Sep 30, 2026

船内で

a1

ヴィヴィアンは、アイスに案内されて、
船内を見て回っている。

ここは情報を収集している部署ね。


a2

このあたりは円盤の発着場。
遠方から物資を運んでくる宇宙船も
あるみたい。


a3

あれは私専用の円盤よ。
まだ乗ったことはないけど、
いつでも使っていいことになっている。

好待遇なのね。

メイズから、宇宙人と人類との間に
トラブルがあった時に、
仲介を頼まれたのよ。
使う機会がないといいけど。


a4

円盤から女性が降りてきた。

あの人はサニーって言って、
あの円盤の専属操縦士よ。
元は軍のパイロットだったけど、
瀕死の事故に遭い、宇宙人に救出されて、
サイボーグに改造されて、
それ以来円盤で暮らしている。

私、見覚えがあるわ。


a5

アイス、円盤に乗りにきたの?

いえ違うの。
こちらはヴィヴィアン。
彼女に船内を案内して
通りがかっただけなのよ。

超新星の爆発の幻影を見せてくれた人ね。
それにノヴァから噂は聞いている。
随分お世話になったって言ってたわよ。
アイスとも久しぶりだし、
ノヴァにも声をかけて、
ちょっと一杯飲まない?


a6

三人はバー・エデンに移動して、
ノヴァも呼んで飲み始めた。

私が18年ぶりに地球に帰って、
懐かしいあの広場界隈を再訪したのは、
去年の3月の初めだった。
とサニーが言った。

その月の月はじめのコンテストで
僕が優勝してたんです。
僕もヴィヴィアンさんに案内してもらって、
高台の休憩所や、ペンギンに行ったんですよ。
とノヴァが言った。

接近遭遇だったのね。
どうりで見覚えがあると思った。
私は別の姿をしてたから、
あなたは気がつかなかったでしょうけど。
とヴィヴィアンが言った。

これはけっこういけるわね。
とアイスが言った。

特別に醸造してもらっているんです。
けっこう強いお酒ですよ。


a7

別のテーブル席に、
アイスたちの歌声が流れてくる。

アイスたち、盛り上がってるなあ。
あれなんていう歌?

「ふるさと」っていう歌だよ。
きっと旧交を温めているんだよ。


a8

かなり酔っ払って
三人はエデンを後にした。

ちょっと調子に乗って
飲みすぎちゃったみたい。

泊まってこうか。

そんなのありなの?

サニーもヘロヘロになっている。


a9

アイスは専用の部屋に、
ヴィヴィアンは観光客用の客室で
それぞれ泊まることになった。

これはばたんきゅーだわ。


a10

アイスは流星群の夢を見た。



解説)
続きます。
Posted at 19:32 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Sep 29, 2026

メイズのリクエスト

a1

ヴィヴィアンさん。
ようこそ宇宙ステーションへ。
艦長のメイズと副官のオニールです。

あ、どうも初めまして。
私のことをご存知なのね。



a2

それはもう、色々と。
私たちはずっと地球を観察していて、
あなたの情報も届いてくる。
それに、あなたのご両親や、
サラやシモーヌからも噂を聞いているわ。
魔族から悪魔になったあなたのことは、
特に注目していたのよ。

ヴィヴィアンは悪魔になってから結構、
魔法を使いまくりだったから目立つのよ。
空を飛んだり、犬や猫を人間に変えたりしたでしょ。
とアイスが言った。

そうかしら。
そんなことまで知られているなんて。

地球にはかなり宇宙人が紛れ込んでいるんですよ。
レプティリアンのように
あなた方が光学迷彩と呼ぶマントで
姿を隠しているものもいる。
壁に耳あり障子に目ありです。

その例えはちょっと。


a3

それはともかく、
この惑星にはいくつか特異なゾーンがあるの。
一つは迷いの森と呼ばれている地域だけど、
ここは異空間で全く別格。
でも他にも魔族の魔法が関わっている
と思われる地域がある。
そこでは空間自体の質が異なっているの。
そんな地域の一つの近くで、
地球観光をしていた円盤が
不思議な情景を観察したのよ。
上空に花火のようなものが打ち上がり、
一帯を覆い尽くした。
けれど観測しても周辺環境に
何の実質的な変化もなかった。

ああそれね。

そういうことは、たまに起きて、
それが魔族の魔法の仕業だということはわかっている。
でもその時の光景は、規模が違った。

あれは黒木さんとシモーヌとフミコと
ヴィヴィアンと私が一緒にやったからね。
でもそのことももうご存知なんでしょう。
とアイスが言った。

そうそう。花火が幻影で
魔法で花火を作り出したのが誰かもわかったわ。
その花火の情景は宇宙ステーションにも
転送されてきて、みんなで楽しんだんだけど、
特に私が気に入ったのは、超新星の爆発。

あああれね。

それで、私からのリクエストなんだけど、
また見せてくれないかしら。


a4

それなら、
お安いご用よ。

三人は天体がよく見える場所に移動した。


a5

ヴィヴィアンは呪文を唱え始めた。
薄い煙が立ち上っている。


a6

宇宙空間に超新星の爆発する
幻影が出現した。


a7

なんて美しい。
とメイズは呟いている。


a8

別室のフロアでも
みんなが見上げていた。


a9

メイズ艦長。
もしかして私たちを呼んだのは、
今のが見たかったからなの?
とアイスが言っいる。

そうよ。
ノヴァとエリスが
あなたたちを船に招いたから、
いい機会だと思って。
ヴィヴィアンどうもありがとう。
私たちのように、長い間星の海で生きていると、
ああいうイベントが感動的なのよ。

その気持ちはわからないけど、
わかる気もするわ。
とヴィヴィアンは言った。



解説)
続きます。
Posted at 19:28 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Sep 28, 2026

宇宙ステーションで

a1

アイスたちは転送装置を使って
宇宙ステーションにやってきた。

ヴィヴィアンは初めてきたので、
少し緊張している。


a2

ずいぶん広いのね、
どこに向かっているの。

まずは憩いの場所。


a3

ここが噂の宇宙酒場、
バー・エデンよ。

聞いたことないけど。


a4

店内にはノヴァがいた。

ヴィヴィアンさん、
やっぱり来てくれたんですね。
奥の席を取ってあります。


a5

一行は店の奥に向かった。
テーブルではルースとダックが
話している。

今年のドジャースはどうだろう。

やっぱり大谷次第じゃないか。

あ、あれはアイスじゃないか。
連れは誰だろう。

みた事ないな。
いや、あ、この前の。
などと話している、


a6

奥のテーブル席につくと、
料理が運ばれてきた。

なんだか普通のレストランか、
居酒屋にいるみたいな感じね。

地球の環境を再現しているんです。
外の景色はホログラムなんですよ。

この料理は?

あなた方のお口に合うものばかりですから、
ご心配なく。
この前寿司パーティが開かれた時、
ローラさんから色々レシピを聞いたようで、
地球食が流行っているんです。

あなたたちも食べてるの?

消化器官が違うので、
地球食をテーブルに並べるだけの者もいます。
生命維持に必要な食料はそれぞれ故郷の星から
送られてきますが、
ここは地球オタクの溜まり場ですから。


a7

話に花が咲いていると、
カコがやってきて声をかけた。

こんにちわアイス、
それにヴィヴィアンね。
お二人にメイズがお会いしたいって。

メイズって誰だっけ?
とヴィヴィアンが言った。

この船の艦長よ。
何の用事かしら。

緊急事態っていう感じでもなかったわ。
挨拶したいだけなんじゃない?


a8

メイズのいる場所はわかるの?

前にも呼ばれたことがあるからね。


a9

二人が宇宙ステーションの艦長室に着くと、
人間に例えると、
福助の陣羽織のようなものを纏った女性と、
赤鬼のような顔をした男性が待っていた。



解説)
続きます。
Posted at 19:28 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Sep 27, 2026

再会を果たして

a1

みんなは、2年前に遺跡探検に行った時の
昔話に盛り上がっていた。

遺跡群は三箇所に分かれていてね。
それで3つの班に分かれて探検したんだ。

一番の危機はグリーンマンとの遭遇だった。
撤収しようとして遺跡でキャンプをしていたら、
ジャングルの獣たちが続々集まってきたんだ。
突然集まってきた原因は、アンドレアが、
フミコの副葬品を盗もうとしたせいだったんだが。

それでどうしたの?

アイスがグリーンマンと直接交渉してね。
副葬品を返して、なんとか事なきを得たんだよ。

私の知らないところで、
アイスは活躍してたわけね。

スリル満点だったわ。


a2

ようやく歓談の時が終わった。

お父さん。
こちらのヴィヴィアンさんはフミコを
蘇生させた悪魔なのよ。

そうか。
私も、フラハという魔族に
頭蓋骨から蘇生させてもらったんだ。

ハンスさん。
死んだ後の世界を覚えているの?

よく覚えていないなあ。
風ばかり吹く砂漠のようなところだった気がするが。

誰かに会った記憶は?
エリーゼやアスラーダっていう名前に、
聞き覚えはない?

さっぱり覚えていないんだよ。
後に残した娘のことがずっと気がかりで、
その執着のせいで蘇ることができたのかもしれない。

いいお父さんだったみたいね。


a3

じゃあそろそろ、おいとまするわ。
よかったら今年のハロウィーン月間には遊びに来てよ。

そうね。

どうすればいけるんだい?

