Feb 12, 2026

みすずの家で

a1

水浴びしてるよ。
大丈夫かなあ。
とヤッピーたちが噂している。


a2

サラとシモーヌは
おやつを食べていた。


a3

おやつを食べたら、
なんだか私眠くなっちゃった。
とサラが言った。

ふーん。
そういえば、サラとはエクレア号で出会ってから、
ほとんど一緒に行動してるけど、寝てないわね。

エクレア号にマーレが来た夜に、
海賊船に泊まって以来ずっと寝てない。
船から町に戻ってきたと思ったら、
馬のフィギアのエドの件で常春の国に行ったり、
アフリカに行ってピピの件で宇宙船に乗ったり、
色々あったけど全然寝てない。

鏡の扉を頻繁に使うと、
疲れたり時間の感覚もおかしくなるのよ。
特に普通の人間はね。
寝室に行って本格的に休む?

それほどでもないわ。
今寝たら、
晩御飯寝過ごしちゃいそうだし。


a4

サラたちは
フミコがミミコの世話をしている部屋に行った。

ここは爽やかな風が吹き込むから、
気持ちよさそう。

そこ座ってもいい?

もちろんよ。
お茶でも飲む?


a5

マルテが湖でタコ泳ぎしてるわよ。

そんな泳法あったっけ。

あ、あれはタコ踊りか。


a6

サラは疲れが溜まっていたのか、
あっという間に寝てしまった。


a7

やがて
マルテとみすずが
湖畔の散歩から戻ってきた。

泳ぎがお上手なんですね。

手足がたくさんあるので。

あれ、
サラは?

寝ちゃった。


a8

そよ風を受けながら、
サラは眠っている。


a9

パラサウロロプスの子供が
覗き込んでいる。



解説)
続きます。
Posted at 19:46 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Feb 11, 2026

湖畔の散歩

a1

サラたちはみすずの家にやってきた。
マルテはさっそく湖を眺めている。

あら、珍しい姿のお客様ね。
とフミコが言っている。


a2

応接間にみんなが集まった。

私の名はマルテ。
夢の中で暮らせる世界を探していたところ、
シモーヌに常春の国に送ってもらえました。

マルテさんは夢食いなの?

よく聞かれませすが、
元はあなたたちが火星と呼ぶ星の住人です。
遥か昔に精神的な進化を遂げた代償に、
現実世界では長時間存在できなくなり、
あなたたちが夢食いと呼ぶような存在と
類似した生き方をしていますが、
異世界由来の夢食いではありません。

元は惑星で生まれた生物で、
人間や魔族やタコと同じなのね。

違いますが同じです。


a3

恐竜が見たいというマルテを
みすずが湖畔に案内することになった。


a4

ヤミーやヤッピーと出会った。

湖畔巡りですか。
今日はプラキオサウルスが来てますよ。
といわれている。


a5

二人が岸辺に沿って歩いて行くと、
プラキオサウルスに出会った。


a6

二人が近づいていくと、
プラキオサウルスは
水辺を離れていった。

このへんの草食恐竜は、
最近私たちに慣れてきて、
棲み分けしてくれてるみたいなの。
とみすずが言っている。


a7

さらに岸辺を回っていくと、
漁をしているスピノサウルスを見かけた。


a8

二人の姿に気がついた
スピノサウルスたちは
立ち去って行った。

礼儀正しい連中ですね。

あなたが怖いのかも。


a9

マルテは湖に入っていく。

まるでタコ見たいね。
といわれている。



解説)
続きます。
Posted at 19:43 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Feb 10, 2026

雪の日

b1

ジェニーたちの部屋で
たまきたちが話している。

雪が降ってる。

夜中に降り積もったみたいね。


b2

年に一度か二度の雪景色ね。


b3

探偵事務所でも。

雪が降るなんて珍しいね。


b4

冬らしくていいんじゃない。


b5

喫茶ペンギンでも。

昨日は冷え込むと思っていたら、
やっぱり雪になったのね。


b6

雪景色は暖かい部屋から
見るのが一番。

雪見酒したいなあ。


b7

サラたちの部屋でも。

雪だね。

薄着で出かけたサラはどうしているかなあ。

きっとあったかい世界で
快適に過ごしているわよ。


b8

サラは
トロンの小屋でくしゃみをしていた。

誰か私の噂をしたのかしら。


b9

さてシモーヌ、これからどうしましょう。

マルテも住処が決まって、
新しい世界に馴染めそうだし、
一件落着ね。
ホテル・ナジャに行って、
ハリー夫妻に報告するか、
常春の国に行って、
城のフクロウたちにマルテを紹介するか、
物語の分岐点のようで迷うわね。

どっちでもあまり変わらないと思う。
とサラが言っている。


b10

この鏡の扉は、
去年の6月にアイスとヴィヴィアンとセリーヌが来た時、
アイスがいつでもみすずさんの家に行けるように、
設置してくれたんです。
とトロンが言っている。

そこはどんなところ?

