Jun 11, 2022

梅雨入り そのよん

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シティポリスって、
なぜいつもあんなに怖い顔してるんだろう。
ああいう人に限って根は優しいのよ。
だけど、問題よね。
確かに。
などとルビーとアイスが話している。


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ルビーさんって優しそうだけど。
いや、ああいう人に限ってね。
でも今度の件はCGがらみじゃないみたいですね。
アリバイがあるから疑いは晴れたけど、
プロじゃないとあそこまでは。
CGは国連軍みたいな特殊部隊を持つ組織だから、
別働隊じゃないですか。


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アンジーがいてくれて助かったわ。
でもあなた私が変身しても驚かなかったわね。


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アンジーは、いつまでも隠し通すことは
難しいと考えて、事実を打ち明けることにした。

実は私は英国の諜報員なの。
あなたが新種のヴァンパイアだということも知っていた。
あなたをどうするか、まだ上で決めかねていて、
それまで護衛するのが私の役目。
彼らはプロだったみたいだけど。

カジノで透視能力使って稼ぎすぎたのよ。
それでしつこく追われてて。
英国での吸血事件でいずれ諜報機関が動くのもわかってた。
だからあなたのこともちょっと気になってはいたけど、
まさかこの別人姿が見破られてるとは思ってなかったから。
でもあれはやりすぎじゃない?

あれもやりすぎよ。


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階段下には男がスーツケースを
脇に置いて立っていた。


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イリヤさん遅いなあ、と呟いている。


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階段を降りようと席から立ち上がったイリヤは、
思わぬ人に再会したのだった。

あ、カーミラさん。ですね。
え、あなたはイリヤ。

カーミラは、変装してるのによくわかったわね。
やはり美は普遍的なんだわ。
と言おうとしたが、
お変わりないですね。
と先に言われてしまった。


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カーミラは遥か14年前の
春の夜の出来事を思い出していた。


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あれから不死身に近い体になってしまい、
それ以降、傭兵に雇われたりしていたが、
結局、裏の世界で生きてきたのだとイリアは言った。
しかし今回、カーミラの娘のヴィヴィアンを追って
この町に来たことは流石に言い出せなかった。

奇跡的な再会ね。
ロボットの観光で来てホテル住まいなら、
私たちの家にお泊まりなさいよ。
部屋ならいくらでも作れちゃうから。
それにもうヴァンパイアではなくなったので、
血は吸わないからご心配なく。
とカーミラは言った。


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イリヤさん。

待たせてすまなかった。
ちょっと所要ができたので先に帰国してくれ。
ボスには僕から連絡しておく。


解説)
イリヤとカーミラの過去のエピソードは、
2008年3月13日「春の夜の出来事」
にちらっと出てきます。
そこでイリヤはウィッグをつけていますが、
本人です。
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