Sep 13, 2026

常春の国で

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シモーヌはマーレを案内するために
常春の国に戻ってきた。

おお、シモーヌ様。
珍しくオウル様が
起きておられますぞ。


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こちらはマーレ。
私が出掛けてきた島の王女様みたいな人よ。

島の住人はほぼ一人なんですけど。

それはそれは。
よくいらっしゃいました。
私は国王代理のオウルと申します。
シモーヌ様、ところで
魔法の花火はいかがでしたか。

魔族が何人も揃って魔法をかけたから、
とても見事だったわよ。
そのうち、
何かお祝いする時、
みんなにも見せてあげるわ。

それは楽しみです。


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二人は城館から庭園に出て行った。


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庭園ではソヴァの奏でる
アコーディンの音色に
クモスケが聴き入っていた。

平和なところねー。


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二人は城門を出た。


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満開の桜が咲き誇っている。

ここはいつでも、
こんな感じなの?

そうなのよ。
それで常春の国って呼ばれてるの。


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お花畑に行くと、
草原を駆け回っていた
エドとディアナとピリカが
二人の姿を見つけて駆けつけてきた。
みんな初めてみるマーレに
興味を持っている。
シモーヌは早速マーレを紹介した。

素敵な方ですね。
マーレさんはお人形の精霊なんですか。
それとも夢くい?

どちらでもないと思うけれど、
私は昔のこと、よくわからないの。

夢と現実が重なり合う絶海の孤島に、
ずっと昔から住んでいた方よ。
私の祖母ともお友達だったの。
とシモーヌが言った。


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シモーヌはマーレを
湖のほとりに案内した。

雪山の影が湖に映ってきれいね。

あの雪山のあたりまでが、
この夢の世界の境界よ。
この国はフクロウの精霊たちのために
私が作ってあげたの。

魔族って万能なのね。

そうでもないわ。
魔法で世界を生み出したのは私だけど、
そのあと何が起きるのかはわからない。
住人である精霊たちの行動次第だし、
夢の外から夢食いがやってくることもある。
さっき庭園で見かけたクモのクモスケや、
あの空を飛んでいる怪鳥アーキスもそんな夢食い。
外の世界からやってきて、
今はこの国に住んでいるの。
もう少し湖畔を歩いてみましょう。


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あそこに見える島には
夢食いのクモたちが暮らしているの。
この世界では治外法権っていうような
特別な場所になっている。

どうしてそんなことに?

あの島にいる夢食いのクモたちは、
アスラーダっていう死霊にそそのかされて
この国を襲ってきたんだけど、
最後に寝返ってアスラーダを眠らせてくれたのよ。
それでそのお礼に住む場所を与えてあげたの。
夢食いのクモたちは、
世界を独占したがる特性を持ってるから
島から出ないっていう条件付きでね。

島の中だけがクモたちの全世界っていうことか。
なんだか私の身の上と似てるわね。
とマーレが言った。



解説)
続きます。
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