Aug 28, 2026
願いを聞いて

遺跡の広場では、
アイスとマーレが、パールのことや、
タコからもらった魔族の遺留品について、
ハリー夫妻に報告して話し込んでいた。

魔族の魔術書には赤と黒の2冊があって、
これは赤本と呼ばれるものだ。
主に煎じ薬の調合の仕方や
箒にのって空を飛ぶ方法などが書かれている。
私も黒本と揃いで持っているが、
呪文について書かれている黒本は、
今は魔法を練習中の黒木氏に貸してあるんだ。
いずれにせよ魔族にとって貴重なものだよ。

このワンドや頭蓋骨についてはどう?
このワンドを古代の魔族が使っていたのを
私は覚えてるんだけど。
とマーレが言った。
このタイプのワンドのことは
魔術書には書かれていないよ。
古代に戦争があったと聞いているが、
それ以前に使われていたものなのだろう。
フミコなら何か知ってるかもしれないな。
フミコさんって、古代のアフリカの魔族の都で、
リーダーだった人なのよ。
その頭蓋骨とそっくりで、もっと小ぶりなものを、
いつも首からかけている。
とカーミラが言った。

そこに泉からサラとたまきと黒木がやってきた。
アイスやっぱりここにいたのね。
実はあなたたちが船を出てから、
船の武器庫に幽霊たちが出現して、
花火が見たいって言ってたの。
それで彼らの願いを聞いて、
花火をもう一度夜空に描くことになったんだけど、
黒木さんがあなたにもまた手伝って欲しいって。
あの花火の魔法は古代の魔族の祝祭日の儀式に
使われていたらしいんです。
私の魔力だとまだ地味なのしか描けないので
よろしくお願いします。
と黒木も言った。

ハリーたちはさらなるサラたちの説明を聞いた。
だったら、今この島には、
亡くなった貝の精霊の魂たちが帰ってきているんだね。
この島に縁のある魔族の先祖たちの魂も
里帰りしているのかもしれない。
私も力を貸すよ。
とハリーが言った。
ハリーさん。
花火を空に描ける力を持つ他の魔族の人にも
参加してもらったらどうでしょう?
それで今夜も広場でパーっと宴会にして。
と、たまきが言った。
いいアイデアね。
数千年前に途絶えた御先祖の儀式の再現なんだから、
盛大にやりましょう。
とカーミラが言った。
私フミコを呼んできます。
とサラが言った。
では私はシモーヌに声をかけてくるわ。
とアイスが言った。

三人は魔術劇場に向かっている。
たまきはどこに行くの?
私は宴会の準備をしに行くのよ。
ローラを呼んでお寿司を握ってもらうの。
そこまでやるのね。

サラは鏡の扉を使って、
忘れられた夢の世界のみすずの家に出かけて、
フミコに声をかけた。

アイスは鏡の扉を使って、
常春の国のお城に行き、
シモーヌに声をかけた。
そうそう幽霊たちがあなたも呼びたいって
言ってたらしいけど、連絡は来た?
と、アイスがエリーゼに言っている。

たまきは鏡の扉を使って、サラたちの部屋に行き、
ペンギン前に行ってローラに声をかけてから、
エクレア号にやってきた。
たまきさん、そのお連れの方は?
ローラさんっていうの。
お料理がとてもお上手なのよ。
今晩花火を見物する前に島の遺跡の広場で
寿司パーティをすることになったの。
ここで調理することにしたから、
まずはネタになる魚を釣りましょう。
みなさんも頑張ってね。
それってけっこう無茶振りですね。
解説)
続きます。
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