村外れのフラハの家の裏庭に
鏡の扉があるの。
フラハに私から聞いたって、
頼めば開けてくれるわ。
フラハにも話しておくけど、
村の人には秘密よ。


a4

三人はリンたちの家を後にした。
リンが見送っている。


a5

マークは途中で声をかけられ、
アマンダと話している。

何か用事ができたみたい。
私たちに付き合ってくれたけど、
マークはこの村のリーダーだし、
色々仕事があるのよ。

じゃあ私たちだけで、
一旦ホテルに戻りましょう。
温泉もあるし。


a6

アイスとヴィヴィアンが、
マークの家の前を抜け、
ジャングルを抜けてホテルに到着すると、
エレナに出会った。

しばらく前に散歩から戻ってきたんですけど、
宇宙ステーションに、お二人が
ホテルにいらっしゃってると連絡して、
艦長から乗船許可をもらいました。
もちろん、もし良ければですけど。

ヴィヴィアン、どうする?
せっかく許可まで取ってくれたんだから、
乗ってみない?

そうねー。


a7

三人はホテルの裏の広場に向かった。

アイスは何度も乗ってるの?

結構乗ってるわよ。
私とヴィヴィアンが航海してる間に、
ピピが昏睡状態になって、
カコに呼ばれて、あなたのご両親や
サラやシモーヌも乗船したことがあるって
聞いてるわ。

それに、昨年の11月には、
サラさんとローラさんが、
お寿司を握りにきてくださったんですよ。

そうだったの。
なんだか普通の場所なのね。


a8

まずアイスが転送装置で
運ばれていく。


a9

あれいつか乗ってみたいなあ。
と言っている。



解説)
続きます。




Posted at 19:03 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Sep 26, 2026

帰路と再会

a1

三人は滝の上の高台から
渓流沿いに帰路に着いた。


a2

珍種のワニね。
以前に遺跡探検をした時も
見かけたわ。
とアイスが言った。

このあたりは
魔族のかけた魔法の影響で、
こういうのが生まれるんだ。


a3

三人は診療所の前まで
戻ってきて、アーネストに挨拶している。

ハロウィーンには、
ぜひお面を被ってきてください。

考えとくよ。
とアーネストが言っている。

ホテルに帰るにはまだ陽が高いし
いったん村まで行こうか。


a4

ジャングルを抜けて、
フラハの家の前を通り、
さらにジャングルを抜けて
三人が集落の中心部に行くと、
アイスは見覚えのある女性に出会った。

リンじゃないの?

久しぶりねアイス。


a5

みなさんお元気?

ええ、相変わらず
同じ所で暮らしているわ。

こちらはヴィヴィアン。
この村は初めてなので、
マークと一緒に案内している所なの。

だったら、うちに遊びに来ない?
みんなもいるし。
きっと喜ぶわよ。


a6

三人はリンと一緒に
リンたちの家に向かった。

この蔓草のゲートをくぐるの、
久しぶりだなあ。


a7

見覚えのある家が見えたので、
アイスは先頭に立っている。

ここだここだ。


a8

お疲れ様。
今呼んでくる。


a9


リンが戻ってくると
一緒に二人の男性が現れた。

アイス。2年ぶりだね。
すっかりご無沙汰しちゃって。

ヴィヴィアンさんは初めてね。
私の父のハンスと、
共同研究者で私のパートナーのクラウドよ。

それはどうも。


a10

2年前に遺跡探検をした時、
この家がベースキャンプになったのよ。
アイスとは、それ以来の再会というわけなの。

このメンバーで探検したの?

父はいなかったけど、
私とクラウドの他に、
探検家仲間のラッセルとブラッド。
アイスと佳奈と、村に住んでいる
マークとアーネストとアンドレアの
9名が参加メンバーよ。

それでアイスは村に知り合いが多いのね。



解説)
続きます。
Posted at 19:23 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Sep 25, 2026

花の咲く場所

a1

三人は休憩していた。


a2

魔族は薬草に詳しいんでしょう。
ヴィヴィアンはこの花知ってた?

私は赤い魔術書勉強したことないから。
ハリーなら知っているかも。


a3

村の近くには、もう一箇所、
ピンクの花の咲く薬草の群生地があるんだよ。
そっちの方は、切り傷の特効薬なんだ。


a4

軽い食事を済ませて、
ヴィヴィアンはあたりを散策している。


a5

ヴィヴィアン。
何してるの?

ちょっと話を聞いてるのよ。

なんて言ってるの。

お腹が空いてるって。


a6

豹の子供たちが、
不思議そうに見守っている。


a7

その時、ジャングルの奥から
レプティリアンが現れた。

あ、あれはシベールだ。


a8

やあ、こんなところで出会えるとはね。
知らないかもしれないが、
ここは我々がリクガメを採取する区域なんだ。
ここには珍種が多いのでね。


a9

それは地球の環境に手をつけないっていう
宇宙連合との協定違反じゃないの。

そこはそれなんだよ。
ペットとしてトカゲやリクガメを飼うのは、
彼らと協定を結ぶ前からの、
我々のささやかな趣味なんだ。
君たちもいろんなペットを飼うだろう。

ふーん。
わかったわ。
宇宙連合に報告はしないけど、
リクガメは絶滅危惧種も多いから、
せいぜい乱獲はしないようにね。

アイスは話がわかるなあ。
お、もうおやつの時間か。
これで失礼するよ。


a10

シベールが立ち去った後、
ほど近い森陰から円盤が
空に舞い上がるのが見えた。

ヴィヴィアンは何も言わなかったね。

私、シベールって
私の魔力に興味を持っているって聞いてから、
どうも苦手なのよ。



解説)
続きます。
Posted at 19:37 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Sep 24, 2026

滝を見に行く

a1

三人はマイケルと別れて
診療所の前に着いた。
アーネストが表にいるようだ。


a2

アーネストは三人に気がつくと、
近寄ってきて言葉を交わしている。

アイス久しぶりじゃないか。

2年ぶりね。
アーネストは私たちの町に来ないから。

これでもお尋ね者なんでね。
おやそちらは?

ヴィヴィアンっていうの。

魔族のハリーの娘さんで
悪魔になったっていう人か。
フラハから噂は聞いているよ。


a3

それで、誰か病人でもいるのかい。

観光で滝を見に来ただけなの。
ここは通り道だから。

そうか、
滝を見にくるなんて、
2年前の9月のルビーとフレイム以来だな。
彼女たちは君の仲間なんだろう。

CGの同僚ね。
二人とも元気でやってるわよ。
あなたがここに潜伏していることは、
口外しないから安心して。

ふむ。
恩に着るよ。
部下も世話になってるしね。


a4

三人はアーネストと別れて、
渓流沿いに上流に向かって歩き始めた。

アーネストが言ってた
部下って?

マイケルのことだよ。
彼らはゲリラなんだ。


a5

時折、獣の吠える声がする。

あれは警告かな。
さすがアフリカね。

あそこを登れば、
滝があるはずだよ。


a6

なかなか見事な景観ね。

ここで休憩してもいいけど、
どうする?

この上に花園があるんでしょ。
そこまで行って休憩しない?


a7

三人は滝の横から崖を登って行った。

変わった形の樹木だなあ。


a8

ここが花の群生地ね。
この花、曼珠沙華に似ているわ。

この花は薬草になるんだけど、
村人もここまでは登ってこない。

私は花のことをリンリンから聞いたのよ。

彼らは知ってるんだろうな。
知能の高い魔法生物だから。
村人が近づかないのは、
グリーンマンと遭遇するのを
恐れているからなんだ。
ここは村の南で、距離的には、
南西の遺跡にも近いからね。

グリーンマンって、今でも出てくるの?
フミコが蘇ってからは、
フミコのストーカーをしてるんじゃない?

遺跡と周辺の森をを守るっていう役目は
続けているみたいだよ。
あれは神出鬼没だからね。


a9

おお、リクガメが沢山いるね。

リンリンの言っていた通りね。
リクガメを見ると、オセロを思い出す。

オセロって、サラたちが
飼っているリクガメでしょ。

あのカメはね。
サラがメルティの夢の世界で、
ウサギの夢を見て、目が覚めたら、
サラのポケットに忍び込んでいたらしいの。
私がサイズを大きくしてあげたから覚えている。
2023年の1月のことよ。
とヴィヴィアンが言った。

すると、メルティの夢の世界で見た
サラの夢の世界の
生き物っていうことになるわね。
夢のまた夢か。

どうでもいいけど、
夢のまた夢って、
そういう意味じゃないんじゃない?



解説)
続きます。
Posted at 19:37 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Sep 23, 2026

ホテルから出かける

a1

アイスがホテルのロビーにいくと、
宿泊客に混じって
ヴィヴィアンと話しているマークの姿が見えた。


a2

昨日、アマンダから二人が
ホテルに来てるって聞いたんだけど、
夜になってたから、さっき来たんだ。
滝を見にいくんだって?
僕は一度行ったことがあるんだ。
案内するよ。

それは助かるわ。


a3

皆さんは?

