Nov 14, 2025

フェルミの行方 そのさん

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今日の広場はかなり冷え込んでいた。


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捜索の協力要請を受けて、
シティポリスが巡回している。


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ドロレスを呼びにきたレイチェルは、
ルビーたちに実情を伝えるため、
ベーカリーに立ち寄った。

今捜索されているフェルミのことだけど、
私が逃亡を手伝ったの。


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フェルミは自分が警備ロボットであることに
なぜか突然疑問を感じて
自発的に逃亡したって言ってた。
今は未来世界にいるわ。


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随分思い切ったことをしたわね。
同情して助けたかった気持ちはわかるけど、
見つかったらあなたもタダじゃ済まないわよ。
シティポリスも出てきて、
捜索も長引きそうだし。


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それはわかってる。
でもフェルミはドロレスを頼ってきたの。
ドロレスは爆砕したことになっていて、
今では捜索はされていないけれど、
一時は研究所から失踪したとみなされて、
捜索対象だったでしょう。
ドロレスも逃亡していたことが知られれば、
彼女を匿っていたシェリー博士も
責任を問われることになるし、
シェリー研究所も閉鎖されかねない。
咄嗟の判断だったけど、
それしか思いつかなかったのよ。


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ドルフィンから出てきたマヤが言った。

やあレイチェル、久しぶりね。
今、アンの記憶データをモニターで見ていたの。
捜索に来た研究所の連中が、
特殊部隊や研究所の事務員で、
ロボット開発のプロじゃなくてよかったわ。
ハロウィーン祭り開催中の広場の観察データは、
アンの中にも保存されているのよ。
そこには、ドロレスがフェルミに、
自分がロボットだって打ち明けて、かって
自分も研究所から逃げ出したって話すシーンがあった。
このデータを見られたらアウトだったわ。
早速削除しておいた。


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あ、あの時ね。
フェルミさんが自分の意識の変化に気がついて、
悩んでいるようだったので、
つい私自身のことも打ち明けてしまったの。
確かにアンが近くにいたことを忘れてた。
軽率だったわ。
とドロレスが言った。


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レイチェルの判断は、
私でも同じことをしたと思う。
とアイスが言った。

逃亡先も未来の世界なら安全だしね。
ただ、問題はフェルミの捜索が長引いていること。
住民への聞き取りが進めば、
シェリー研究所のこともそうだけど、
この界隈の住人の特異性が注目される恐れがある。
魔族もいるし、動物やフィギアの精霊やら、
異星人も入り混じってるからね。
だから、早めに捜索を諦めてもらわないと。
私に考えがあるの。


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話し合いが終わり、
レイチェルとドロレスは
未来の世界に行くために
鏡の扉のあるサラたちの家に向かった。

すれ違いざまに
シティポリスと挨拶している。

今日は冷えますねー。



解説)
続きます。
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