この忘れられた夢の世界の中央にある森林地域よ。
恐竜たちが棲息している。

行ってみたいな。
とマルテが言った。

それは構わないけど、
マルテは一人きりの暮らしが好きなんじゃないの?

恐竜を見てみたいんです。
遥か昔、地球で恐竜が栄えたのは、
私たちの文明が最盛期の頃でした。

もう何億年も前のことよ。

マルテが突然現れたらみすずたちが驚くから、
私たちも一緒に行きましょう。

思いつきみたいだけど、
これで話の行き先が決まったわね。



解説)
先日の日曜日、珍しく雪が降ったので、
常設セットの窓から見える雪景色を撮影しました。
Posted at 20:10 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Feb 09, 2026

マルテ そのご

a1

ところでマルテ、あなたは大昔に、
隣の星に住んでいた連中の生き残りだって、
レプティリアンのシベールから聞いたんだけど。

そうですか。

隣の星って、火星のことでしょう。

そうです。遥か昔のことです。
隕石が衝突し、気候が大変動して文明は滅びました。
夢の世界で生きられるすべを覚えていたものたちだけが、
極地の地下の氷の中で生き残ったのです。
それから長い時が過ぎ、
レプティリアンたちが探索にやってきたのです。
でも彼らの目的は隣の青い水の惑星、地球でした。
接触はあったものの、
砂漠と化していた惑星に関心を失った彼らは、
いくつかの補給基地を残して地球に去っていった。
私たちがそう仕向けたこともあったんですが。

古代に地球に来たレプティリアンたちが、
人類、特に魔族と共存していたっていう話は、
フミコから聞いたことがあるわ。
それ以前の出来事なのね。


a2

あら、ここには壁があるみたい。
前に進めない。

見えないだけで、ここは洞窟の中なんです。
雪で塞がれているという
向こうの入り口に行ってましょう。


a3

3人はどんどん
洞窟の奥に進んで行った。


a4

雪の壁に突き当たると、
マルテは目から怪光線を発して雪を溶かした。
すると洞窟の出入り口を塞いでいた雪が溶けて、
雪塊が音を立てて崩れ、
3人は忘れられた夢の世界に出るとことができた。


a5

サラ。
という声がする。

トロン!

谷川に水を飲みに来ていたら、
大きな音がしたので様子を見に来てみたんです。
アイスさんと二人で、
せっかく塞いだのにまた開けちゃったんですか。

ちょっと事情が変わったみたいでね。
そう言って、サラは、
トロンをシモーヌとマルテに紹介した。


a6

トロンは夢食いなの。
子供のみる夢だけに出没するらしいのよ。

姿もおもちゃみたいで
一見幼児用玩具の精霊みたいね。
とシモーヌが言った。

それが違うんですよ。


a7

3人はトロンに小屋に来ないかと
誘われたので、ついていくことにした。

このあたりは
忘れられた夢の世界の中でも
最西端の辺境で、住人も恐竜も滅多に来ない。
一人暮らしには最適なんです。


a8

やがてトロンの住む小屋に到着した。


a9

快適そうなお部屋ね。

そうなんですよ。
水しかないですがどうぞ。

あ、これお水なのね。



解説)
続きます。
Posted at 19:57 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Feb 08, 2026

マルテ そのよん

a1

マルテさーん。
随分探したのよ。


a2

マルテでいいですよ。
森の中に出現して
あちこちを観察していたんです。


a3

ここは山紫水明の世界ですね。
気に入りました。

ここには私が送り込んだ
主にフィギアの精霊たちが
暮らしているの。
住み着いた夢食いもいる。
あなたが来たことは
みんなに知らせておくから
出会ったら挨拶してね。

あまり交流はしたくないんですが。


a4

シモーヌは、
ちょっと考えているようだったが、
やがて口を開いた。

マルテは寒さは大丈夫?