ダリオさんが案内してくれるというので、
村の東の方に散歩に行きます。

沼地や見晴らしのいい山があるそうよ。
お家にも招待してくれたの。

あ、私も行ったことあるから
知ってるわ。
じゃあ、雷雨に気をつけて楽しんでね。
とアイスが言った。


a4

三人はリンリンに見送られて
ホテルから出発した。


a5

ジャングルを抜けて、
フラハの家の前にでた。
フラハが挨拶している。

ここから南に向かいます。


a6

町の広場にはたまに遊びにいくけど、
なかなか会えなかったね。

半年くらいヴィヴィアンと
海賊船で航海してたから。

ふーん。


a7

結構歩くのね。

これでもまだ村外れですよ。
この先にアーネストの診療所があるんです。

あら、誰かしら。
あの人、体の動きが変よ。


a8

よろよろしながら人影が近づいてきた。

ああ、マイケルじゃないか。

驚かせてすみません。
診療所にご用ですか。

診療を受けに来たわけじゃないの。

診療所の前を流れている
渓流の上流にある滝を見に来たんだ。


a9

そうでしたか。
ああ、アイスさんじゃないですか。
今年も来月、広場のハロウィーン月間には
いくつもりなんですよ。

毎年参加してるのね。

2年前からですけど、
仮装しなくても、
ゾンビ風に歩くと、
みんな驚いてくれるんです。

そーなんでしょうね。

それで、
ちょっと練習してたんです。



解説)
続きます。
Posted at 19:26 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Sep 22, 2026

ホテルに泊まる

a1

やがて陽が落ちて夜になった。


a2

ロビーでアイスとヴィヴィアンが話している。

明日は、南の渓流を散歩して
滝と花園を見に行きましょう。

普通の観光客みたいな
ことをするのね。


a3

そこにホテルの従業員の
クロとボギーとトラが
顔を見せた。

みんなどうしたの?

滅多にお会いする機会がないので、
改めてご挨拶に来たんです。
みんな人間に似た姿にしてもらえたのは
ヴィヴィアンさんのおかげですから。

そんなこと気にしないでいいのよ。


a4

人間社会に馴染めない私たちのために
犬猫猿鳥同盟を作ってくださったり、
こんな素敵な所に暮らせる環境まで
作っていただいて。

それもこれもマリアのアイデアよ。
私はあなたたちの面倒を彼女に任せただけ。

そうか原因は
みんなヴィヴィアンにあったんだ。
とアイスが言った。

原因なんて
諸悪の根源みたいに言わないでよ。
さあ、もう寝ましょう。


a5

他の宿泊客たちも
それぞれ部屋に戻って行った。

部屋で普通に眠るんですか。

郷にいればっていうでしょ。
人間の真似をするのが、
楽しいのよ。

ほんとに地球オタクなんですね。


a6

メイヴに出会ったのが
もう何日も前のことのよう。
わりと長い1日だったなあ。


a7

数え方によるのかなあ。
などと呟いて、
アイスは夢も見ないで
ぐっすりと眠り込んだ。


a8

翌朝も快晴だった。


a9

アイスさん。
おはようございます。

おはよ。
冷房効いてるのね。

私は暑いのはダメなんです。



解説)
続きます。
Posted at 19:30 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Sep 21, 2026

ホテルに戻る

a1

豹変亭での会話は続いていた。

私、しばらくホテルで
温泉に浸かりながらゆっくりするつもりなのよ。
とヴィヴィアンが言った。

だったら宇宙ステーションに
遊びに来ませんか?
色々お世話になったことだし、
アイスさんも一緒なら艦長が絶対許可してくれます。
とノヴァが言った。

そうね。それもいいけど、
まずは周辺をぶらぶらしてみたい。
あなたたちこの土地には詳しいの?

村の周辺はどこもジャングルですからね。

村の周辺のことならら
ここあたりを先住民から譲り受けたというフラハや、
村を開拓したマークが詳しいんじゃないかな。
ジャングルのことなら、シーザーやリンリンが
詳しいはずよ。
彼らはずっとジャングルに住んでたわけだから。
とアイスが言った。

そうか。
灯台下暗しね。
ホテルに帰ったら聞いてみるわ。
とりあえず、食事も済ませたし、
暗くならないうちにホテルに戻りましょうか。


a2

アイスは店を出る時に、入れ違いに
店にやってきたアマンダに出会った。

あらアマンダ。私のこと覚えてる?

もちろん、アイスよね。

もしマークを見かけたら、
私とヴィヴィアンが
ホテルにいるって伝えてくれないかしら。

いいわよ。


a3

五人はホテルに帰っていく。


a4

時は省略するかのように流れ、
五人はホテル・ナジャに到着した。


a5

ヴィヴィアンはホテルに入っていく。

私たちは温泉に行きません?

そうねえ。


a6

ヴィヴィアン様おかえりなさい。

フンボルトはルームキーを渡している。

あ、リンリン。
ちょっとお話が聞きたいんだけど、
今空いてるかな?


a7

喫茶室で二人が向き合っていると、
シーザーもやってきた。

聞きたいことっていうのは、
このホテルやマークの村の周辺のこと。
しばらくここに泊まって
このあたりを、みて回りたいんだけど。

わかりました。
このあたりは僕らの庭のようなものですから。


a8

庭といっても、基本的に
ジャングルばかりなんですよ。
村のあるこのあたりは少し高台にになっていまして、
ずっと東に行くと沼地があります。
そこにダリオさんの家もあるんです。
西南の方に崖を下っていくと谷になり、
そこから緩やかな斜面を登っていくと、
魔族の古代遺跡群があります。
でもその辺りは今でも魔法がかかっていて、
部外者は立ち入れないことになっています。
僕たちはその地域で生まれた魔法生物なんです。

なるほどね。一昨年の6月に
アイスたち遺跡調査の探検隊が行った場所ね。
その古代遺跡には蘇ったフミコに連れて行ってもらった。
他にはどこか見どころはないの?

村の南の方のはずれに
渓流が流れていて、下流に小さな泉がありますよ。
渓流を遡ると滝が見える場所もあります。
その滝の上に綺麗な赤い花の群生地がありますが、
そこはリクガメの生息地で。

その話はルビーから聞いたことがあるわ。
そこで宇宙人のピピが、
大きな九官鳥にさらわれたっていう話。

ルビーさんたちにもお勧めしたんです。
観光っていうと、景色のいい場所は、
そこくらいしか思いつかないんで。
あとは行けども行けどもジャングルです。

ありがと。よくわかったわ。


a9

その頃、アイスとエレナは、
ホテルの裏の広場で、
温泉に入浴する順番を待っていた。

無理すれば四人は一緒に入れるんだけどね。

無理しない方がいいのよ。
ノヴァは呼吸装置みたいなのを外して、
ラバーのマスクも外すのかしら。
サラはノヴァの素顔を見せてもらった
ことがあるって言ってたわ。

素顔ねー。



解説)
続きます。
Posted at 19:29 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Sep 20, 2026

豹変亭で

a1

三人はマークの村に向かっていた。

アイスとは一年ぶりだけど、
去年のハロウィーンには
私たち広場に見物に行ったのよ。


a2

ルースやシーサンやアルニも来ていたね。

シーサンヤアルニは常連見たいね。
スターウォーズマニアの宇宙人に
作られたロボットだから、
無理もないけど。
今年も来月のハロウィーン月間が楽しみ。


a3

村に着いたわ。
レストランは一軒だけだから、
すぐわかる。


a4

三人は豹変亭に入って行った。


a5

アイスも来たわね。
顔を合わせたくないなあ。

あなたは給仕なんだから、
ちゃんと注文とりに行ってよ。


a6

いたいた。

三人は
ヴィヴィアンとダリオに合流した。


a7

ヴィヴィアンさん、お久しぶりです。
昨年広場に遊びに行った折には、
色々案内していただいて感謝してます。
とノヴァが言った。

あなたは魔族や魔法の研究をしてるって言ってたわね。
迷いの森の空気が吸ってみたいなんて言い出して、
密猟者のピエールを探してきて
頼んだりしたのを思い出したわ。
とヴィヴィアンが言った。


a8

そうでしたね。
あれは去年の2月の終わりのこと。
あの後、3月中ばに広場でフリーマーケットがあって。

私とカコが遊びに行った。
軍荼利明王の彫像を買ったのよ。
いい買い物ができて楽しかったわ。
とエレナが言った。

エレナは人類の芸術文化の研究してるって言ってたわね。

それから迷いの森からロボットが
人を探しに来て。
とノヴァが言った。


a9

そうそう。そのロボット、ヤビーのおかげで、
大変な未来世界や夢の世界の冒険に発展したのよ。
とアイスが言った。

ところで
宇宙人の観光客は
この村によくくるの?

そうでもないんですよ。
僕みたいに変装したり、
エレナみたいに外見が
人間に似てるタイプじゃないと、
流石に村人に怖がられますからね。

レプティリアンたちは
透明マントを装着して来てるみたい。

あれは反則よね。


a10

なんか楽しそうに話してるなー。
私たちは話題になってないみたい。

元気そうね。
アンドレア。ローズも元気?
とアイスが声をかけた。

あ、げ、元気です。



解説)
続きます。
Posted at 19:31 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Sep 19, 2026

広場とアイス

a1

広場はそこそこ賑わっていた。


a2

マンゴー亭でマービーが
アルバイトを始めたという噂を聞いて、
バービーたちが郊外から
やってきている。


a3

ソフトクリームの売り子担当なのね。
故郷の水中に帰らなくてもいいの?

帰っても一人きりだし、
しばらく魔術劇場で
お世話になることにしたの。


a4

マービーがバイトに来てくれて、
売り上げ伸びそうね。
とレイとアンナが話している。


a5

アンジーと
アマチュアカメラマンのロジャーが
立ち話をしている。

涼しくなっても
これは美味しいわね。

ポーズ的にも
それらしくていいですね。


a6

アイス先輩、マービーを島に送り届けるって
言ってませんでした?

それは予定変更ね。
あ、ヴィヴィアンに会いに行かなくちゃ。

いいなあ。
またアフリカのホテルですか。


a7

アイスは、バー・デジャの鏡の扉に向かった。

アイスさん、今度はどちらへ。

あなたたちのボスのところよ。


a8

アイスはフラハの家の裏庭に現れた。

ヴィヴィアン来なかった?

