Oct 08, 2021

画商たちの肖像画

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今回はモディリアーニにとって、
とても重要な役割をはたした、
二人の画商を描いた肖像画を紹介するわ。
とマンスフィールドさんがいった。

どういうわけで?
うーん。おもしろそうかなと思って。


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ポール・ギヨームの肖像」(1915)

この人は、1914年にマックス・ジャコブから
紹介され、翌年モディリアーニと専属契約を結び、
モンマントルの「パトー・ラヴォワール」に
アトリエを借りてくれた人。

絵には「新しい操縦士(水先案内人)」、「海の導き星」、
といった文字が書き込まれている。
期待してたんだね。


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「ポール・ギヨームの肖像」(1916)

翌年描かれたこの作品には皮肉がこめられている
という評がある。

また、この2作品には、こんな評もあるの。

「いつものお礼の意味でモディリアニが制作した
この画商の2枚の肖像画は疑いの余地なく
彼の全作品の中でも白眉である。」
(アネッテ・クルシンスキー「アメデオ・モディリアニ」p46)

絶賛してる人がいるんだね。
性格描写に画家の気持ちもこもっているというか。


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ポール・ギョーム(1891-1934)の写真。
撮影日時はわかわからないけど、
ギヨームがモディリアーニと知り合った
1914年には23歳だったというのに驚き。


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「ズボロフスキーの肖像」(1916)

これは1916年6月に、ギヨームから、
契約画商になることを受け継いだ
レオポルド・ズボロフスキーの肖像。
油彩の全作品とひきかえに、
一日につき15フランを支給するという
契約だったという。

自信ありそう。
がんばりましょう。


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「ズボロフスキーの肖像」(1916)

ズボロフスキー夫妻は、
自分たちの家の一番大きな部屋を
アトリエとして提供したり、
契約を継続するために、
自分の衣服を売ったりまでしたという。


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ズボロフスキー(1889-1932)の写真。
専属契約時には27歳ってことになる。


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「アンナ・ズボロフスカ」(1917)

奥さんの肖像。ポーランドの貴族出身だった。

「このポーランド出身の高貴な女性は
フランスのロココ様式で描かれており、
そこに彼女に対する画家の並々ならぬ敬意が見て取れる」
(アネッテ・クルシンスキー「アメデオ・モディリアニ」p67)


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「ズボロフスキー夫人」(1918)

こんな事情を指摘する評もあります。

「、、、妻のハンカがモディリアーニのモデルを
つとめたのも、ある程度経済的理由によるところがあった。
なぜなら、彼らにはモディリアーニに職業モデルを
世話する余裕がほとんどなかったからであり、
少しでも余裕があればヌードのモデルを雇うために、
その金を貯えておきたいからであった。」
(キャロル・マン「アメデオ・モディリアーニ」p219)


解説)
だんだん、
深みにはまってるような。
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