前の世界では氷に閉じ込められていた
こともありましたから、
全然平気ですよ。

だったら。
いい住処があるわ。


a5

3人はセコイアの根元で眠っていた
オオトカゲに出会った。

こちらはマルテ。
新しい住人だから
仲良くしてね。

最近は馬とかタコとか
賑やかになってきましたね。
どうぞよろしく。
とトカゲは言った。


a6

この辺りは雪が積もっていますね。

常春の国と言ってもそれは平野や森や湖のある中央部分。
雪を被った周辺の山々は世界の境界になっているの。

ここ登るんですか。


a7

3人は雪山に登って行った。

ここに洞窟があるの。
トンネルになっていて、
忘れられた夢の世界に抜けることができるけど、
今は向こう側の入り口は雪で塞がれている。
普段はフクロウたちが、たまに吹雪の際の避難所に
使っているみたいだけど、
あなたの住処にどうかなと思って。


a8

なるほど。
住み心地が良さそうですね。

トンネルを抜けて、
忘られた夢の世界に行きたければ、
それも構わない。
ただし、向こうの世界には
すでに夢食いたちが暮らしていて、
恐竜も生息しているのよ。


a9

ここ改造してもいいですか。

どうぞご自由に。


a10

マルテが呪文のようなものを唱えると、
周辺がホワイトアウト状態になった。

これってピピの夢の中と同じ。
とサラが言った。

ピピの夢もそうやって変えていたのね。

変えたのは洞窟の中だけです。
私には、この状態が落ち着くんですよ。
天国にいるみたいで。



解説)
続きます。
Posted at 19:33 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Feb 07, 2026

マルテ そのさん

a1

オウル様はお昼寝中で、
ディアナ様はエドさんと
お花畑にお出かけです。

新しくこの世界に来てるはずなんだけど、
マルテっていう
タコみたいな生物のこと知らない?

存じませんです。
私はいつもお城におりますので。
みんなを集めて聞いてみましょうか。

それには及ばないわ。


a2

二人は城を出て
マルテを探してみることにした。

いつも巡回パトロールをしてる、
アーキスに聞けばわかるかも。


a3

アーキスは、庭園の中の
カエルの彫像を栖にしている。

見なかったなあ。
タコみたいな姿なんだな。
探してみるよ。

新しい住人なんだから、
仲良くしてね。


a4

この世界、結構広いから
きっとどこかにいるんでしょうね。

野原の方にいってみましょう。


a5

カマキリに聞いても
知らなかった。


a6

私たち平原をずっと駆け回っていたけど、
誰もみなかったわよ。
と言われている。


a7

森の中に入っていたら
見つけるのは大変そうね。

やっぱりフクロウたちに
集まってもらって
目撃者を探したほうがいいかなあ。


a8

二人は湖のほとりまでやってきた。

あ、あそこに。


a9

大きな石の上にポツンと立っている、
マルテの姿が見えた。



解説)
続きます。
Posted at 19:48 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Feb 06, 2026

マルテ そのに

a1

3人は鏡の扉を抜けて、
ピピの見ていた夢の中から
宇宙ステーションに戻ってきた。


a2

シモーヌたちは夢の中で起きた出来事を
みんなに説明している。

タコのような姿の生命体。
それがピピの夢の世界に侵入して、
いつか誰かがそこにやってくるのを期待して、
ピピを長時間眠らせていたというわけね。

住んでいた世界を失って、
ピピの夢の中に緊急避難したんだって言っていたわ。
それにしては、あまり困っているようにも
見えなかったけど。
住みやすい場所を知らないかっていうので、
とりあえず、精霊たちの住む常春の世界に送ってあげたの。

随分大胆な決断だね。
そのマルテという生命体は、信頼できるのかな。
彼の素性は何もわからないんだろう。
とハリーがいった。

そこは私の直感です。
住みやすい場所を知らないかって言われた時、
常春の国のことが思い浮かんだの。
確かにマルテのことは
まだ何も知らないに等しいけど、
常春の国に送ればうまくいくような気がした。
変な言い方ですが、
常春の国がマルテを招いているような感じです。
私はこういう直感を大事にしてます。
とシモーヌが言った。

わかる気がするわ。
そういう感覚は魔族の特性なのかもしれないわね。
とカーミラが言った。

とにもかくにも原因が究明されて、
昏睡状態からピピが目覚めたのは、喜ばしいこと。
シモーヌさんの活躍に感謝するわ。
皆さん、どうぞゆっくりしていってください。
とメイズが言った。


a3

一行は宇宙ステーションの中にある
バー・エデンに案内された。


a4

あの人、すごいパワーを持っているんですね。

シモーヌのことね。
彼女は昨年の11月にハリーを訪ねてきて
知り合ったので、まだよく知らないの。
あのパワーには私も驚いたわ。

彼女の祖母も相当な魔力の持ち主だったそうだ。
その血を受け継いでいるようだな。
シモーヌはパリでアンティークの店を経営してるそうで、
しっかり人間社会にも溶け込んでいる。
いつも遊び回っているヴィヴィアンとが大違いだな。

ヴィヴィアンだって、
バー・デジャや、ホテル・ナジャを経営してるわよ。

そういえばそうだが、
実務はイリヤやマリアに任せきりだろう。
それはともかく、
パワーという意味では、ヴィヴィアンもすごいよ。
あいつだったらどんな対応をしたかな。

あんまり想像したくないわね。

そうなんですね。


a5

シモーヌとサラも、
ピピとダックにお礼の歓待を受けていた。

目を覚ましてもらった上に、
こんなにチョコもらえるなんて
嬉しいなあ。
あ、ラッカスって知ってますか。

何それ?