ああ、最初ホテルに行くって来たけど、
それからまたダリオと一緒に来て、
村の方に行ったよ。


a9

アイスがフラハの家を出ると、
エレナとノヴァに出会った。

あら、アイス。
お久しぶり。

一年ぶりかな。

ホテルに泊まりに来たんですけど、
ヴィヴィアンが来てて、
たぶん村のレストランにいるって、
リンリンから聞いたので、
散歩がてら来てみたんです。
とノヴァが言った。

ちょうど、
私も会いに行くところだったの。
一緒にいきましょう。



解説)
続きます。
Posted at 19:33 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Sep 18, 2026

マークの村へ

a1

ヴィヴィアンは
ホテルに戻ってくる途中で
リンリンに出会った。

いいお湯だったわ。


a2

あら、あれは?

この広場の向こうに
転送装置があるんです。
きっと宇宙ステーションからの観光客ですよ。

商売繁盛なのね。


a3

ホテルの前庭で、ダリオに出会った。

ヴィヴィアンさん。
湯上がりに散歩でもしませんか。
村にご案内しますよ。
美味しいレストランがあるんです。

お願いするわ。


a4

二人はマークの村に向かった。

いいお天気ね。

スワヒリ語で
ヘワヌズリ
っていうんですよ。


a5

ジャングルを抜けて
村外れのフラハの家の前に到着した。
家からフラハが挨拶している。

ここからちょっと歩きます。


a6

二人はまたジャングルを抜けて、
マークの村に到着した。

このあたりが集落の中心地です。


a7

挨拶してる。
あの人は?

アマンダって言って、
村でハウスキーパーをしてる人です。
みんな彼女に頼んで、
庭の手入れや留守番をしてもらうんですよ。


a8

ここが村で唯一のレストランで
夜は酒場になります。
豹変亭っていうんです。

変わった名前ね。

なんでも名前の由来があるそうですが、
聞いたことなくて。


a9

二人は軽食とワインを注文した。

これはなんのお肉かしら。

上質の新鮮な牛肉ですよ。
けして禁猟指定の野生動物のものではありません。
と給仕をしていたアンドレアが言った。

こんな秘境みたいなアフリカの奥地で
そんなお肉が手に入るの?

この村には二つの交易ルートがあるんです。
一つは村外れにアーネストっていう
お医者さんが住んでいるんですが、
彼は実は亡命中の革命家で、彼の部下が
ゲリラの連絡ルートを使って、
物資を運んできてきてくれるんです。
もう一つは私たちが運んできます。

私たちって?

村長のマークと私。
フラハも協力してくれます。

そういえばダリオさんは
別世界から来た魔族だったわね。
鏡の扉を使ってそんな商売していたの?

商売といえるほどのことじゃないですよ。
最初は飢餓対策で
マークから声をかけられたんです。
ボランティアで始めたことですが、
最近やっと観光に来る宇宙人が
雑貨を買ってくれるので軌道に乗りました。

宇宙人も協力的なのね。

彼らにとってホテルのあるこの村は、
保護区のような貴重な観光地なんです。
表向きは人類との交流は
禁じられているみたいですが、
地球オタクが大勢いるみたいで。


a10

アンドレアとローズが話している。

とうとうヴィヴィアンも現れたか。

メイヴの封印を解いた時、
出会ってるはずなのに、
私たちには全然気がついていないみたいだった。

あの時は
すぐ逃げ出したからね。

ここにはCGのアイスもルビーも
来たことがあったから、
多分彼女たちから噂を聞いてないだけよ。
ここにいるのがバレたらそれまでね。

彼女は悪魔でしょう。
CGとは知り合いかもしれないけど、
バレても私たちを襲う理由はないはず。
まあなんとかなるわよ。



解説)
続きます。
Posted at 19:37 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Sep 17, 2026

町外れの広場で

a1

広場はわりと静かだった。


a2

もう9月の半ばなのね。
虫の音も聞こえて、秋を感じるわ。


a3

こういうの食べると、
ますます感じますねえ。


a4

アイスとマービーたちは、
農家の直販店をのぞいていた。


a5

ブドウやキノコ
栗や柿が入荷しました。
秋の味覚が揃っていますよ。

その瓶はなあに。

栗の甘煮の瓶詰めなんですよ。


a6

秋といえば、
サツマイモやかぼちゃも
ホクホクして美味しいですよ。


a7

何もかも珍しいから、
みんな食べてみたい。
とマービーが言った。

マービーは普段何を食べてるの?

廃墟の庭で水中菜園を作ってるの。

あ、そういえば最初に会った時、
見せてもらったことがあったわね。
菜食主義者か。
じゃあ、何か好きなものを選んでよ。

さっきアイスさんが来るまで、
佳奈さんからこの世界のこと、
色々伺っていたんですけど、
ここはお店というところで、
買い物にはお金っていうものが必要なんでしょ。
いつか自分で買いたいから、
何かお仕事がしたい。

えー。


a8

マービーは、島で仲良くなった
レイに会って話している。

そんな殊勝なことを考えてるの?
そーねー。
じゃあ健太さんや恵子に頼んでみるわ。


a9

レイが店主の小池恵子や
シェフの丹下健太に話をしたところ、
マービーは、マンゴー亭で
アルバイトに雇われることになった。
同僚になったアンナも喜んでいる。



解説)
続きます。
Posted at 19:41 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Sep 16, 2026

露天風呂へ

a1

ヴィヴィアンは部屋から
ホテルのロビーに出てきた。

あら、あの人はダリオ。


a2

ダリオは振り返った。

ダリオさん、私はヴィヴィアンよ。
2年前の9月の夜会以来ね。

ああ、ヴィヴィアンさんなんですか。
その姿なのでわからなかったです。

ここに泊まってるの?

ええ。私の家はマークの村から
かなり離れた沼地の方にあるんですが、
買い物などに何かと便利なので、
このホテルを常用しているんです。
こちらには?

温泉にでも浸かろうと思って。
今年の初めから半年ほど遠洋航海してきて、
マーレの島でも結構空を飛んだから、
ちょっと疲労回復にね。
アフリカにはフミコに招かれて
両親と一緒に魔族の遺跡には行ったけど、
このあたりに来るのは初めて。
ホテルに泊まるのも初めてだし。

よろしかったら、
近くのマークの村を案内しますよ。

後で、お願いするかも。
まずは温泉で羽根休め。


a3

ヴィヴィアンはダリオと別れて、
ホテルのフロントにやってきた。

シーザーに温泉に行く
道順を尋ねている。


a4

シーザーは案内している。

ここを曲がって、
裏の広場から行くんです。

この並びの家はあなたたちの宿舎?

そうなんです。
従業員のクロやトラ、
ボギーやフンボルトと
リンリンが住んでいます。
僕は通いです。

支配人のマリアは?

いつもホテルには、
いらっしゃらないんですよ。
たまに顔を見せに戻られますが。

名ばかりなのは
私と同じね。


a5

あの向こうのジャングルの中に
あるんですよ。

温泉はいつ頃作られたの?

去年の2月のことですよ。
ピピやダックっていう宇宙人が
色々手伝ってくれたんです。
ご存知なかったんですか。

マリアは報告してくれないからね。
私は噂で聞いてただけ。


a6

二人はジャングルに分け入った。

この渓流を利用しているんです。


a7

ここが露天の温泉です。

ふーん、野趣溢れる感じね。

濾過と温水化装置が付いているんです。
自由に温度設定ができますよ。


a8

ヴィヴィアンは温泉に飛び込んで
景観を楽しんでいる。

景色もいいわね。
あれ、あそこに。

あ、あれはオランウータンの親子ですね。
誰もいない時、利用しに来るんです。


a9

ヴィヴィアンは振り向いて、
翼を広げた。

本当に羽根を伸ばすんですね。

もちろん。


a10

ここは混浴なんでしょ。
あなたも入らない?

あ、い、いえ、
仕事中ですから。


a11

しばらくしてシーザーは
ホテルに引き返してきた。

ヴィヴィアンさん、
どうだった?

一緒に入浴しないかって
誘われちゃった。

それでどうしたの?

いいお湯だった。
あれは悪魔の囁きだよ。



解説)
続きます。
Posted at 19:25 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Sep 15, 2026

ホテル・ナジャ

a1

アフリカのフラハの家の
裏庭にある鏡の扉から、
ヴィヴィアンが現れた。

おや。君は誰だい?

フラハ。私よ。

ふむ。
その声には聞き覚えがあるが。


a2

ヴィヴィアンが呪文を唱えると、
幻影のイメージが浮かび上がった。

なんと、ハリーの娘の
ヴィヴィアンだったか。

これは2年前に
あなたに最初にお目にかかった時の
私のイメージよ。


a3

その格好は、ハロウィンのコスプレかい。

とんでもない。
これが私の本当の姿なのよ。

ふむ。そういえば、君は悪魔だったな。
やはり悪魔とはそういう格好をしているものなのか。

まあそうみたいね。
私、ホテル・ナジャに泊まりにきたんだけど、
道順がわからなくて。

ああ、ここから
ジャングルを少し歩くといけるよ。


a4

ヴィヴィアンは、
フラハに言われた通りに
ジャングルをかき分けて行った。


a5

ヴィヴィアンは、
程なくホテルの入り口にたどり着いた。
その姿に気がついたリンリンが手を振っている。


a6

二人は前庭を通って
ホテルの建物に向かっている。
シーザーも二人に気がついたようだ。

ヴィヴィアンさん、鏡の扉を使えば、
ホテルに直接来られたんじゃないんですか?

