May 16, 2026
赤い人形 そのろく

お前たちは夢食いじゃないな。
人間と、さっき魔法を使ったのは魔族か。
こんなところまで来るとは、
お前たちも死に損ないか。
それにしても仲間を一瞬で消し去るとは。
仲間っていうことはあなたも夢食い?
ここはエリーゼとケイトの住んでいた
夢の世界でしょう。
侵略者は容赦しないわよ。
とシモーヌが言った。

ここがエリーゼの夢の世界だと?
たしかにそうも言えるが、
正確ではないな。
ここはお前たちが想像するより
ずっと冥界に近い夢の世界だ。
夢食いばかりでなく、
死者の魂もやってくる。
何も知らないようだから教えてやるが、
エリーゼはすでに死んでいる。

そんなの嘘よ。
とケイトが叫んだ。
ケイトはエリーゼに縋り付いている。
エリーゼ、エリーゼ。
すると、エリーゼの目が開いた。

エリーゼはゆっくり立ち上がった。
おや、これは驚いた。
おまえ、目覚めたのか。

私を繭に封じて眠らせておけば、
思い通りになると思ったのね。
ここから立ち去りなさい。
さもないと。
とエリーゼが言った。

わ、わかったよ。
というとアスラーダは
井戸の中に
吸い込まれるように消えていった。

この井戸は?
幽冥の世界に通じているのよ。
蓋をすることはできないの?
これは通路になっていて、
そういう仕組みだから。

オウルは消えちゃったのね。
とサラが言った。
大丈夫よ。
オウルの精霊は、この世界で消えても、
元のフィギアの体に戻っただけ。
今頃はマンスフィールドさんの倉庫で
眠っているはずよ。
とシモーヌが言った。

まずは自己紹介しなくちゃね。
こちらはサラ、私は魔族のシモーヌ。
私たちは川に流されていた赤い人形ケイトを拾って、
ケイトからあなたのことを聞いて、
ケイトの記憶を辿って、
現実世界からこの世界にきたの。
ケイトを拾ってくれた上に、
わざわざみなさんで私を助けてくれたのね。
とてもとても感謝します。
とエリーゼが言った。

家の中は蜘蛛の巣だらけだけれど、
屋外にテーブルセットがあるはず。
こっちよ。
とエリーゼが案内している。
解説)
続きます。
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