Aug 23, 2026
バッグの中身

エクレア号では、
タコからもらったバッグを前に
みんなで話していた。
このバッグはそんなに
古いものじゃないわね。
船が何隻も沈んでいたから、
新しそうなバッグを見つけて
使ってたんじゃない?
その船って、みんな、
貝目当てにマーレの島を目指してきて、
難破した船なんですか?
そうとも限らないわ。
魔族の都が栄えた頃には、
かなり行き来があったから。
それは何千年も前の話ですよね。

アイスはバッグを開けて
中身をテーブルの上に並べた。
ほとんど缶詰ね。
タコは開けられないから
貴重品として取っておいたのよ。

興味深いのはこれ。
どれも魔族が使うものね。
大航海時代のものなのかな。
これは散逸したと言われている魔術の書。
ハリーも持っているけど、
すごい貴重品のはずよ。
このワンドには見覚えがあるわ。
クリスタルパールが嵌め込まれているでしょう。
古代の魔族が使っていた。
とマーレが言った。
それは山羊か何か哺乳動物の頭蓋骨ね。
一回り小さいものをフミコが首にかけてる。
彼女ももとは古代の魔族でしょう。
きっと魔力を増大するのよ。

サラは缶詰を食堂に運んだ。
いくつか開けてみたけど、
全然食べられそうですよ。

アイスがワンドを持って
手すりにもたれていたら、
パールが飛んできた。
あらパール。
しばらく見かけなかったわね。

アイス。
そのワンドをかざして、
パールに声をかけてみて。
とマーレが言った。

アイスがワンドをかざすと、
微妙な煙が立ち上った。
こんにちわ。アイス。
あらら、あなた言葉が
話せるようになったの?
ええ。
よくそんなものを見つけたわね。
タコからもらったのよ。
それにしても、
あなたは不思議な鳥。
いえ、鳥なのかしら。
言葉が話せるのなら、
いろいろ聞いてみたかったことがあるの。
いいわよ。

あなたはクリスタルパールのある島で、
どこからか飛んできて、
私の肩にとまって、それから
ずっと私に懐いたように寄り添っていたわね。
それまで、あの島に一羽だけで住んでいたの?
仲間やご両親は?
ふふふ。いい質問ね。
私はずっと一人きりだったのよ。
私はすごく長生きなの。
マーレよりもずっとね。
あの島に、ずっと住んでいた。
私より長生きだったなんて知らなかったわ。
私は昔のことを覚えていないの。
私がいつどうして生まれたのかも、
もし知ってたら教えて欲しいわ。
とマーレが言った。
そこにトンピリビが飛んできた。
昔のことなんてどうでもいいじゃない?
あなたは夢見る貝の精霊たちの眠る島を
ずっと見守るために生まれてきたのよ。
私も同じようなものね。
じゃあ、なぜ島を離れて、
私にくっついてきたの?とアイスが言った。
それはあなたに興味があったからよ。
魔族じゃないのに魔法が使える。
それに、あなたは役目をおっているでしょ。
確かにCGっていう国際組織の一員ですけど。
それだけじゃないわね。
なんのことかしら。
ほら、宇宙連合から宇宙人と人間の
トラブルの調停役を頼まれたでしょ。
そんなことも知ってるの?
ええ。
そうだ。私を人間の姿に変えてくれない?
マービーにはできたけど、
うまくいくかどうか。
そのワンドをかざして
思いついた呪文を唱えるだけでいいのよ。

アイスはパールに言われた通りに、
ワンドをかざすと、
長い呪文の文句がすらすら浮かんだので、
唱えてみた。
周囲に薄い煙がたちのぼり、
パールは人間の女性の姿に変身した。
ありがと。
どうもケツァルコアトルスのままだと、
滑舌が悪くて。
とパールが言った。
解説)
続きます。
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