ホテルの宿泊客は宇宙人が多いんでしょ。
ここではなるべく魔法は使わず、
フラハの家から移動することに
なっているのよ。


a7

ヴィヴィアンはホテルのフロントで
フンボルトと話している。

ヴィヴィアン様、
お部屋はどうなさいますか。

もし空いてたら、
両親がよく使ってた部屋にしてちょうだい。
眺めが良くて快適だって言ってたから。

はい。

僕がご案内します。お荷物は。

特に何もないのよ。


a8

リンリンはヴィヴィアンを
部屋に案内した。

確かに居心地は良さそうね。


a9

リンリンがフロントに戻ってきて
話している。

お客さんの扱いは、慣れてるんだけど、
ヴィヴィアンさんには、
なんか緊張しちゃうなあ。

あの姿だしね。
フミコ様を蘇らせてくれたのも彼女だし、
あの人、すごい魔力の持ち主なんだろう。
とシーザーが言った。

クロやトラやボギーや僕を
今の姿にしてくれたのも彼女だよ。
すごく優しい人だよ。
とフンボルトが言った。



解説)
続きます。
Posted at 19:18 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Sep 14, 2026

広場から広場へ

a1

マーレの島の遺跡の広場で
ハリーたちが話していた。

魔法の花火大会をきっかけに、
いろんな出会いがあったようね。
今頃、みんな楽しんでいるかしら。

あ、出会いといえば、私、
コンテストに参加してもらうために
マービーを広場に連れて行ったままだった。
そろそろ迎えに行かなくちゃ。
とアイスが言った。

マービーって、
本来の姿は人魚みたいな魔法生物なんでしょ。

そうなんです。アフリカのフミコの故郷、
水没した魔族の都のある地底の水中に住んでいる。
ずっとそこで廃墟の管理をしていたみたいで、
人間の姿に変えてあげたんだけど、
地上の世界は何もかも珍しいって言ってました。


a2

ヴィヴィアン、あなたはこれからどうするの?

特に予定はないわ。
父さんたちがしてたみたいに
ホテル・ナジャに泊まって、
温泉にでも浸かろうかな。

お前も渋いこと言うようになったなあ。
とハリーが言った。

温泉で羽根を伸ばすのよ。

そういえば、ヴィヴィアンは
宇宙人とはあんまり接触がなかったわね。
あのホテルにはよく泊まりに来るのよ。

あんまりややこしいことに
関わりたくないんだけど、
まあ来るものは拒まずね。


a3

ご夫妻はどうされるんですか。

夏の間だけというつもりで、この島に
魔術劇場を移転させてもらっていたんだが、
もう9月も半ばだけど、
なんだか気に入ってしまってね。
もうしばらくここにいさせてもらうかな。

私もここがすごく気に入ってるの。
大昔に魔族の都だったっていうことが関係あるのかしら。
花火の夜に帰郷してきた大勢の魔族の魂を見かけたとき、
すごく懐かしい気がした。
とカーミラが言った。

泉には夢見の水も湧き出ているし。
縁があるのは確かだな。


a4

じゃあ、私たちはこれで。

うん。
鏡の扉を使えば、
すぐ行き来できるんだから
どうも別れるという現実感がないが、
まあ元気でやってくれ。


a5

アイスとヴィヴィアンは
それぞれの目的の場所に行くため、
鏡の扉のある魔術劇場に向かった。

広場でマービーを見つけてこの島に送り届けたら、
私もホテル・ナジャに行くわ。
とアイスが言っている。

それはいいけど、
アイスは、まだ私のお目付け役を
続けてるつもりなの?

そんなことはないわ。
メイヴとの対応を見てても
あなたが暴走しなくなったのはわかる。
ただ楽しいから一緒にいたいだけよ。


a6

その頃町外れの広場では、
今日も相変わらず
ルルが観葉植物に水をやっていた。

この水いつ見ても
綺麗だなあ。
と子供たちが言っている。


a7

マービーは佳奈と話し込んでいた。

ここで待ってるように
言われたんだけど。

アイス先輩なかなか来ないね。


a8

マービーさん。
あなたはアフリカの遺跡の地下の
水の中に住んでるんですよね。

そうよ。
アイスさんから聞いたの?

2年前2025年の6月のアフリカの遺跡探検で
アイス先輩が最初にあなたを見つけた時
私もその探検隊に参加してたんです。
地下に通じる遺跡の秘密の階段から、
私も地下水の中に潜ったのよ。
息が続かなくてすぐ浮上したから、
あなたには出会えなかったけど。

そうだったの。

ええ。だから
もしかしたらその時出会えていたかも。

接近遭遇だったのね。


a9

二人で話が盛り上がっている時
アイスがやってきた。

すっかりお待たせしちゃって。
と言っている。



解説)
続きます。
Posted at 23:04 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Sep 13, 2026

常春の国で

a1

シモーヌはマーレを案内するために
常春の国に戻ってきた。

おお、シモーヌ様。
珍しくオウル様が
起きておられますぞ。


a2

こちらはマーレ。
私が出掛けてきた島の王女様みたいな人よ。

島の住人はほぼ一人なんですけど。

それはそれは。
よくいらっしゃいました。
私は国王代理のオウルと申します。
シモーヌ様、ところで
魔法の花火はいかがでしたか。

魔族が何人も揃って魔法をかけたから、
とても見事だったわよ。
そのうち、
何かお祝いする時、
みんなにも見せてあげるわ。

それは楽しみです。


a3

二人は城館から庭園に出て行った。


a4

庭園ではソヴァの奏でる
アコーディンの音色に
クモスケが聴き入っていた。

平和なところねー。


a5

二人は城門を出た。


a6

満開の桜が咲き誇っている。

ここはいつでも、
こんな感じなの?

そうなのよ。
それで常春の国って呼ばれてるの。


a7

お花畑に行くと、
草原を駆け回っていた
エドとディアナとピリカが
二人の姿を見つけて駆けつけてきた。
みんな初めてみるマーレに
興味を持っている。
シモーヌは早速マーレを紹介した。

素敵な方ですね。
マーレさんはお人形の精霊なんですか。
それとも夢くい?

どちらでもないと思うけれど、
私は昔のこと、よくわからないの。

夢と現実が重なり合う絶海の孤島に、
ずっと昔から住んでいた方よ。
私の祖母ともお友達だったの。
とシモーヌが言った。


a8

シモーヌはマーレを
湖のほとりに案内した。

雪山の影が湖に映ってきれいね。

あの雪山のあたりまでが、
この夢の世界の境界よ。
この国はフクロウの精霊たちのために
私が作ってあげたの。

魔族って万能なのね。

そうでもないわ。
魔法で世界を生み出したのは私だけど、
そのあと何が起きるのかはわからない。
住人である精霊たちの行動次第だし、
夢の外から夢食いがやってくることもある。
さっき庭園で見かけたクモのクモスケや、
あの空を飛んでいる怪鳥アーキスもそんな夢食い。
外の世界からやってきて、
今はこの国に住んでいるの。
もう少し湖畔を歩いてみましょう。


a9

あそこに見える島には
夢食いのクモたちが暮らしているの。
この世界では治外法権っていうような
特別な場所になっている。

どうしてそんなことに?

あの島にいる夢食いのクモたちは、
アスラーダっていう死霊にそそのかされて
この国を襲ってきたんだけど、
最後に寝返ってアスラーダを眠らせてくれたのよ。
それでそのお礼に住む場所を与えてあげたの。
夢食いのクモたちは、
世界を独占したがる特性を持ってるから
島から出ないっていう条件付きでね。

島の中だけがクモたちの全世界っていうことか。
なんだか私の身の上と似てるわね。
とマーレが言った。



解説)
続きます。
Posted at 19:07 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Sep 12, 2026

みすずの家で

a1

フミコは黒木を連れて、
みすずの家に戻ってきた。

さっそくフミコはみすずに
黒木を紹介している。


a2

私、ミミコが気になるから、
部屋に戻るわ。
黒木さんの案内をお願いできる?

もちろん。喜んで。


a3

二人は一階のキッチン兼食堂に
降りて行った。

こちらは魔族の黒木さん。
青いロボットがヤミー、
赤いのはヤビーっていうのよ。

どうぞよろしく。

ロボットが夢の世界に住んでいるんですか?

未来世界から引っ越してきたの。
色々な事情があるのよ。


a4

あちらはカエル王女。
有名な夢食いカエルの大王ヘクトルの娘さんよ。

それはどうも。
黒木と言います。

どうぞよろしく。


a5

二人は家の入り口から外に出た。

あ、このロボットはヤッピーっていうの。
この人は黒木さんよ。

どうぞよろしく。
大勢でお住まいなんですね。

いつもなら、他にディアナとピリカっていう
鹿のフィギアの精霊たちもいるんだけど、
今は常春の世界に遊びに出かけている。
常春の国には、安全な草原があるから、
出掛けて行っては、そこで走り回っているの。

ここは危険なんですか?

