Haizara-Cho::Suigara-yama 99[Shinsuke Kirita]

春節にむけて　そのはち

ようやく日が暮れて、
客足もまばらになってきた。




アンナは一休みして、
再会した旧友の多恵と話すことにした。

私とレイは最近越してきたばかりだけど、
多恵はこの町長いのよね。
2015年の3月に来たから、もう七年。
最初のうちは、あちこち見て回ったけど、
このところずっと
段ボールハウス暮らしだった(^_^)。




そのとき広場に車が停車して、
ふたりをヘッドライトが照らし出した。
あ、またお客さんかな。




シオンとキサラが
郊外から肉まんを買いにきたのだった。




まだ、あいててよかった。
肉まん6つください。




キサラはエンジンをとめずに、
運転席でシオンをまっている。




おや、めずらしいね。
シティポリスのおでましだよ。




こんばんわ、お嬢さん。
こ、こんばんわ。
今、友人がそこの屋台で
肉まん買ってるとこで、
戻ってきたらすぐ発進しますから。
といっている。




肉まんを買ったシオンが戻ってきて、
キサラたちの車が
発車して行くと、アイスが
警官たちに声をかけた。

なにか事件ですか？
いえ。ただの巡回です。
最近、この広場が拡張されて、
人の行き来が多くなったと言うことで、
春節が終わるまでの間、
重点警戒地区に指定されまして。


解説)
夜の屋台に車のライト、
懐中電灯をもった警察官のフィギアなどで、
情景を撮影してみました。

追記)
最初の方の会話で、多恵が、
このところずっと段ボールハウス暮らし
だった、と言っていますが、
昨年6月21日「新作パン」に登場していました。

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