確かなんですか。
とサラが尋ねた。

それは睡眠中のピピの頭脳の活動を調べてわかったのよ。
夢の内容まではわからないけれど、夢を見ている領域に、
正体不明な生命体の存在を示す反応もあったの。


a3

メイズは立ち上がって言った。
今まで留保してたけど、
そろそろ宇宙連合の本部に報告すべきかな。

報告するとどうなるんですか。
とカーミラが尋ねた。

たぶん本部から調査団が来るでしょうね。
その結果によっては、内密に、事故という名目で、
ピピを破棄するように言われるかもしれない。

破棄するって、消しちゃうんですか。

未知の生命体との接触では、
何が起きるかわからないからね。
いろんな意味での感染が脅威なの。
ピピは親善大使だから、無害とわかれば
眠ったまま母星に搬送されると思うけど、
問題が見つかれば、
その星全体を危険に晒すことになるから。

同じ論法でいえば、
この宇宙ステーション自体も
隔離や破棄の対象になりかねないですね。
感染の危険を回避するには。
とハリーが言った。

それって宇宙連合に
攻撃されるってことですか。

やっぱり
報告はやめておこうかしら。
とメイズが言った。


a4

ちょっと私、
試してみたいことがあるんですけど。
とシモーヌが言った。

なんでしょう?

さっき、目覚めたピピと話している時、
彼は私に夢のことを聞かれて、
「夢ですか。よく覚えていないなあ。
ベッドに寝ている感触はあって、
起きなくちゃって思いながら、
まあいいかなって。」
って言ったんですが、
その時、ピピが脳裏に浮かべたイメージを、
のぞいて見たんです。

さすが、精霊発見のプロね。
とカーミラが言った。

それって、夢うつつ状態の記憶でしょう。
ぼんやりと意識があるっていう。

はい、そのイメージの世界に行ければ、
夢の世界に入り込めるかもしれない。

そんなことできるの?


a5

シモーヌが呪文を唱えると、
薄い煙がたちのぼり、
会話した時、ピピが思い浮かべたイメージが
窓にスクリーンのように浮かび上がった。


a6

シモーヌはさらに呪文を唱えた。
すると鏡の扉が中空に浮かび上がって現れた。

魔法って、
なんでもありなのね。

視覚的な記憶の手がかりがあればなんとかなるんです。
ちょっと様子を見てきます。
と言ってシモーヌはドアを開けて鏡の扉に。
サラも咄嗟に寄り添うように続いて扉を抜けていった。


a7

ここはもう夢の中なの?

夢うつつの心象風景ね。
まどろみのような浅い意識の状態。
じきに。


a8

周囲の物象が霞み始めた。


a9

ホワイトアウト状態になっていく。



解説)
続きます。
Posted at 20:04 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Feb 03, 2026

チョコを運ぶ

a1

ヘルミーネは、レイとアンナに
お祝いされている。

優勝おめでとう。
これで私たちと一緒。

広場にいる人はみんな優勝する感じですね。

コンテストの新しい参加者がいないと、
審査が難航して、
最後はいつもルビーが決めてるみたい。
その時、目についた人を選んでるのよ。

マンネリ化してるけど、
みんな毎月チョコがもらえるのを
楽しみにしてるから、
やめるわけにいかないのね。

よくあることですね。


a2

サラはルビーに会いに行った。

あ、サラ、
これから恒例のコンテストの参加賞の
チョコレートの掴み取りが
始まるところよ。

ちょうどよかった。
チョコが必要なの。


a3

サラは特別に最初にチョコの掴み取りを
させてもらっている。


a4

時は迅速に流れ、
サラは急いでチョコをゲットすると、
鏡の扉を抜けて宇宙ステーションに戻ってきた。


a5

サラがピピのいる部屋に着くと、
ピピはまだすやすや眠っていた。


a6

ダックがさっそくチョコレートの
包装紙を剥がして、
ピピの鼻に近づけている。


a7

なんとピピが目覚めて
飛び起きた。

なんていい匂い。
と言っている。


a8

あれ、みんなどうしたの?
ハリー夫妻やサラもいるね。

あなたはずっと眠っていたのよ。
それであなたを起こすために、
みんなこの宇宙ステーションに来てくれたの。
とカコが言った。

そうだったんですか。
今日は何日ですか。

今日は2月3日で節分、明日はもう立春よ。

そんなに。


a9

あなたには初めてお目にかかりますね。

私は魔族のシモーヌと言います。
サラやハリー夫妻のお友達よ。
ピピさん。あなたは、
ずっと夢を見ていたでしょう。
その夢のこと覚えている?

