Feb 21, 2026
春節の広場 そのご

サラたちはマンゴー亭で
話し込んでいる。

ジャンさん。
あなたは庭にジオラマの村を作るほどの
フィギアマニアなんでしょう。
その村に配置していたフィギアたちに
精霊が宿って異世界で暮らし始めた。
そのきっかけはなんだったの?
とシモーヌが尋ねた。

話せば長いんですよ。
僕はあの郊外のバービーハウスを、
美術品のコレクターだったマンスフィールドさんから
購入したんです。
家には人形の保管用の倉庫が付いていたんで、
それが魅力だったんです。
その倉庫にはリリスという人形が置いてあって、
マンスフィールドさんから、リリスは
倉庫の主だから大事にするようにと言われました。
それが購入の条件だったんです。
後で知ったんですが、その人形に精霊が宿っていたんです。
ある日、たまきとベーカリーで知り合って、
僕が庭にジオラマの村を作っていることを知った、
たまきたちが、家に遊びにきて、
倉庫で休憩していた時、フィギアの兵士たちが乱入してきました。
倉庫のドアが、突然異世界と繋がるようになったんです。
やがて異世界からリリスが現れて、
その異世界はリリスの力だけでなく、
その土地の持つ力や、フィギアたちの思いや、
もちろん僕の願いなど、いろんな事情が重なって
生まれたというようなことを教えてくれました。

なるほど。
魔族が魔法で生み出した世界じゃなかったっていうことね。
その家の前の持ち主のマンスフィールドさんは?
彼女なら大抵広場のベーカリーにいますよ。
コンテストの審査員をされているんです。
町の市街地に近い場所に大きな倉庫を持っていて、
今でも美術品のコレクターとしても活躍されています。
ご紹介しましょうか。
ええぜひ。

3人は広場のベーカリーに向かった。
マンスフィールドさん。
あら、ジャン。
お揃いで何かしら。
ご紹介したい方が。
こちらシモーヌさん。
骨董品の売買をされています。
シモーヌです。どうぞよろしく。
ところで突然不躾なお願いで恐縮ですが、
マンスフィールドさんは美術品を蒐集されていて、
大きな倉庫をお持ちとか。
仕事柄とても興味があるんです。
拝見させていただけないでしょうか。

もちろん歓迎するわ。
倉庫の一部は、美術館のように一般にも開放しているの。
でもここからだと、
車で行かないとちょっと遠いわね。
シモーヌは、その言葉に何か思い当たったようで、
もしかして、フクロウのコレクションをお持ちですか?
と尋ねた。
フクロウの置物なら、結構あるかな。
やっぱり。じゃあ早速伺います。

ドルフィンの建物の中に入ると、
シモーヌは壁に向かって呪文を唱えた。
すると薄い煙がたちのぼり、鏡の扉が現れた。
またなんでもありなのね。
と言われている。

シモーヌが扉を抜けると、
そこはマンスフィールドさんの倉庫の
中だった。
やっぱりここだったわ。
と言っている。

棚にはフクロウの置物のコレクションが
並んでいる。

カラフルなフクロウの置物がある。
おや、君は新入りね。
それに精霊が宿っている。
君も自由になって、常春の国に行きたい?
解説)
続きます。
Jan 21, 2026
馬の話 そのに

サラはジャンたちにシモーヌを紹介して、
一緒に肉まんを食べることにした。
シモーヌが骨董品の売買をしているというので、
フィギアの話題で盛り上がっている。
このお馬さん、1/6のスケールで、
けっこう精密に出来てるのね。
兵士のフィギアとセットで売られているのも
あるんですよ。

そういえばマークさんは、
フィギアの兵士の精霊なんでしょう。
以前にいたフィギアの世界には軍馬もいたの?
ほとんど覚えていないですが、
戦場だったので、当然いたと思いますよ。

この馬はちょっと歩き出しそうな
ポーズをしているのね。
それは骨董のオークションで手に入れたものです。
かなり年季が入ってますが、
微妙なポーズが面白いでしょう。
あら。この馬のフィギアには、
精霊が宿っているわ。
とシモーヌが言った。

え、やっぱりそうなんですか。
とジャンが言った。
普段、倉庫の陳列棚に置いてあるんですが、
時々移動してることがあったんです。
僕のコレクションしている兵士のフィギアには、
そういう精霊を宿したのが多くて、
彼らは異世界の村で暮らしていましたが、
色々な出来事の末に、
ハリーさんやヴィヴィアンさんが
魔法でサイズを変えてくれて、
今では、何人かはこちらの世界に移住して、
人間と同じように郊外で暮らしています。
ジョー軍曹やエルザや、
ギルダやロンメル将軍たちね。
とサラが言った。
僕も住む世界は違いますが、
別世界から来たフィギアの精霊らしくて、
彼らと同じ身の上のようです。
今でもどうも釈然としませんが。
とマークが言った。

この馬は、以前乗り手と一緒にいたらしい。
またその人を乗せて走りたいって言ってるわ。
シモーヌさんは魔族で、
これまで沢山のフィギアや置物に宿った
精霊たちを見つけては、
別世界を作ってそこに送って
自由にしてあげているの。
私その常春の国に遊びに行ったから知ってる。
とサラが言った。
そーなんですか。
だったら、ぜひその馬の願いを叶えてあげてください。
他の兵士フィギアの精霊たちも喜ぶでしょう。
とジャンが言った。
なにか始まるのかな。
とレイとアンナが興味津々で立ち聞きしている。

ここでやっちゃうの?
善は急げでしょ。
シモーヌさんも、
ヴィヴィアンと同じようなことをいうのね。

シモーヌが呪文を唱えると、
薄い煙がたちのぼり、
広場に忽然と馬が現れた。

ベーカリーから
佳奈やルビーや舞が何事が起きたかと
やってきた。
今、煙の中から出てきたよね。
魔法なんでしょ。

ありがとうございます。
私はエドワードと言います。
エドと呼んでください。
と馬は話した。

う~まがしゃべる。
そ~んなパカな🎵
と大道芸人が歌っている。
古すぎる歌ね。
聞かなかったことにしよう。
とサラは思っている。
解説)
続きます。