Jul 17, 2026

カエルたちの出会い

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ここはアフリカなのね。

私の故郷。
大昔に魔族の都が栄えた場所よ。


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池の跡があったわ。
とサラが言った。

サラ、ちょっと池から出て。
池の記憶を自分の力で呼び起こすから。
とフミコが言った。


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フミコが目を閉じて呪文を唱えると、
薄い煙がたちのぼり、
池の跡には瑞々しい水面が
浮かび上がった。


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池の中からカエル王子と
伴侶らしきカエルが顔を出した。

おお、これはサラ、
それにフミコさん。
それにそれに、
知らない女性とカエルが二匹。

知らない女性はみすずっていうの。
カエルは、あなたの妹と弟よ。
とサラが言った。


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なんとなんと。

お兄さん、私は妹のハナコよ。
突然ここをでていってごめんなさい。
今は「忘れられた夢の世界」で
みすずさんにお世話になって
湖で暮らしているの。
一人で生きていたら、
体が白くなっちゃって。

僕はあなたの弟のジローって言います。
僕もお父さんのもとを離れて
現実世界の井戸の中で仲間と暮らしています。
あったことのない兄や姉に会いたいと
思っていたら、サラさんやフミコさんに
願いを叶えてもらえました。
あ、お兄さんの子供達もいるんですね。

池面には伴侶によく似た子カエルが
顔を出している。

近況を伝え合う
夢食いカエルたちの話は
しばらく続いた。


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やがて一行は帰ることになった。

三人の夢食いカエルは、
それぞれ独立心が旺盛のようで、
誰も一緒に暮らそうとは言い出さなかった。

あの池は幻影だから、しばらくしたら
消えてしまうわ。
とフミコが言っている。

実在してないの?

実在って、どういうことかわからないけど、
私が思い出せばまた現れるのよ。

私たち夢食いにとってはそれで充分ね。
人間世界の現実と対応してる必要はないから。
とみすずが言った。


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一行はみすずの家に戻った。

フミコはジローに井戸の世界の情景を
思い出させて、呪文を唱えて、
鏡の扉を出現させている。

扉を開く呪文を教えてあげる。
あなたたちはこれで
好きな時に行き来できるわよ。


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カエル王女が呪文を唱えて
鏡の扉を抜けると、
そこは森林公園の井戸の底の世界だった。

随分お世話になりました。
佳奈さんやみすずさんにも
よろしくお伝えください。
とジローが言っている。

伝えておくわ。
ところで、さっき、
カエル王女は、ハナコって呼ばれてたけど、
お兄さんのカエル王子の名前はなんていうの?

兄の本名はタローって言うんです。
父は古いので。

タロー、ジロー、ハナコか。
自分は洋風の強そうな名前なのに、
子供たちにはそういう名前つけるのね。


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サラは、みすずの家に戻る
フミコとカエル王女と別れて、
一人で自分たちの部屋に帰ってきた。

おかえり。
あら。その蓮の葉どうしたの?

これはカエルの傘。ジローから貰ったの。
兄や姉に会わせてもらえたお礼ですって。
カエル王子からも前に貰ったことがある。
明日の天気がわかるのよ。



解説)
続きます。
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