Jul 02, 2026
ケントを案内する

トロンはサラたちが来たので喜んでいる。

ここはいつも雪景色ね。
私たち、ケントさんを案内してるのよ。

へー、ケントさんの新聞社で
マルテの本を出版するんですか。
僕も読みたいなあ。
トロンは文字が読めるの?
とサラが尋ねた。
もちろん読めますよ。
子供のみる夢の中で、
絵本を読んでほしいって
せがまれることもあるんです。

シモーヌは鏡の扉に向かって
呪文を唱えている。
次はどこに向かうの?
フミコたちのいる、
みすずの家が安心安全だけど、
どうせなら変わった景色の場所に。
とシモーヌが言った。

三人が抜けてきたのは、
砂漠の中の家の屋内だった。
セリーヌとラルゴが、
ちょっと驚いている。
ようこそ。
ツナとナディアは出かけてるけど、
すぐ戻ると思うわ。
とセリーヌが言った。

三人はテラスで
お茶をご馳走になっている。
この前はご苦労様。
あなたは負傷したでしょう。
傷の具合はどう?
すっかりよくなったわ。
フミコさんの回復魔法で。
ああいうのはヒーラーっていうのかしら。
あの人は攻撃魔法も得意だし、
なんでもできるみたいね。
太古の魔族はちょっと違う。

立ち上がって周囲の風景を眺めていた
ケントが声を上げた。
バイクが走ってきましたよ。
ああ、あれは、ツナとナディアですよ。
砂漠の巡回から戻ってきたんでしょう。
とラルゴが言った。
あの二人相変わらず元気なのね。

ラルゴは早速、車庫に降りて行って、
戻ってきた二人に声をかけている。
ふーん。
サラとシモーヌに、
ケントっていう人?

二人は2階のテラスに行った。
おかえり。
サラたちがきてるわよ。
ケントさんは、
ここに来たの初めてだって。
と、セリーヌが言った。
現実世界からの人間のお客様か。
サラやシモーヌと一緒だってことは、
何かわけがあるんでしょうけど、
ここには砂漠しかないわよ。
とツナが言った。
それで十分。
白銀の世界から砂漠の世界へ、
っていう変化が面白いでしょ。
それはもう。
とケントが言った。
解説)続きます。
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