Mar 23, 2026
局長の訪問 そのに

このところ、アフリカのホテルに
逗留していたハリー夫妻が、
バー・デジャの店内の鏡の扉を抜けて、
広場にやってきた。

ハリーさん、こんにちわ。
やあジョニー。
おや、これはうまそうな漬物だね。

夫妻はうたに席を移動してもらい、
ルビーと話している。
なかなかいい企画じゃないか。
ビールも漬物もうまいし。
ボニーの思いつきなんですよ。

ところで、ハリーさんは、一昨年に、
春節の竜の舞で、最後に作り物の龍を
魔法で空に登らせたことがあったでしょう。
今年は、シモーヌが同じ魔法を使って、
作り物の龍に、最初から龍の舞を踊らせたんです。
ふむ。
ところがその龍は、踊りの後に、
たまたま飛行中だったピピの乗った円盤を
口に咥えて運んでいったんです。
そんな動作をシモーヌが指示したとは思えない。
まるで作り物の龍が、自分の意思で、
円盤を口に咥えたように思えるんですけど、
そんなことが可能なんでしょうか。

面白いね。空に登らせれば、あとは
回収のために指定された着地場所に
飛んでいくだけだろう。
普通そんな動きはするはずがないな。
だが、その作り物の龍に、
精霊が宿っているなら話は別だ。
私が操った時は、そんな気配はなかったが、
春節の舞に何度も使われているうちに、
精霊が目覚めたのかもしれないね。
龍の舞ってそもそも、
龍が地上で探していた宝珠を見つけて、
天に帰っていくっていう内容の舞でしょう。
精霊が目覚めかけていたのなら、
円盤を宝珠だと勘違いして、
思わず口に咥えたのかもしれないわね。
でもなぜ、口に咥えたのかしら、
とカーミラが言った。
あの作り物の龍には
手足がついてなかったからかなあ。
とルビーが言った。

その時、ペンギン前から
サラと局長とミラがやってきた。
あら、ハリー夫妻も来てる。

こんにちわ。
ハリーさん、
2年ぶりですね。
と局長が言っている。

局長のガード役としてついてきたミラは、
ローラと話している。
家で姿を見ないと思ったら、
お漬物を売ってたのね。
最近凝ってるんですよ。

トマソンが席を譲ってくれたので、
サラたちはハリーたちと相席になり、
ルビーは隣のテーブルから
椅子を持ってきた。
これでご一緒できます。

さっそく話に花が咲いている。
ハリーさん、
一昨年は魔術劇場の中を、
くまなく案内していただいて、
とても楽しかったですわ。
みなさんお元気ですか。
しばらく帰ってないんですが、
何かあったとも聞いてないから、
相変わらずみんな元気だと思いますよ。
とハリーが言った。
私たち、アフリカの
ナジャっていうホテルに
ずっと逗留していたんです。
空気は澄んでいるし、
温泉もあって、とてもいいところよ。
局長さんは長期休暇なんでしょう。
サラも何度も行って知ってるから、
ご案内して差し上げたら?
とカーミラが言った。
そうねえ。
何するかは未定なので、
後で二人で相談してみます。
とサラが言った。
解説)
続きます。
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