Haizara-Cho::Suigara-yama 99[Shinsuke Kirita]

ジルの別荘で　そのさん

別荘の前は俄然にぎやかになった。




どうしてもあなたたち、
ついてきちゃうのね。




そばにいないとなんか不安なんです。
とヨシフが言っている。
まあ私はいいけど。




鮮やかな紫色。
これ何の花かしら。
図鑑で見たけどわからないんです。
メーカーに問い合わせればわかるかも。




あなたがあの不死身のイリヤさん、
ですか。お噂は。
よくご存知ですね。
でももう昔のことですよ。
あ、車が入って来ましたよ。




車から降りてきたのは、
別荘の持ち主のジルとギルダだった。




近くまでドライブに来たので、
ちょっとお寄りしてみようという話になって。
随分と賑やかですね。

おかげで快適に過ごさせてもらっているよ。
訳あって妻や娘のそばにいたがる連中がいてね。
それはそうと、君たちレンタカーで来たんだろう。




ええ、車はドルフィンで借りるしかないので。




さっき君たちが来るような気がして、
思いついたんだが、
ちょっと試したいことがあるんだ。
ヴィヴィアンと私がオープンカーで
後からついていくから、これから、
ジャンさんの家まで案内してくれないか？

それはお安い御用ですが。
とジルは言った。


解説）
微妙に進んでいます。

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