Apr 26, 2026
常春の国へ

サラたちの部屋では、
朝食が続いていた。

シモーヌ。その常春の国って、
どんな精霊たちが住んでいるの?
主にフクロウの置物の精霊たちがいるわ。
町外れのマンスフィールドさんの倉庫に
収納されていた置物たちよ。
あ、たぶん、
その倉庫にはリリスがいたっていう人形の家から
マンスフィールドさんが引っ越しの時に
持って行った置物もあったはずね。
何か覚えてる?

フクロウの置物か。
マンスフィールドさんは、
ここに残りたいって言い張った私だけ残して、
コレクションをみんな持って行ったの。
引っ越しだから当然なんだけど。
そういえば、その中にフクロウのぬいぐるみ
みたいなのがあったのは覚えてるわ。
ぬいぐるみって言っても、
中に機械が仕込んであって、
話しかけると同じ言葉で返事をするの。
子供向けの向けの玩具ね。
マンスフィールドさんは、オウルって呼んでた。
とても精霊が宿ってるようには
思えなかったけど。
オウルなら、
常春の国で、ディアナの代理の王様をやってるわ。
とサラがいった。

シモーヌ、
またクロスワードパズルなんだけど、
フクロウのこと、フランス語で何ていうの?
シュエットよ。
耳のある木兎のようなフクロウは、
イブっていうわ。
常春の国に、そんな名前のフクロウも
いた気がする。
とサラが言った。

さて、そろそろ出かけましょう。
と言ってシモーヌは呪文を唱えている。
サラもまた出かけるの?
ええ
それはもう。

3人が鏡の扉を抜けると、
そこは常春の国の
お城の中の一室だった。

素敵なお部屋ね。

おお。
これはこれはシモーヌ様。
それに、サラさん。
お連れの方も。
この人はリリス。
私のお友達よ。
このフクロウは
ミネルバって言って、
執事をしてくれているの。
オウルはお昼寝中?
オウル様は
起きていらっしゃいますよ。
客間の方にお呼びいたします。

シモーヌ様。
ようこそ。
まだ日が高いのに、
起きてたなんて珍しいわね。
それがちょっと
心配事がありまして。
あ、そちらの方は?
リリスよ。
人形の家で暮らしていた時、
あなたのことを知っていたって。
何と。
私も見覚えがありますぞ。
そのお名前も。
思い出したわ。
でもまだあなたに精霊が宿る前のことでしょ。
とリリスが言った。
そうでしたな。
私に仕込まれた録音再生装置を使って、
あなたが面白がって、
何度も自分の名前を吹き込んだので、
うっすらと覚えているのです。
あの悪戯なピエロ人形のリリスでしたか。
でもあの反復のおかげで
私に精霊が宿ったのかもしれません。
一人きりで寂しかったので、
話し相手が欲しかったのよ。
あなたは引っ越しでいなくなっちゃたけど。
なんか運命的な別れと出会いを
感じる話ね。
解説)
続きます。
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