恐竜がいるからね。
鹿の姿だと流石に危険よ。


a6

二人は湖畔を歩いている。

この湖の周辺ならほぼ安全。
よく草食恐竜が水を飲みにくるけど、
私たちの姿を見慣れているから、
何もしなければ襲ってくることはないの。


a7

ヤッピーがコーヒーを運んできた。

本当にいい所ですね。
夢の中みたいだ。

ここが夢の中なのは知ってるでしょう。
フミコから案内を頼まれたけど、
安全なのはこの周辺だけよ。
ジャングルはお勧めしない。

僕はこんなものを持ってきたんです。


a8

そういうと、黒木はポケットの中から
小さな箒を取り出して地面に置くと、
呪文を唱えた。

すると箒はみるみるうちに
大きくなった。

これは魔族の使う魔法の箒です。
マリアさんからの借り物なんですけど、
練習して空が飛べるようになったんですよ。


a9

黒木は箒に跨って、
呪文を唱えて空に舞い上がった。

黒木さん。
空には翼竜も飛んでいるのよ。

え、そうなんですか。
と言っている。



解説)
続きます。
Posted at 21:22 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Sep 11, 2026

メイヴと話す

a1

私を呼んだのは誰だ。
なんだ、またお前たちか。

3年ぶりねメイヴ。

気安く私の名を呼ぶなよ。
お前は確か悪魔のヴィヴィアンだったな。
迷いの森で待っていたんだが
ずっと来なかったじゃないか。
こんな場所に私を呼んだのは、
決着をつけたいのか。

あなたの仲間が大勢いるところに
わざわざ戦いに行くわけないでしょ。
それに決着をつけようと思って、
呼んだわけじゃないの。


a2

この頭蓋骨を見つけて、
あなたのイメージが浮かんだので、
あなたにゆかりのあるものじゃないかと思って、
わざわざ呼んであげたのよ。

なんだ親切なんだな。


a3

メイヴは頭蓋骨を手に取ると、
じっくり眺めて言った。

たしかにこの頭蓋骨は
私の娘のものだ。
長い間行方知れずになっていたが、
どこで見つけたんだ。

海底で出会ったタコからもらったのよ。
タコは沈没船の中で見つけたんだと思う。
とアイスが言った。

そうか。
まだ娘にはパワーが残っているようだ。
私のイメージが浮かんだというが、
娘が知らしめたのだろう。
どうやらお前たちには借りができたな。
礼をいうよ。じゃあな。

ちょっと待って。
その頭蓋骨は、メメみたいに
あなたを召喚するための呪具じゃないの?

それはその通りだよ。
話せば長い話だ。
私たちは別世界で生きていたが、
追放されてこの宇宙の辺境の世界に放たれたんだ。
太古の昔、私はこの力で、人間たちから
様々な名前で呼ばれ、崇められるものとなった。
しかしそんな時代が終わると、私はお役御免になった。
私は私の眷属の心の無意識の底に封印されてしまったのさ。
しかし私の復活を信じる人間たちがいて、
封印を解く方法を見つけて伝承として伝えた。
その方法は私を操っていたものたちが、
使い回していた方法と同じだ。
彼らは私を特定の私の仲間の
無意識の底に封印したり解放したりすることで
私をコントールしていたんだ。
この私の娘もそんな彼らに指定された
よりしろの一人だった。

その彼らって。

封印する力を持つものって
魔族しかいないでしょう。

魔族か。
そういえば大昔に私を崇拝したのも
時には戦いを挑んできたのも
リーダーは魔族だった。
魔族には確かに封印する力を持つものもいる。
だが、魔族じゃないよ。
ああ。もういくよ。
早くこいつの面倒を見てやらないと。


a4

そういうと、メイヴの姿は
茂みの奥から、かき消えていった。

随分、あっさりしてたわね。

軽くやっつけちゃってもよかったけど。
戦う気分じゃなかったみたい。


a5

一応、ハリーに報告しましょう。

また井戸の底に降りるのね。


a6

二人は魔術劇場に戻り、
出入り口の鏡の扉を使って外に出た。

ハリー夫妻は
まだ島の広場にいるかしら。


a7

いたいた。

ハリーさん。
あの頭蓋骨をメイヴに返してきました。

ふーん。
やはり彼の仲間のものだったか。


a8

他のみんなは?

フミコはミミコの世話があるからって、
みすずの家に帰ったわ。
黒木さんも恐竜が見たいと言って、
ついていった。
シモーヌは、マーレを案内するって言って、
二人で常春の国に帰ったわ。

それでヴイヴィアン。
メイヴと3年ぶりに会って戦ったのか。

頭蓋骨を返しただけよ。
娘の頭蓋骨だったらしくて、
喜んでいたわ。

それは良かったな。
お前も大人になったものだ。


a9

アイスは、メイヴの言っていたことを、
ハリー夫妻にも話して聞かせた。

なるほどなあ。
別世界から追放されてきたというのか。
やはりただの夢食いではなかったな。
しかし別世界というだけでは、
今ひとつイメージが湧かないなあ。

別の宇宙のことじゃないの?
パールが言ってたことと関係がありそう。
とカーミラが言った。



解説)
続きます。
Posted at 19:04 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Sep 10, 2026

森林公園へ

a1

二人は鏡の扉を抜けて、
森林公園にやってきた。

随分狭くて薄暗いけど、
ここはどこなの?


a2

ここは井戸の底ですよ。
僕は夢食いガエルのジロー。
2ヶ月ほど前に、
僕の兄や姉の住む所と行き来できるように、
フミコさんが、
鏡の扉を設置してくれたんです。


a3

なるほど。
それで森林公園に行く呪文を唱えると、
ここに出ちゃったんだ。
確かに井戸の底なら
普通の人間に見つからないから安全ね。
とアイスが言った。

でも、ここ登らないと
地上に出られないんでしょ。
とヴィヴィアンが言っている。


a4

翼広げて飛ぶには狭すぎるし、
と言いながら、ヴィヴィアンは
樹木をよじ登っている。


a5

なんとか地上に出られたわ。

公園の森の中で、
人目につかないところを探そう。


a6

このあたりでどうかしら。

そうね。
ちょっとスペースもあるし。


a7

ヴィヴィアンは頭蓋骨を草地の上に置いた。
アイスは紋章の描かれたTシャツを
広げている。


a8

頭蓋骨はかすかに振動を始めた。

さあ、この紋章をみて。


a9

なんと、
あたりに薄い煙がたちのぼり、
茂みの奥にメイヴが姿を現した。



解説)
続きます。
Posted at 19:27 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Sep 09, 2026

アイスのアイデア

a1

話し合いは続いていた。

じゃあ、せめて管理局で預かってよ。
とヴィヴィアンが言っている。


a2

わかって欲しいんだけど、
それもできない。
管理局は遺失物の預かり所じゃないの。
この世界のことはこの世界で処理してほしい。
あなたたちなら、知恵を出して、
なんとかすることができるでしょう。


a3

ヴィヴィアン。
私、話を聞いていて、
思い出したんだけど。
とアイスが言った。

魔王メイヴは、古代ヨーロッパで、
一つの町を焼き尽くすほどの災いをもたらす
存在として恐れられていて、
人々が多大の犠牲を払って、
世界のどこかに封印した。という伝承が生まれた。
中世に誕生した宗教的な秘密結社ジゾックスは、
その魔王メイヴを信仰していて、
魔王メイヴの封印を解くという紋章を
組織のシンボルにしていたの。
そののち近代になってジゾックスは
国際的な犯罪組織に発展したけれど、
その間もずっと、
「夢見の水の流れる土地に住む、
ツノあるものが紋章を見ると、
魔王メイヴが目覚める」
という伝承を信じて
世界中で「ツノあるもの」探し続けていた。
私たちGGが国際的な犯罪組織ジゾックス壊滅させたけど、
その残党のローズたちが「ツノあるもの」である、
メメを探し当て、とうとう魔王メイヴを復活させたのが、
3年前のこと。
それからのことは、魔王メイヴと戦った
ヴィヴィアンがよく知ってるわね。

まあね。

伝承によると、封印を解いたものの命令に
メイヴが従うというものだったんだけれど、
メイヴに言わせると、
伝承のその部分は、自分の封印を誰かに解かせるために
故意に付け加えたということだった。
メイヴは最初から封印を解いた人間に
従うつもりなんてなかったのよ。
それで自由になって、
あなたと戦って互角の相手だと知ると、
迷いの森に帰ってしまったの。


a4

まあそういうことだったわね。
それで何が言いたいの?

私が思ったのは、
メメの体の中にメイヴが封印されていたように、
その頭蓋骨の中にも、何かが封印されているんじゃ
ないかということ。

強いパワーを感じて、
私の脳裏に真っ先に思い浮かんだのは
メイヴのイメージだったわ。
だからメイヴに関係があるものだと思って、
彼に返却しようとしてたんだけど。
とヴィヴィアンが言った。

確かに深い関係がありそう。
それで思ったんだけど、
その頭蓋骨に、あのジゾックスの紋章を見せれば、
何かが起きるかもしれない。

なるほどねー。
もしメイヴが出てきたら、
その時頭蓋骨を返せばいいか。
じゃあさっそくやってみましょう。


a5

お役に立てなくて
残念だわ。

いいのよ。
管理局の立場がよくわかったから。
この世界で起きることは
自分たちの力で解決しなさいって
いうことでしょ。


a6

アイスたちは広場に戻ってきた。

アイスはリタに、
倉庫にジゾックスの紋章入りのTシャツが
あるかどうか尋ねている。

3年前に、アンドレアから
押収した服ね、探してみる。


a7

ヴィヴィアンは
バービーたちに話しかけられている。

かっこいいコスチュームですね。
ホラー映画かなんかの撮影ですか。

そう見える?


a8

あ、それそれ。
ちょっと借りるね。

アイス、これ着るの?


a9

二人はデジャに戻った。

また出かけるの?
とアンジーが尋ねている。

ちょっと
森林公園までね。



解説)
続きます。
Posted at 19:32 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Sep 08, 2026

ヴィヴィアン

a1

ヴィヴィアンは、鏡の扉を抜けて、
デジャの店内に現れた。

ボス、お帰りなさい。


a2

ジョニー、
ギャングじゃないんだから、
普通の名前で呼んでよ。

すみません。
ヴィヴィアンさん、
凄そうなもの持ってますね。
それはハロウィン用の
被り物ですか?

