Haizara-Cho::Suigara-yama 99[Shinsuke Kirita]

二人の帰還

仮想世界では、マヤたちが、
クリスマスツリーを眺めていた。




ドロレスは、
私のお母さんの住んでいた町の
クリスマスのこと覚えてる？
ああ。広場を飾り付けて毎年賑やかだったよ。
今でもやってるんじゃないかしら。




こんなツリー見てると、
私も人間だった頃を思い出すわ。
とミトラが言った。




ドロレスは町のことを
思い出しているうちに
眠ってしまった。




バーボンハウスでは、
ツナとイリスと舞子が、
相変わらず転送装置の
改良作業に没頭していた。




うん、やっとできたね。
これでうまくいくはず。
最初に誰が使ってみる？
私は。




ガレージではレイチェルが
ベッドに寝転んでいた。

レイチェル、珍しいね。
アンドロイドには睡眠必要ないのに。
と、ソーダに言われている。




なんとなくね。
さっきツリーのイルミネーション見てたら、
過去の世界のこと思い出しちゃって。

ああ。元の世界に帰るんだね。
待ってるから、またおいでよ。




その頃、探偵事務所では。

あら。仮想現実体験装置の
信号が点灯してるわよ。




レイチェルとドロレスは、
微妙に手足を動かしている。
二人は目覚めつつあるのだった。




お帰りなさい。
と言われている。



解説）
タイミングよく、
というか、都合よく
話が進行していくようです。

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