今年の1月に新発売された
チョコなんですよ。
ラミーとバッカスを組み合わせた
洋酒チョコなんです。

細かいことに詳しいのね。


a6

やがて地球に戻る前に、
一同はメイズに挨拶しにいった。

もうご存知かもしれないけれど、
この宇宙ステーションには、
地球オタクの宇宙人たちが乗船していて、
ここから円盤を飛ばせて、
地球観光をしたり地球を観察しているの。
宇宙連合の規約として、一応
地球の住人との直接的なコンタクトは
禁止されているけれど、特例措置もあり、
アフリカのホテル・ナジャは例外。
今回は非常事態ということで、
そういう経緯で知り合えた、
魔族の皆さんの力を借りられたわけです。
今後ともどうぞよろしくね。
とメイズが言った。


a7

サラとシモーヌは帰りがけに通路で
レプティリアンのシベールと出会った。

やあサラ、
随分面白いショーを見せてもらったよ。

シベール。
あ、こちらは。

シモーヌさんだね。よろしくな。
船内はどこもモニタリングされてるんだ。
あのタコのような宇宙人のこと
教えてやろうか。

あ、ええ、お願い。

あれは隣の星に大昔住んでいた連中の
生き残りだよ。

え、そうなの。

これから会いにいくんだろう。

ええ。
流石に気になるから。

おれはこれから
おやつを食べにいくんだ。
またな。


a8

一行は転送装置で
アフリカに帰ってきた。

さっきのトカゲ頭の宇宙人は?
とシモーヌが尋ねている。

大昔から地球に来ていた宇宙人で、
レプティリアンって呼ばれてる。
特にシベールは魔族のパワーに関心を持ってるから、
用心したほうがいいかも。
とサラが言った。

色々複雑なのね。
ともかくハリー夫妻にご挨拶してから、
常春の国に向かいましょう。


a9

二人は鏡の扉を抜けて
常春の国にやってきた。

おお。シモーヌ様、
それにサラさん。
とミネルバが言っている。



解説)
続きます。
Posted at 19:37 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Feb 05, 2026

マルテ

a1

世界は真っ白な状態になった。
ピピは眠っているようだ。


a2

サラはポケットから、持っていた
チョコレートを取り出して、
ピピの鼻先にかざしてみた。


a3

ピピは飛び起きた。
いい匂い。
と言っている。

あれ、ここは?

ここはあなたの夢の中よ。
夢の中でも寝てたみたいだけど。


a4

3人はとりあえず前方に歩いてみた。
方角も遠近感も全く掴めない。


a5

これは本当に僕の夢の中なの?

これじゃ、起きてから
何も思い出せないのも無理ないわね。

僕たちは夢って滅多に見ないんだ。
それに、こんな夢初めて。

あら、あそこの
タコのようなものは何?


a6

タコのようなものは
そろそろと近づいてきた。

やはり来ましたね。
君たちは、夢食いですか。
それとも宇宙ステーションの乗員かな。
おや、ピピも目覚めているのか。

夢食いでも乗員でもないわ。
この人は魔族のシモーヌ、
私はサラサラのサラよ。

地球人でしたか。
なるほど魔族が鏡の扉を使ったのか。

あなたこそ、夢食いなんでしょう。
ピピの夢の中に入り込んで
何をしているの?


a7

私の名はマルテ。
確かに夢食いと同じように
ピピの夢に入り込んではいるが、
これは臨時の緊急避難なんだ。
私たちの住んでいた世界は、
失われてしまってね。
安住の地を探している。

それはお気の毒だけど、
ここはピピの夢の中でしょう。
ピピはずっと眠っているのよ。

夢を持続することが大事だったのだよ。
持続する夢にはやがて夢くいが来るだろう。
あるいは君たちのように、
異変に気がついて様子を見に来るものがいる。
宇宙ステーションには、
宇宙連合に加盟している様々な惑星から来た
地球オタクの宇宙人が乗っているから、
誰か夢に入り込める能力を持った宇宙人が、
来ると思っていたんだが、
船に乗っていないはずの
地球の人間や魔族が来るとは意外だったよ。

それで、来たけど、どうするつもりなの。

こうして話してるじゃないか。
どこか住みやすい世界を知らないか?