本物の頭蓋骨よ。
ちょっとペンギンまで
出かけてくるわ。


a3

ヴィヴィアンは階段を降りて
店の扉から広場に出た。

アイスクリーム
いかがです?
と声をかけられている。


a4

ヴィヴィアンが
広場を横切って階段に向かうのを
アイスが見つけた。


a5

アイスは高台の休憩所で
ヴィヴィアンに追いついた。

それって、
タコがくれたバッグに入ってた
頭蓋骨でしょ。

そうよ。
私が近くで見て、
メイヴに関連するものだと感じたの。
それでフミコやシモーヌと相談した結果、
変なことが起こらないうちに、
管理局のミラたちに頼んで、
迷いの森にいるメイヴに返すことにして、
運んでいる途中なの。

そうだったの。
じゃあペンギンまで私も付き合うわ。


a6

二人はペンギン前に到着した。

はるなに、
いらっしゃいませ、
と言われている。


a7

ヴィヴィアンは、
管理局に勤めるミラとバグに
頭蓋骨を運んで来たいきさつについて
話している。

そういうわけで、この頭蓋骨を、
迷いの森に住むメイヴのところに、
届けていただけないかしら。


a8

ミラは頭蓋骨を手に取って
眺めている。

なるほどね。
何かトラブルが起こる前に、
手を打ちたいという気持ちはわかるわ。


a9

でも残念ながら、お手伝いはできないなあ。
管轄している世界に大きな変化をもたらす
可能性のある行動は禁じられているのよ。
迷いの森はさまざまな異世界の交差点のような空間。
その中には有象無象の夢食いたちが
待機している世界も含まれる。
メイヴというのが夢食いだとすれば、
多分そこにいるんでしょうけど。

その世界に行って、
メイヴに会って頭蓋骨を手渡してくるだけよ。
拾った落とし物を、落とし主に返す
っていうだけの話じゃないの。

その結果何が起こるか
予測不能でしょう。
それに、
この頭蓋骨がただの落とし物だという保証はない。
何かの災厄を引き起こす可能性もあるとしたら、
そういうものを届けることはできないのよ。


a10

予想外の会話の展開に押されて
はるなは飲み物をテーブルに運ぶのを
ためらっている。



解説)
続きます。
Posted at 19:27 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Sep 07, 2026

エクレア号で

a1

サラたちはエクレア号の
食堂で休憩していた。


a2

ケイトとエルザは
海を眺めている。


a3

わー綺麗。
あれはなあに?

飛魚の一種みたい。
たまに見かけるのよ。


a4

エリーゼとクックドゥーは
話し込んでいた。

こうして死んだ者同士で
話し合えるとは嬉しいです。
なかなか同じ境遇の
話し相手は見つかりませんからねえ。

そうね。
でも生きている人たちとは
たくさんお友達ができたわ。
あなたもそうでしょう。

それはそうですな。
私が夢の世界でこうしていられるのも、
サラさんはじめ、魔族の皆さんのおかげです。
私が生きていたのは大航海時代。
エリーゼさんはほぼ現代でしたな。
昔の海賊船は珍しいでしょう。
船内をご案内しましょう。


a10

初めてなのに、
この船にはすごく親しみを感じるわ。

そうでしょう。
この船は、船全体が幽霊みたいなものなのです。
生前、私とエクレア号は
長い間、一心同体のように過ごしてきた。
それで船に宿っていた精霊が、
生前の世界に執着して幽霊となった私同様、
幽霊船の姿となって、私と同じ運命を辿ったのです。

そんなことがあるのね。

なんでもありだからね。
クックドゥー、また下の方から
何か聞こえるわよ。
とサラが言った。


a6

三人が物音のする武器庫に入ると、
そこには犬のぬいぐるみの幽霊がいた。

エリーゼさん、聞こえました?
と犬のぬいぐるみの幽霊が言っている。

もしかして私を呼んでたの?
あ、あなたは、6月の末に
火山の島で出会ったことのある幽霊ね。

私も覚えてる。
とサラも言った。

そうなんです。
あの時の仲間もいますよ。


a7

武器庫に収納されている貨物の間から
次々に幽霊たちが姿を現した。

この場所は心霊パワースポットになっていて、
幽霊たちに人気なのよ。
と猫のぬいぐるみの幽霊が言った。

この前の花火大会で、
ますます有名になりました。
と餃子の幽霊が言った。

心霊パワースポットって、
この前の火山の島の森みたいに、
幽霊が出現しやすい場所っていう意味ね。
でも船内で火遊びはまずいんじゃない?
とサラが言った。

すると、私たちも幽霊なんです。
と、燃え盛る炎たちが言った。


a8

私たちは、沈没したエクレア号の乗組員たちの魂です。
これまで嬉しい時だけ姿を現すことができましたが、
幽霊たちが沢山やってきて、
この場所の霊気が強力になったおかげで、
こうしてお目にかかれるようになったんです。
キャプテン、お久しぶりです。

なんとなんと、お前たちだったか。
キャプテン・クックドゥーは
感激のあまり涙を流したが、
ゴムマスクの下は頭蓋骨だったので涙は流れなかった。


a9

その頃甲板では、
ケイトがタコと遊んでいた。

このタコの子供、すっかり
船に懐いちゃったわね。
毎日遊びに来てるわよ。

名前つけてあげようよ。

タココにしましょ。
とケイトが言った。

タコは喜んでいるようだ。



解説)
続きます。
Posted at 19:27 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Sep 06, 2026

マーレの島で

a1

たまきたちと別れて
島を一周した黒木とヴィヴィアンは
遺跡の上空にやってきた。

ハリーたちが
まだ広場にいるみたい。
ここで降りましょう。


a2

二人は広場に降りてきた。

派手な着地の仕方ね。
と言われている。


a3

コーチが良くて、
落ちずに空を飛べるようになりました。
と黒木が言っている。

箒にまたがる魔法はね。
昔は女性専用だったのよ。

現実世界では気をつけてくれよ。
人間に見られたら騒ぎになるからね。

わかりました。


a4

大きな頭蓋骨ね。
何かビリビリ感じるわ。
とヴィヴィアンが言っている。

あなたもそう?

あ、すごいイメージを感じる。


a5

ヴィヴィアンは脳裏に浮かぶイメージを
二人に可視化してみせた。

これは何?

これは魔王を自称している
メイヴっていう夢食いよ。
忘れもしない、
まだあなたたちと知り合う前の、
3年前の7月のこと、封印が解かれて、
町の広場に出現して、CGを滅ぼそうしたから、
私が戦って追い払ったの。


a6

そんなことがあったのね。

メイヴは今でも迷いの森に住んでいるはず。
人間の世界に興味はないって言っていたけど、
この頭蓋骨はメイヴを召喚する呪具かもしれない。
どこでこんなものを。

沈没した船の中にあったものらしい。
アイスが海底でタコから貰ったバッグの中にあったのよ。

なるほどね。
誰の持ち物だったか不明なわけね。
どんな事情があったのかわからないけど、
この頭蓋骨が見つかった以上、
何かの拍子でメイヴが呼び寄せられたり、
探しにくる可能性もあるわ。

それは厄介ね。いっそのこと、
迷いの森に帰しちゃえば?

あそこは夢食いたちの巣窟でもある。
魔族でも立ち入るのは危険よ。


a7

迷いの森の中には管理局もあるって言うから、
管理局の局員に頼んで、
事情を言ってメイヴに渡してもらうのが一番ね。
ちょうど管理局に勤めてるミラとバグが
町に住んでいるから、私が頼んでみる。
とヴィヴィアンが言った。

よろしくお願いするわ。

ヴィヴィアンは頭蓋骨を持って
広場から立ち去っていった。


a8

シモーヌとフミコは、
ハリーたちに、ヴィヴィアンが頭蓋骨を
返却しにいったいきさつを話している。

なるほどねー。
あれからもう3年になるのか。
私はその出来事を目撃してはいないんだが、
アイスから話は聞いている。
ヴィヴィアンも自分と拮抗する
魔力を持った相手と初めて戦って
当時は相当ショックを受けたようだった。

ヴィヴィアンは魔王を自称する夢食いだって
言ってましたが、そんな夢食いがいるんですね。

ただの夢食いじゃないよ。
これは想像だが、もしかすると、
君たちが戦ったという相手と同類なんじゃないか。


a9

その頃、海辺の散歩を終えた
サラとエリーゼたちは、
遺跡に戻る途中で
釣りをしていた軍曹たちに出会った。

あ、サラさん。
ちょうど船に戻る途中です。
休憩して行きませんか。


a10

一行はエクレア号に乗船した。
サラはエリーゼとケイトを
船長に紹介している。

これはこれは、
お初にお目にかかります。
おや。エリーゼさん、あなたは私と同じ、
幽霊なんですね。

そうなんです。
すぐわかりました?

それはもう。
影が薄いですから。

船長はそうは見えないわよ。
とサラが言っている。



解説)
続きます。
Posted at 19:16 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Sep 05, 2026

たまきとローラ

a1

たまきは水着を着替えて
ジェニーたちの部屋に帰ってきた。

島はどうだった?