夢ですか。
よく覚えていないなあ。
ベッドに寝ているっていう感触はあって
起きなくちゃって思いながら、
まあいいかって。
突然、チョコレートの
すごくいい匂いがして目が覚めたんです。
あ、また眠くなってきた。


a10

そう言い終わるとピピは
眠り込んでしまい、
再びチョコレートの匂いを嗅がせても
目覚める様子はなかった。



解説)
続きます。
Posted at 20:45 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Feb 02, 2026

メイズの話と優勝者の発表

a1

みなさん、ようこそ
宇宙ステーションへ。
私は艦長のメイズ、
横にいるのは副官のオニールです。


a2

カコは、ハリーの呪文でも
ピピが目覚めない現状をメイズに告げた。

やはりピピの見る夢は、
人間のみる夢とは異質なのね。
そもそもピピは夢をみる生命体だったのかどうか。
地球観光にこの宇宙ステーションに来てから、
夢というものを見るようになったのかもしれないの。


a3

私たち魔族の中には、夢とは異なる、
異世界を生み出すことのできる者もいます。
夢や異世界には夢食いと呼ばれるものが侵入して
住み込むことがありますが、
その種類と作用は実に様々なので、
悪いことが起きているとも一概にはいえない。
何か夢の物語が進行していて、
一段落つけば自然に目覚めることもありますよ。
とハリーが言った。

そう期待していたんだけど、
かなり長い間眠っているから心配なのよ。
宇宙には様々な生命体がいて、
言葉でなく、直接夢や意識に働きかけてくるものもいる。
それはあなたたちのいう夢食いとは多分別種ね。
この船には定期的に食料や物資が運ばれてくるから
その貨物船に潜んでいた生命体が、
このステーションに潜入した可能性もあるの。
まだ同じ症状のものはいないけれど。

もし病気みたいに感染したら、
乗員がみんな眠ってしまうということですね。


a4

私はピピとは結構仲良しだったんです。
去年のハロウィーンには、
バッグの中に入れて、広場を見物させてあげたくらい。
ピピはチョコレートが大好物だった。
とサラが言った。

ピピのチョコレート好きは有名ね。
最初に地球に来た時、
チョコレートを盗もうとして
人間に追われたという話をいつもしていたわ。
とカコが言った。

それって使えるかもしれない。
とシモーヌが言った。

どういうこと?

ピピにチョコレートの匂いを嗅がせるのよ。
そんなに大好物だったのなら、
気付け薬になるかもしれない。


a5

みんなまさかの思いつきだとは思いながら、
試してみることで意見が一致した。

本当は宇宙連合の本部の
了承を得ないといけないんだけど、
今回は緊急事態なので、
私の責任で許可します。
とメイズが言った。

確かに宇宙船の中に鏡の扉を作るなんてね。

レプティリアンたちの作った転送装置はあるけど、
行けるのはアフリカの奥地なので、
チョコレートを入手するには時間がかかる。
広場のドルフィンの倉庫にはストックがあるはずだから、
私がすぐに取ってきます。
とサラが言った。


a6

ハリーが呪文を唱えると、
薄い煙がたちのぼり、鏡の扉が現れた。

ドアは開けておくからね。
とハリーが言った。


a7

サラは、バー・デジャの店内の奥の壁に
常設されていた鏡の扉に抜けてきた。


a8

広場では、ちょうど、
月初めのコスプレコンテストの
優勝者の発表が終わり、
万雷の拍手と歓声の中、
優勝したヘルミーネが、
トロフィを授与されているところだった。


a9

驚きの受賞です。
とヘルミーネが言っている。

あなたはいつも広場にいるし、
その農作業スタイルがついに評価されたのよ。

コスプレコンテストなのに、
すごい評価基準ですね。



解説)
続きます。
Posted at 19:40 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Feb 01, 2026

宇宙ステーションで

a1

サラたち一行は
宇宙ステーションに乗船した。


a2

船内の通路を通っっていく。


a3

地球は青かったのね。

そのセリフは古すぎるだろう。


a4

到着した部屋のベッドには、
銀色の小さな宇宙人ピピが眠っていた。


a5

ハリーは呪文を唱えて、
想念を送っている。
しかし変化はないようだ。

私も普段から器物に宿る精霊の声を
聞き取ることをしていますが、
何も反応がないわ。
深く眠り込んでいるみたい。
とシモーヌが言った。


a6

しばらくして、ダックがやってきた。

みなさん、
艦長がお目にかかりたいと
おっしゃっています。
艦長は別のフロアにおいでです。


a7

一行はまた通路を案内されている。


a8

途中でエレナとルースに出会った。

サラ。この前はお寿司をごちそうさま。
ローラは元気にしてる?

私もあれから会ってないけど、
多分まだミラたちの家にいるはずよ。
とサラが答えた。

そちらは魔族のシモーヌさんね。
どうぞよろしく。

あ、こちらこそ。
どうして私の名前を?

あなたたちが来たことは
ダックが教えてくれたの。


a9

広いフロアに到着すると、
艦長のメイズたちが現れた。



解説)
続きます。
Posted at 19:31 in n/a | WriteBacks (0) | Edit
March 2026
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