その言い方、
とても緊急避難で助けを求めてるように
見えないけど。


a8

しばらく考えてシモーヌが言った。

わかったわ。
あなたの住みたい世界には何か条件があるの?

持続可能で平和な世界がいいな。

こんなに真っ白な、
手抜き画像のような世界がお望みなの?

それも手軽でいいな。
あ、今のは冗談だよ。
ただしこの宇宙を構成する現実世界はだめなんだ。
私たちは進化した結果、
もう夢のような異世界でないと、
長時間は体がもたない。
風邪もひきやすいし。

わかったわ。
あなたを常春の国に送ってあげます。
とシモーヌはいうと呪文を唱えた。


a9

なんと薄い煙がたちのぼり、
マルテの体は煙に紛れて消えていった。

シモーヌ。
あの人送っちゃって大丈夫なの?

話していて害意はないことが
感じ取れたの。
まだわからないことは多いけど、
とりあえず、みんな心配してるだろうから
急いで帰りましょう。


a10

シモーヌが呪文を唱えると、
鏡の扉が現れた。

ちょっと安易すぎる展開じゃない?

この世界、
ちょっと気に入ったなあ。
なんだか天国に続いているようで。
こんな夢、また見られるかなあ。
とピピが言っている。

あなたが望めばね。
とシモーヌが言った。



解説)
続きます。
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Feb 04, 2026

ピピの夢へ

a1

みんなはメイズのいるフロアに行き、
事態の報告をしている。

もうチョコレートの匂いに、
慣れてしまったのね。

でも一度普通に目覚めて話せたのなら、
意識に精神的な障害は起きていないっていうことね。

見ていた夢を覚えていないということは、
夢の中で特に劇的なことがなかったということかしら。

夢の記憶が封印されて、
夢を思い出せなくなっているのかもしれませんよ。

などと口々に話している。


a2

ピピは、夢を見たことを覚えていないって言ってたけど、
ピピがずっと睡眠中に夢を見ていて、その夢の中に、
外部からの侵入者がいるっていうのは確かなんですか。
とサラが尋ねた。

それは睡眠中のピピの頭脳の活動を調べてわかったのよ。
夢の内容まではわからないけれど、夢を見ている領域に、
正体不明な生命体の存在を示す反応もあったの。


a3

メイズは立ち上がって言った。
今まで留保してたけど、
そろそろ宇宙連合の本部に報告すべきかな。

報告するとどうなるんですか。
とカーミラが尋ねた。

たぶん本部から調査団が来るでしょうね。
その結果によっては、内密に、事故という名目で、
ピピを破棄するように言われるかもしれない。

破棄するって、消しちゃうんですか。

未知の生命体との接触では、
何が起きるかわからないからね。
いろんな意味での感染が脅威なの。
ピピは親善大使だから、無害とわかれば
眠ったまま母星に搬送されると思うけど、
問題が見つかれば、
その星全体を危険に晒すことになるから。

同じ論法でいえば、
この宇宙ステーション自体も
隔離や破棄の対象になりかねないですね。
感染の危険を回避するには。
とハリーが言った。

それって宇宙連合に
攻撃されるってことですか。

やっぱり
報告はやめておこうかしら。
とメイズが言った。


a4

ちょっと私、
試してみたいことがあるんですけど。
とシモーヌが言った。

なんでしょう?

さっき、目覚めたピピと話している時、
彼は私に夢のことを聞かれて、
「夢ですか。よく覚えていないなあ。
ベッドに寝ている感触はあって、
起きなくちゃって思いながら、
まあいいかなって。」
って言ったんですが、
その時、ピピが脳裏に浮かべたイメージを、
のぞいて見たんです。

さすが、精霊発見のプロね。
とカーミラが言った。

それって、夢うつつ状態の記憶でしょう。
ぼんやりと意識があるっていう。

はい、そのイメージの世界に行ければ、
夢の世界に入り込めるかもしれない。

そんなことできるの?


a5

シモーヌが呪文を唱えると、
薄い煙がたちのぼり、
会話した時、ピピが思い浮かべたイメージが
窓にスクリーンのように浮かび上がった。


a6

シモーヌはさらに呪文を唱えた。
すると鏡の扉が中空に浮かび上がって現れた。

魔法って、
なんでもありなのね。

視覚的な記憶の手がかりがあればなんとかなるんです。
ちょっと様子を見てきます。
と言ってシモーヌはドアを開けて鏡の扉に。
サラも咄嗟に寄り添うように続いて扉を抜けていった。


a7

ここはもう夢の中なの?

