Jan 26, 2026
馬の話 そのろく

サラたちはお城に戻って、
オウルと面会している。

ふむ。君はエドという名前なのか。
この国は魔族のシモーヌ様が
生み出してくださった常春の国。
暮らしているのはフィギアや置物に
宿っていた精霊たちで、
みんな君と同じような身の上だよ。
では早速みんなに紹介しよう。
ミネルバ君。
はい、では広間の方に。

広間にフクロウの置物たちが
集まっていた。
オウルはエドを紹介している。
ここにいるフクロウたちはみんな、
同じ倉庫に並べて置かれているのを、
シモーヌ様が見つけてくださって、
この世界に送られてきたんだが、
それ以前の境遇は様々。
誰かこれまでに
馬のフィギアを見たものはいるかな。
馬のブロンズ像なら見たことがあります。
民芸品のチャグチャグうまっこならあります。

紹介が終わり、
サラたちはお城の一画の
眺めのいい部屋に案内された。
この部屋を自由に使っていいって言われたのね。
みなさん親切ですね。

話していると、
ミネルバがやってきた。
シモーヌ様がいらっしゃいましたよ。

シモーヌはみすずの家から、
ディアナを連れてきていた。

シモーヌは、
ディアナをマークとエドに紹介している。
お二人は姉妹なんですか。
お顔がそっくりですね。
とマークが言っている。
ちょっと訳があってね。
ディアナは鹿のフィギアの精霊なの。
とシモーヌが言った。

エドはシモーヌに
質問されている。
エドさん、あなた、広場で話した時、
また人を乗せて走りたいって言ってたわね。
ということは、以前にも、
精霊としてその姿になったことがあるっていうこと?
はい。そうなんです。
ずっと昔のことなんですが、
私が馬のフィギアとして骨董品のお店で売られていたとき、
フィギアの中に精霊の私が宿っているのを見つけて、
母親にせがんで買ってくれた幼い女の子がいたんです。
その女の子は私に名前をつけて、
牧草地まで運んで行って、この姿に変えてくれて
深夜に、私に乗って一緒に走り回って遊んでくれたんです。
ふーん。そうなの。
それからどうしたの。
やがて女の子は乗馬遊びに飽きちゃって、
私は子供部屋の棚の隅に置かれたままになりました。
よくあるパターンね。
それからどうしたの?
それから随分時間が経って、
女の子は大人になって外出が多くなりました。
ある日突然、彼女が帰ってきて、
その直後に、家具を残して一家は引っ越して行きました。
その家にはその子と母親が暮らしていたんですが、
母子ともども蒸発したみたいに消えて、
その後、残された空き家に盗みに入った盗賊が、
馬のフィギアである私を見つけて盗み出し、
盗品であることを隠してオークションにかけたんです。
それでそのフィギアを落札した
ジャンさんの手に渡ったというわけなんですね。
とマークが言った。
そうなんです。
本当の話なんでしょうけど、
フィギアに精霊が宿っているのを見抜いて、
変身させて遊んだなんて、
そんな呪力を持つ魔族の子供がいたなんて、
ちょっと信じられない。
とシモーヌが言った。
ずっと話を聴いていたサラが言った。
私何となく心当たりがある。
その女の子の名前はヴィヴィアンでしょう。
それでその子のお母さんの名前はカーミラじゃない?
そ、そうです。

え、どうしてわかったの?
幼い頃からそんな魔力を持っていたなんて、
ヴィヴィアン以外考えられない。
飽きっぽいのも彼女の特徴。
それとね。三年前に彼女はロンドンのカジノで
問題を起こして、地元のマフィア組織に追われていたの。
それで、お母さんのカーミラと一緒に、
別居していた魔術劇場のハリーさんのところに、
緊急避難してきたのよ。
そのまま今でも同居してるけど。
追われていたので、家具類を残したまま、
慌ただしく家を出払ったというわけね。
深夜に牧草地で遊んだって言ったでしょう。
彼女には半分ヴァンパイアの血が入っていて、
子供の頃は、日光が苦手だったって聞いたことがある。
その家ってトランシルヴァニアにあったんでしょう。
はい。
やっぱりね。
あ、ヴィヴィアンなら今、
幽霊船のエクレア号に乗ってるはず。
近いうちに再会できるわよ。
ただ、向こうが覚えてるかな?
なんか問題の多そうな人なのね。
でもエドの探してた人が見つかったのは
よかったわ。

エドはディアナと
野原を走りに行くことになった。
フクロウたちが
挨拶している。
解説)続きます。
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