Jan 30, 2026

ホテルへ

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二人はホテルの入り口で
チンパンジーのリンリンに出会った。

サラさんこんにちわ。
お泊まりですか。


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まだ決めてないのよ。
セリーヌさん、どうしましょう。

そうねえ、予定はないけど、
思いつきで来ただけだから。

とりあえずホテルの食堂で
お茶でも飲みましょう。


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受付にはいつも通り
フンボルトがいて、
いらっしゃいませと挨拶している。

ロビーに行けば
裏の広場が見渡せるわよ。


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二人がロビーに行くと、
先客がいた。

あ、あの人はカコ。


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サラたちに気がついたカコは
さっそく手を挙げて、
歩み寄ってきた。

サラ。
この前はどうもありがとう。
おかげさまで、ステーションでの、
寿司パーティは大盛況だったわ。

カコさんに、お土産にいただいた
甲殻類の卵も
広場のみんなに好評だったわよ。
とサラが言った。


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サラはカコにシモーヌを
紹介した。

ふーん。魔族の人か。
私はハリーさんと会う約束で
ホテルに来たんだけど、
まだ到着してないみたい。
あ、時間があるなら、
お茶でも飲まない?


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3人はホテルの食堂で
コーヒーを飲むことにした。

実はね。
ステーションで問題が起きて。
あ、宇宙ステーションのことは、
シモーヌさんはご存じなの?

このホテルを介して、人間と、
宇宙人と交流があるということは
サラさんから聞きました。
普通の人みたいに見えますけど、
カコさんも宇宙人なんですか。

そうよ。
町で見かけてもわからないくらい
人間そっくりでしょ。


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それで問題って?
とサラが尋ねた。

ピピが寝込んじゃったのよ。
昏睡状態なんだけど、検査の結果、
ずっと夢を見ているらしいことがわかったの。

ピピって、あの小さな銀色の宇宙人ね。
目が覚めない原因は分かったの?

どうもね。
どこか外部から原因になる生命体が
ピピの夢に侵入したらしいの。

それって夢食いじゃないですか。
とシモーヌが言った。

あなたたちはそう呼んでるらしいわね。
私も夢食いのことは
ハリーさんから聞いていたので似てるって思ったわ。
そのことを艦長のメイズたちに話したら、
ハリーさんに相談しようということにって。

夢食いの知り合いなら、
大勢いるわよ。
とサラが言った。

え、
夢食いは夢の中だけにしか存在しないんでしょう。

そうでもないんですよ。
と話を聞いていたシモーヌが言った。
人間のみる夢の世界と、魔族が生み出す異世界は、
よく似ていて、夢食いはどちらにも出現します。
それに通路があれば、夢食いたちは、
この現実世界とも行き来できます。
現実世界と言っても、
人間が共同で見ている夢みたいなものですから。
古来、妖怪とか幽霊と呼ばれるものの類は
夢食いの場合もあるんです。
ただ、ちょっとややこしいですが、
この現実世界の物象から生成される精霊とは微妙に違います。
精霊たちはその起源をその存在する世界に持っています。
夢食いは別の世界からもたらされたもの。

別の世界って?

その世界のことは私にもよくわかりません。
そこも特殊な異世界であることは確かだと思うんですが。


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その時、リンリンがやってきた。

カコさん、
ハリーご夫妻がおいでになりましたよ。


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ロビーに行くと、ハリーたちがいた。

カコさん、待たせてすまなかったね。
おや、君たちも一緒なのか。

偶然ここでさっき出会ったんです。
コート着てるんですね。
暑くないですか。
とサラが言った。

向こうは冷え込んでてね。
散歩中に約束を思い出して、
急いできたんだよ。



解説)
続きます。
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