夢うつつの心象風景ね。
まどろみのような浅い意識の状態。
じきに。


a8

周囲の物象が霞み始めた。


a9

ホワイトアウト状態になっていく。



解説)
続きます。
Posted at 20:04 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Feb 03, 2026

チョコを運ぶ

a1

ヘルミーネは、レイとアンナに
お祝いされている。

優勝おめでとう。
これで私たちと一緒。

広場にいる人はみんな優勝する感じですね。

コンテストの新しい参加者がいないと、
審査が難航して、
最後はいつもルビーが決めてるみたい。
その時、目についた人を選んでるのよ。

マンネリ化してるけど、
みんな毎月チョコがもらえるのを
楽しみにしてるから、
やめるわけにいかないのね。

よくあることですね。


a2

サラはルビーに会いに行った。

あ、サラ、
これから恒例のコンテストの参加賞の
チョコレートの掴み取りが
始まるところよ。

ちょうどよかった。
チョコが必要なの。


a3

サラは特別に最初にチョコの掴み取りを
させてもらっている。


a4

時は迅速に流れ、
サラは急いでチョコをゲットすると、
鏡の扉を抜けて宇宙ステーションに戻ってきた。


a5

サラがピピのいる部屋に着くと、
ピピはまだすやすや眠っていた。


a6

ダックがさっそくチョコレートの
包装紙を剥がして、
ピピの鼻に近づけている。


a7

なんとピピが目覚めて
飛び起きた。

なんていい匂い。
と言っている。


a8

あれ、みんなどうしたの?
ハリー夫妻やサラもいるね。

あなたはずっと眠っていたのよ。
それであなたを起こすために、
みんなこの宇宙ステーションに来てくれたの。
とカコが言った。

そうだったんですか。
今日は何日ですか。

今日は2月3日で節分、明日はもう立春よ。

そんなに。


a9

あなたには初めてお目にかかりますね。

私は魔族のシモーヌと言います。
サラやハリー夫妻のお友達よ。
ピピさん。あなたは、
ずっと夢を見ていたでしょう。
その夢のこと覚えている?

夢ですか。
よく覚えていないなあ。
ベッドに寝ているっていう感触はあって
起きなくちゃって思いながら、
まあいいかって。
突然、チョコレートの
すごくいい匂いがして目が覚めたんです。
あ、また眠くなってきた。


a10

そう言い終わるとピピは
眠り込んでしまい、
再びチョコレートの匂いを嗅がせても
目覚める様子はなかった。



解説)
続きます。
Posted at 20:45 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Feb 02, 2026

メイズの話と優勝者の発表

a1

みなさん、ようこそ
宇宙ステーションへ。
私は艦長のメイズ、
横にいるのは副官のオニールです。


a2

カコは、ハリーの呪文でも
ピピが目覚めない現状をメイズに告げた。

やはりピピの見る夢は、
人間のみる夢とは異質なのね。
そもそもピピは夢をみる生命体だったのかどうか。
地球観光にこの宇宙ステーションに来てから、
夢というものを見るようになったのかもしれないの。


a3

私たち魔族の中には、夢とは異なる、
異世界を生み出すことのできる者もいます。
夢や異世界には夢食いと呼ばれるものが侵入して
住み込むことがありますが、
その種類と作用は実に様々なので、
悪いことが起きているとも一概にはいえない。
何か夢の物語が進行していて、
一段落つけば自然に目覚めることもありますよ。
とハリーが言った。

そう期待していたんだけど、
かなり長い間眠っているから心配なのよ。
宇宙には様々な生命体がいて、
言葉でなく、直接夢や意識に働きかけてくるものもいる。
それはあなたたちのいう夢食いとは多分別種ね。
この船には定期的に食料や物資が運ばれてくるから
その貨物船に潜んでいた生命体が、
このステーションに潜入した可能性もあるの。
まだ同じ症状のものはいないけれど。

もし病気みたいに感染したら、
乗員がみんな眠ってしまうということですね。


a4

私はピピとは結構仲良しだったんです。
去年のハロウィーンには、
バッグの中に入れて、広場を見物させてあげたくらい。
ピピはチョコレートが大好物だった。
とサラが言った。

ピピのチョコレート好きは有名ね。
最初に地球に来た時、
チョコレートを盗もうとして
人間に追われたという話をいつもしていたわ。
とカコが言った。

それって使えるかもしれない。
とシモーヌが言った。

どういうこと?

