May 16, 2022

モモコの帰還

a1

二人はキッチンの出窓で
話し続けた。


a2

エリコどうしてるかな。

あの黒っぽい骨みたいな子ね。
去年、居間で出会って、
夢見の水をもらって以来会ってない。
この家のどこかに彼女の住む世界に通じてる
場所があると思うんだけど、見つからないの。

私には、向こうの世界の森林公園に行って、
迷いの森に向かって呼べば、
いつでも出てくるって言ってたけどね。
私も最近あってないな。


a3

その時、居間の向こうで物音がした。


a4

黒猫がポットの上に飛び乗って、
モモコに話しかけている。

モモコさん。
魔術劇場の建物が見つかると、
大変だよ。


a5

モモコは仕方なく、
急いで帰ることにしたのだった。

また会おうねーと、
ジェーンが言っている。


a6

モモコはさっそくお土産を広げて
ハリーに報告している。


a7

薄い煙と共にマリアが現れた。

面白そうだったので、
ついてっちゃった(^ ^)
お土産ありがとう。
これ食べてみたかったの。


a8

ふむ。甘くて香ばしい。
クリーム抜きの
エクレアのような味だね。
と言っている。


a9

ハリーさん、私、
ジェーンに会えてすごく楽しかったけど、
いつも行ったり来たりはできないの?

本当はモモコさんの夢見る力次第なのですよ。
でもそれぞれの世界には
それぞれの時間が流れていて、
そこに外部から入り込むという冒険です。
何が起きるかまではわからない。

「夢食い」に出会うかもってこと?

それも一つの可能性です。
戻れなくなる人もいます。

実は私の一族にも、
遠い昔、迷いの森から、
この世界にやってきたという伝承があります。
それが本当なら面白いですが。
と言ってハリーは楽しそうに笑った。


解説)
あっという間の小旅行でした。
Posted at 20:54 in n/a | WriteBacks (0) | Edit
WriteBacks
TrackBack ping me at
http://www.haizara.net/~shimirin/blog/kirita/blosxom.cgi/20220516205326.trackback
Post a comment

writeback message: Ready to post a comment.