Feb 24, 2024

春を待つ日々 そのろく

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広場では、
トマソンが白熊型の容器を
二つに分離していた。


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もう一度魔法をかけてみるわ。
とヴィヴィアンが言って、
バルに向かって呪文を唱えると、
薄い煙が立ち上り。


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バルは人間の大きさに変身した。


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ありがとうございます。
すごい魔法使いなんですね。
ちょっと違うんだけどね。
などと話している。
ドルフィンから一部始終を見ていた
ルビーも近くに寄ってきた。


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水の精霊は変幻自在のようで
実はそうでもないんですよ。
三態変化は得意なんですが。
と言っている。


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トマソンは白熊型の容器に
興味を持っているようだ。
この造形美、やっぱり魔法で
巨大になった本物は違うなあ。
これもらっていいいですか?
いいけど、
同じもの作らないでね。
とルビーは言った。


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突然バルが大きくなったことは、
話に夢中だった観光客や、
演奏に夢中だった大道芸人たちは
気がついていないようだった。


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あなた泊まる場所ないんでしょ。
魔術劇場にいらっしゃい。
とヴィヴィアンが言っている。


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その頃、探偵事務所では
来客の歓待にかこつけた
酒盛りが始まっていた。


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この塩辛美味しそうね。
とシェリーが言っている。


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子持ちししゃもが最高なのよ。
くにはちを思い出すなあ。


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日本酒も美味しいですねえ。
未来世界ではお米作ってないので、
洋酒ばかりなんですよ。
今度田んぼを作ろうかなあ。
とツナが言っている。


解説)
水の精霊のバルが魔術劇場の
住人に加わったようです。
名前の由来は、
「バルくん 虫こないでネット:クマタイプ」
という商品名から。
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