ピピにチョコレートの匂いを嗅がせるのよ。
そんなに大好物だったのなら、
気付け薬になるかもしれない。


a5

みんなまさかの思いつきだとは思いながら、
試してみることで意見が一致した。

本当は宇宙連合の本部の
了承を得ないといけないんだけど、
今回は緊急事態なので、
私の責任で許可します。
とメイズが言った。

確かに宇宙船の中に鏡の扉を作るなんてね。

レプティリアンたちの作った転送装置はあるけど、
行けるのはアフリカの奥地なので、
チョコレートを入手するには時間がかかる。
広場のドルフィンの倉庫にはストックがあるはずだから、
私がすぐに取ってきます。
とサラが言った。


a6

ハリーが呪文を唱えると、
薄い煙がたちのぼり、鏡の扉が現れた。

ドアは開けておくからね。
とハリーが言った。


a7

サラは、バー・デジャの店内の奥の壁に
常設されていた鏡の扉に抜けてきた。


a8

広場では、ちょうど、
月初めのコスプレコンテストの
優勝者の発表が終わり、
万雷の拍手と歓声の中、
優勝したヘルミーネが、
トロフィを授与されているところだった。


a9

驚きの受賞です。
とヘルミーネが言っている。

あなたはいつも広場にいるし、
その農作業スタイルがついに評価されたのよ。

コスプレコンテストなのに、
すごい評価基準ですね。



解説)
続きます。
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Feb 01, 2026

宇宙ステーションで

a1

サラたち一行は
宇宙ステーションに乗船した。


a2

船内の通路を通っっていく。


a3

地球は青かったのね。

そのセリフは古すぎるだろう。


a4

到着した部屋のベッドには、
銀色の小さな宇宙人ピピが眠っていた。


a5

ハリーは呪文を唱えて、
想念を送っている。
しかし変化はないようだ。

私も普段から器物に宿る精霊の声を
聞き取ることをしていますが、
何も反応がないわ。
深く眠り込んでいるみたい。
とシモーヌが言った。


a6

しばらくして、ダックがやってきた。

みなさん、
艦長がお目にかかりたいと
おっしゃっています。
艦長は別のフロアにおいでです。


a7

一行はまた通路を案内されている。


a8

途中でエレナとルースに出会った。

サラ。この前はお寿司をごちそうさま。
ローラは元気にしてる?

私もあれから会ってないけど、
多分まだミラたちの家にいるはずよ。
とサラが答えた。

そちらは魔族のシモーヌさんね。
どうぞよろしく。

あ、こちらこそ。
どうして私の名前を?

あなたたちが来たことは
ダックが教えてくれたの。


a9

広いフロアに到着すると、
艦長のメイズたちが現れた。



解説)
続きます。
Posted at 19:31 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Jan 31, 2026

ホテルでの会話

b1

ハリーさん、お部屋に
お荷物を運んでおきました。
とシーザーが言っている。

ありがとう。
じゃあ、部屋で話そう。


b2

ハリー夫妻は
いつも利用している部屋に向かっている。

よかったら、あなたたちも
一緒に来てくれない?
とカコが言った。

いいですけど。

夢や夢食いのことに詳しそうだから、
色々情報が欲しいのよ。


b3

カコはハリーに、宇宙ステーションの中で、
宇宙人のピピが夢見る昏睡状態になってしまい、
その夢に夢食いらしき侵入者が
入り込んだらしいというようなことを話している。

ふむ。
その夢の世界が人間が見る夢や
魔族が作った異世界と同じだと考えれば、
夢食いが入り込むのは珍しいことじゃないな。
ただ夢食いというのは総称で、いろんなタイプがいる。
その上、そのピピというのは、
どこかの惑星で生まれた宇宙人なんだろう。
そういう生物の頭脳の中の夢の世界がどうなっているのかは、
ちょっと見当がつかないなあ。

宇宙ステーションには、
宇宙連合に加入している惑星の
多種多様な宇宙人たちが乗船しているんでしょう。
それぞれが高度な文明を発展させているはず。
それでも対処法が見つからないの?
とサラが言った。


b4

そこがかえって問題なのよ。
それぞれが異なる惑星の文明圏から来ているし、
お互いのことを全てわかり合っているわけでもない。
弱点を知られてしまうと大問題になりかねないからね。
ピピは私と同じように親善大使という身分で乗船しているの。
彼が目覚めなければ、いずれは昏睡状態のまま
母星に搬送されることになると思うけど、
そうなると政治問題になるかもしれない。
そういうトラブルを利用したがる勢力もいるのよ。

