Jun 09, 2022

梅雨入り そのに

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わあ、6月といえば紫陽花ね。
ルルさん、ここでも水やりするの?
今のところ、こっちはフェイクグリーン
ばかりだから必要ないの。
などと言っている。


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ベーカリー前では
そこそこ。


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今度、家に遊びにいらっしゃいよ。
と言われて、
アンジーは、ちょっと躊躇している。


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あなた、ジャマイカ語話してたわね。
レゲエが好きなもので。


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段ボールハウスの隅からきた観光客たちは
アンにさわれて喜んでいる。
これで心置きなくハウスで眠れるわ。
と言っている。


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それであの椅子、どこに運んだんですか。
一脚はとりあえず探偵事務所に。


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探偵事務所には新しい椅子が届いていた。

かなりクラシックなデザインだね。
クッション付きだから座り心地は良さそうね。
それはともかく、君の服。
梅雨だから元気だそうかな。
って誰が思いついたのかしら。


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サラたちの部屋では
珍しく飲み会が行われていた。

あの大量の大根、
どうなることかと思ったけど。
途中でおろすのやめて、
千切りにすることにしたの。


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それで大根サラダがあるのね。
子持ちししゃもにも
大根おろしが添えてあるよ。
流石にサラダ。


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その頃、ベーカリー前のベランダでは、
二人の男性が話し合っていた。

あの紫色の髪の女性、セリアって名乗っているらしく、
どうやら魔術劇場に住んでいるらしいです。

魔術劇場?すると魔術師ハリーの親族ってことか。
これはとても僕らの手に負える相手じゃないよ。

イリヤさん、不死身と言われるあなたでもですか。

元々僕が強靭な体を手に入れたのは、
14年前ハリーの妻カーミラに咬まれたからなんだ。
あの夫婦は魔族で、いわゆる魔法使いなんだけど、
かって夫婦揃ってヴァンパイアだった時期があった。
ヴァンパイアに咬まれると必ずヴァンパイアになる、
というのは俗説で、ケースバイケースなんだ。
相手が魔族だったせいか、僕はそうはならなかった。

その代わり、強靭な体を手に入れて、
我々の組織にボスの片腕として
雇われたというわけですね。

ヴィヴィアンがカジノで荒稼ぎした大金を
どんな手を使ってもいいから取り戻せというのが、
ボスからの命令だけど、この件は中止だね。
僕は降りる。

そんな話が通じると思っているんですか。

思っているよ。
この件はハリーがらみだってボスに報告して、
君が直接反応を確かめてみるといい。

ふうむ。
拉致して金の在処を吐かせるっていう
計画を仲間がもう実行してる頃なんですが。

どうしてそれを先に。

あなたの手を煩わす必要もないと
思いまして。

それまずいよ。


解説)
平穏な昨日の続き
のつもりでしたが、
最後にとつぜん雲行きが
怪しくなってきました。
Posted at 20:31 in n/a | WriteBacks (0) | Edit
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