Sep 29, 2022

コスプレの人々 そのなな

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文学青年たちが話していると
サラが散歩にやってきた。

こんにちわ。
やあ。こちらは。
ウラジミールと言います。
私はサラ。サラサラのサラです。


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サラはウラジミールから事情を聴いた。
広場にちょっと問題のある人物がいて、
直接顔を合わせたくないから、
見物に行けないというのね。
だったら、コスプレしていけばいいのよ。
私がメイクしてあげる。


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サラはウィッグやコスプレ専用道具一式を持ってくると、
ウラジミールの顔を造形し始めた。
あれよあれよという間に出来上がり、
仕上げに筆で肌の色を塗り上げている。


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サラは手鏡をかざした。
こんなんでどうかしら。
これは。


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とても私とは思えない。


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サラが作ったのは
ゾンビの顔だった。


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服装はだらしなく、歩く時も
よたよたしてくださいね。
うん。ありがとう。


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ウラジミールは広場に向かっていった。
あれ誰の顔に似せたの?
随分前に亡くなったマイケルよ。

ふーん。ところで、
サラさんはコンテストに参加しないの?
私はやめとくわ。
この本預かってほしいって言われたから、
読んでみる。読書の秋だし。
ルルさんは?
私も。水やりもあるし。
ここにいて、来る人見てるだけで充分。


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広場では政府のSPがボスの周辺を
警戒していた。
お、変なのがきたな。


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おお素晴らしい。
いつも楽しませてもらっていますよ。
死んでから生き返るというのは
どんな感じなんですか。

その人コスプレだって。
と、ゴリラの扮装の人は思っている。



解説)
使用したゾンビ顔のフィギアヘッドは、
ホットトイズの
「マイケル・ジャクソン」(2009年発売)の
スペアヘッドです。
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