楽しかったわ。


a2

ところでそれは何?

たまきの留守中に
ドルフィンの倉庫から
レンタルしてきたの。
大リーグの野球チームのユニホームを
かたどったフィギアよ。


a3

たまきが留守してた8月の間、
大リーグ中継を見るのが
流行ってたの。

応援してるチームが負け続けると、
まいっちゃうよ。
と文学青年が言っている。


a4

それでこれはどこの誰の
ユニホームなのかしら。

倉庫にはこれしかなかったの。
背中に名前が書いてあるでしょ。


a5

黒猫に変身しているマリアは、
蚊取り線香で遊んでいる。


a6

あ、忘れてた。
これはお土産だよ。

磯の香りがするわね。


a7

ローラも海賊船エクレア号から、
ペンギン前に帰ってきていた。


a8

急にいなくなったと思ったら。

突然たまきに呼ばれて、
海賊船でパーティ用のお寿司を握ってたんです。

ふーん。
あなたよく呼ばれるわね。

それで、
パーティの終わった夜に
その船の船長から聞いた話なんですが。


a9

クリスタルパールの採取できる島に、
何億年も生きている翼竜がいるそうなんですよ。
船にやってきて、女性の姿になって
自分からそんな話をしたっていうんです。
信じられます?

ふーん。
そういう姿の生命体がいるとは
聞いてたけど。
とバグが言った。

彼女の話は多分本当のことよ。
でも管理局としてはノーコメント。
別に秘密にするわけじゃないけど、
私たちの管轄の対象じゃないの。
とミラが言った。


a10

これはお土産ですか?
とバケツの中の風変わりな魚類を見て
はるなが尋ねた。

そうなの。食べられるかどうか、
試してみて欲しいって言われて、
もらってきたんだけど、
これから調理するつもりよ。
試食を楽しみにしてね。



解説)
続きます。
Posted at 19:35 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Sep 04, 2026

広場で

a1

広場にはバービーたちが来て
賑わっていた。


a2

ルルは今日も向日葵に水をやっている。

何となく
長持ちしそうな気がする。


a3

子供達はソフトクリームを
買いにきている。

レイ。
お店に戻ってきたんだね。

またよろしくね。


a4

マンゴー亭では
アンナもアルバイトを再開していた。

舞に夏木さん。二人とも
留守中ご苦労様。


a5

やっぱり肉まん運ぶより
お客さんの方が楽でいいわね。

ポーズが違うだけよ。

そうかなあ。


a6

アイスは佳奈たちと話していた。

アイス先輩。
お貸ししたCGの装備は使えました?
と佳奈が尋ねている。

ええ、すごく役に立ったわ。
旧式の毒ガス対応だけどアクアラングになるから、
スキューバダイビングにも使える。
おかげで海底で沈没船を見つけたの。


a7

これはお土産よ。
耳に当てて寝ると、
潮騒が聞こえて海辺の夢が見られる貝なの。

ありがとうございます。
最近寝つきが悪かったんです。


a8

マービーは、
バーバラやBBたちに囲まれて
話しかけられていた。

あなたが噂の
月初めのコンテストの
優勝者ね。

ええ。

流石に素敵なドレスね。


a9

顔立ちが、
私の祖母の若い頃にそっくり。

そうなんですか。

遠い親戚じゃないかしら。

それはないと思います。
実は私人間じゃないんです。

ふーん。
でもあり得るわよ。
きっと。



解説)
続きます。
Posted at 19:27 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Sep 03, 2026

空と海辺と

a1

黒木の練習は続いていた。

そうそう。
その調子よ。


a2

あらら。

集中して、
箒と一体となるのよ。


a3

随分上達したみたいね。

おかげさまで。


a4

どこに行くんですか。

もっと高みに。


a5

気持ちいいですけど、
この高さだと、
落ちたら完全アウトですね。

箒にしがみついていれば
大丈夫よ。
島を一周しましょう。


a6

その頃、
サラとエリーゼとケイトは
浜辺を散歩していた。


a7

随分遠くまで来たわね。


a8

木陰があるわ。
ここで一休み。

サラ、空に人が。


A9

黒木さーん。
とサラは呼びかけている。


a19

ヴィヴィアンさんに
指導してもらって、
箒に乗って空を飛ぶ
魔法の練習をしてたんです。

いいなあ。
私たちは散歩中。



解説)
続きます。
Posted at 19:44 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Sep 02, 2026

花火の翌朝

a1

コンテストの発表が行われている頃、
マーレの島の広場では、
まだみんなが朝食を食べていた。


a2

昨夜は魔族の魂たちが大勢来ていたわね。
亡くなった私たちのご先祖もいたのかしら。

多分ほとんどは、
この島の出身者たちの魂でしょう。
そういえば、シモーヌのお婆さまの姿も
ちらっと見かけたような気がしたわ。
とマーレが言った。

そもそもこの島は、
大航海時代に海賊が発見したと言われるが、
そのシモーヌの祖母が死ぬ直前に見た、
忘れられた夢の世界とも重なっているんだろう。
花火のアンコールは、
泉に住むアンモナイトが貝たちの代表として、
黒木氏に依頼しに来たというが、
もともと彼女が強く望んだんじゃないのかな。

それはあり得るわね。


a3

シモーヌとフミコもテーブルで話していた。

この頭蓋骨にすごくパワーを感じる。
フミコが胸に下げている、
その頭蓋骨によく似ているわね。

このアクセサリーはね。
2024年のハロウィーンの後、
ダリオさんから着付けをしたお礼に頂いたもの。
ダリオさんは別世界から来た魔族で、
アフリカの先住民が使っていたものだって言ってたわ。
身につけていると呪力を増大してくれるの。
この大きな頭蓋骨の由来はわからないけど、
私も強いパワーを感じるわ。


a4

サラはケイトを抱くエリーゼと立ち話をしていた。

あなたたちはこの島にはじめてきたのね。
せっかくだから、島を案内しましょうか。

お願いします。
私ずっと病気をしていて、
子供の頃に死んじゃったので、
生きていたとき
海を見たことがなかったんです。


a5

きれいな泉ですね。

よくマービーが来て遊んでいるけど、
今はアイスと出かけていて誰もいない。
海辺まで降りていきましょう。


a6

三人は岩場を越えて
海辺に出てきた。

う。うみ。
これが海なのね。

ケイト、あなたの体は毛糸だから、
濡れると大変よ。


a7

その頃、黒木とヴィヴィアンは
山道を登っていた。

ヴィヴィアンさん。魔法の練習に
お付き合いいただいて
感激です。

私は基本的に暇だから気にしないで。

昨晩ハリーさんから
2冊になったからと言って、
魔術書の赤本を貸していただいたので、
さっそく徹夜で呪文を覚えて、
箒もマリアさんからお借りしたんです。

マリアは魔族なのに、
黒猫に変身する魔法と
箒に乗って空を飛ぶ魔法しか
覚えてないからね。


a8

二人は低い山の山頂に到着した。

あのあたりが良さそうね。
落ちても草地だし。


a9

さあ始めましょう。

あのー、呪文の最初の言葉、
覚えてますか。

もう忘れたの?

島に棲息するクリプトドンが
興味を惹かれて見にきている。



解説)
続きます。
Posted at 19:35 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Sep 01, 2026

コンテストの発表

a1

翌朝、起き出してきたアンナとレイは、
デュアンに挨拶している。

おはよ。
また寝坊しちゃった。

おはよございます。


a2

トマソンも起きてきた。

あなたも着替えたのね。

はい。
またオブジェの制作に励みます。


a3

もう広場にお帰りですか。

ええ。1ヶ月も休みをとったからね。
またマンゴー亭でアルバイトよ。
ハリー夫妻は?

島の遺跡の広場で
朝食を摂られています。


a4

アンナたちはハリー夫妻に
島に招待してもらったお礼の挨拶してから、
マンゴー亭に戻ってきた。
留守中にウェイトレスをしていた今井舞が
気がついて出迎えている。

1ヶ月お疲れ様。

帰ってきたのね。
島の休暇はどうだった?

楽しかったわ。
こっちは?

すごく暇だった。


a5

広場ではルビーたちが話していた。

今日は月初めのコンテストの発表の日よ。

参加賞の準備もできてるけど、
肝心の優勝者がまだ決まってないのね。

観光客もあまり来なかったし。
来ても帰っちゃったし。


a6

そこにアイスがマービーを連れてやってきた。
アイスはルビーたちの話を聞いていたようだ。

そんなことだと思って、
助っ人をお連れしたわ。


a7

ルビーはマイクを手にして、
恒例のアナウンスを始めた。

みなさん。
7月のコスプレコンテストの
優勝者を発表します。
厳正中立な審査の結果、
優勝したのは、はるか遠いところから
観光でおみえになったマービーさんです。

ルビーいつもよくいうなあ。
とリタは思っている。


a8

マービーは万雷の拍手と歓声に包まれて、
優勝トロフィを授与されている。


a9

先月はマーレがもらっていたわね。
よくわからないけど、
あなたたちの毎月恒例の行事みたいだから、
喜んでいただくわ。

そうなんですよ。
ご協力感謝します。
マンネリみたいに思われるかもしれませんが、
こういうセレモニーを
続けることに意義があるんです。



解説)
続きます。
Posted at 19:25 in n/a | WriteBacks (0) | Edit
October 2026
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
       
Search

Categories
Archives
Syndicate this site (XML)

Powered by
blosxom 2.0
and
modified by
blosxom starter kit

新規投稿