Aug 19, 2021

郊外で

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モモコはスクーターを降りて、
せせらぎの音のする方に
行ってみることにした。


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段差をこえて
草むらをかきわけていくと、
小川があった。


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たえまなく水の
はじけるような音が
耳に心地よい。


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モモコは川におりて、
岩肌を滑るように
流れる水をひとすくいして
口にふくんでみた。
甘みを帯びた不思議な味がする。


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小川はモモコの目の先で、
灌木の茂みにさえぎられ、
地下に吸い込まれるように、
みえなくなっていた。
どこまで続いているんだろう。


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モモコはせせらぎの調べを聞いているうちに、
たまらなく眠気に誘われ、
やがてすやすやと眠ってしまった。


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夏草の茂みの中を小川が流れている。


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辿っていくと大きな池にでた。
池には船が浮かんでいる。


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船はパトロールボートのようだ。


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いつのまにか、
モモコは船にのっていた。
この船はどこにいくのだろう。


解説)
作業用の盥を片づける前に、
小川の情景を作ってみました。
水をポンプで循環させて
傾斜したシートのうえの溝に
流すだけですが、
これだけで環境音楽のような
効果がありました(^_^)。
思い出したのは、

「かにかくに 祇園はこひし
寐るときも 枕の下を
水のながるる(吉井勇)」

居間がひととき、
川辺の宿にはやがわり。

後半は小川のせせらぎを聞きながら
モモコがみた水辺の夢の描写です。
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