Aug 22, 2026

泉に潜る

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遺跡の泉で、
たまきたちは思い思いに
過ごしていた。


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さっきの虹を出現させた魔法は?

あれは魔術の書に呪文が書いてあったんです。
景色を変えるのって楽しいですね。

魔族の人って、
その応用で異世界も作っちゃうのね。

私にはとてもできません。
その人に備わった夢見る力が必要なんです。

シモーヌは、そうやって
常春の国を作ったんでしょ。
この世界だって、
シモーヌのお婆さまが。

そういうことみたいですけど、
魔族の私にも信じがたいパワーです。


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レイはトマソンの特訓をしていた。

随分上手になったわ。
今度は手助けなしでやってみて。

はい。


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トマソンは懸命に
足をばたつかせている。

いい感じよ。


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アンナは素潜りを楽しんでいた。


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泉の底で、
アンモナイトが腕にしがみついてきた。

あら何かしら。

こんにちわ。

あなた言葉が話せるの?

はい。突然ですが、
昨夜、花火を打ち上げた人に
あわせていただけませんか。
お礼が言いたいんです。

い、いいわよ。


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アンナはアンモナイトを
腕に乗せたまま急浮上した。


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あっちの岸辺にいるのよ。


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みんな興味津々で集まっている。

昨夜の花火は綺麗でした。
お礼を言いにきたんです。

お礼なんて。
私はまだ魔法を覚えたばかりで、
実験させてもらっていただけなんですよ。

実はこの島は夢見る貝の精霊たちの故郷。
この時期には、亡くなった精霊たちの魂が
戻ってくるんです。

なんだかお盆みたいな話ですね。
魔族の故郷だったって聞きましたが。

それはその通りです。でも、
魔族が移り住む前から貝たちの島だったんですよ。
大昔のことですが、そのことを知っていた魔族は、
この時期に祝祭の日を決めて、
昨夜のように花火の幻影で夜空を彩ったのです。

なんとなんと。

私は古い言い伝えで聞いているだけですが、
この島に帰ってきた貝の精霊の魂たちは、
また魔族が戻ってきて昔のように祝福してくれたと、
すごく喜んでいたんです。
それで代表して私がお礼に参りました。

それはわざわざご丁寧に。
と黒木は戸惑いながら言った。


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アンモナイトが泉に帰っていった後、
黒木喜六とたまきが話している。

ハリーが魔術劇場を移転したのも、
黒木さんが魔術の花火の練習をしたのも
みんな偶然みたいだったけど、
意味があったのね。

いやいや、誰かの
思いつきなんでしょうよ。



解説)
続きます。
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