何処も同じ秋の夕暮れね。

何それ。


b5

さっきハリーが、
夢食いにはいろんな種類があるって言ったでしょう。
夢の世界を独占しようとするものもいれば、
夢の世界を外敵から守ろうとするものもいる。
ひっそりと夢に棲みついて暮らしたがるものもいれば、
気ままにいろんな夢を渡り歩くのが好きなものもいる。
例えば、メルティっていう女の子の夢には、
今では百猫の王って呼ばれる夢食いが棲みついていて、
その子のみる夢の世界を守っているの。
だからそのピピっていう宇宙人の夢に入って来たのが、
どんな種類の夢食いなのかによって、
状況は全然変わってくる。
とカーミラが言った。

お前随分詳しいな。
とハリーが言った。

あなたと一緒にいれば詳しくはなるわよ。
とカーミラが言った。

興味深いお話ね。
そう言えば、さっき食堂で、
サラは、大勢、夢食いの知り合いがいるって
言いかけてたわね。
とカコが言った。

ええ。今カーミラさんが言ってた
百猫の王シュレディンガーとも友達だし、
芸術家の夢に取り憑くサルバドールとも友達。
いつまでも消えない夢の世界に住む、
みすずやシノやシビルやセリーヌ、
カエル王女とも友達よ。


b6

だったら、そのうちの誰かに
ピピの見ている夢の世界に行って、
様子を見てきて欲しいって頼めないかしら。
とカコが言った。

夢に入り込むのは、
夢食いといえども、そう簡単じゃないんですよ。
とハリーが言った。

大抵は何かのきっかけが必要なんです。
そのきっかけは偶然のように見える場合もあるけれど、
時には夢見る人の無意識の欲求や、
夢食いを引き寄せる原因になるような出来事が必要です。
言ってみれば縁ですね。
もちろん夢食い自身のパワーや意思や願望も必要です。
それらが重なった時、通路のようなものが生じて、
夢食いはその世界に行くことができるらしい。
夢の世界は普通、夢を見ている人の無意識の
防御壁に守られているわけです。
さっきカーミラが例に出したメルティの場合には、
病気だった彼女はピピと同じように昏睡状態で、
ずっと覚めない同じ夢を見続けていました。
その一人きりの世界から彼女は逃れたがっていた。
ある時、その強い思いを私が受け取ったのです。
そこで初めて彼女と交信できるようになり、
夢の世界の様子を聞くことによって、
とうとう彼女の夢に通じる鏡の扉を作るのに成功しました。

なるほど。この星の魔族は
鏡の扉をそんなふうにも使うことができるのね。
お二人の交信って、
テレパシーでのやり取りみたいなものに思えるけど。
そういうことが可能な宇宙人なら結構いるわ。
ハリーさん、みなさん。
これからステーションに来て下さらないかしら。

もちろんいいですよ。
お役に立てるかどうかわかりませんが。


b7

一行は裏の広場にある
転送装置に向かった。

こんなに大勢で
押しかけて大丈夫なの?

サラはこの前の寿司パーティで
みんなと顔見知りだし、
ハリー夫妻はこんなことがなくても、
ステーションにお招きしたかったところ。
シモーヌさんは魔族の人だし、
装置がデータを検索してすぐに許可が出るわよ。


b8

サラが空に吸い込まれるように
空中を登っていく。

あれ、気持ちいいのかな。
一度やってみたかったの。

私もなんだ。


b9

宇宙ステーションについたサラは、
ダックに挨拶されている。

ああ、サラさん。
ピピが眠ったままに。



解説)
続きます。
Posted at 19:58 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Jan 30, 2026

ホテルへ

a1

二人はホテルの入り口で
チンパンジーのリンリンに出会った。

サラさんこんにちわ。
お泊まりですか。


a2

まだ決めてないのよ。
セリーヌさん、どうしましょう。

そうねえ、予定はないけど、
思いつきで来ただけだから。

とりあえずホテルの食堂で
お茶でも飲みましょう。


a3

受付にはいつも通り
フンボルトがいて、
いらっしゃいませと挨拶している。

ロビーに行けば
裏の広場が見渡せるわよ。


a4

二人がロビーに行くと、
先客がいた。

あ、あの人はカコ。


a5

サラたちに気がついたカコは
さっそく手を挙げて、
歩み寄ってきた。

サラ。
この前はどうもありがとう。
おかげさまで、ステーションでの、
寿司パーティは大盛況だったわ。

カコさんに、お土産にいただいた
甲殻類の卵も
広場のみんなに好評だったわよ。
とサラが言った。


a6

サラはカコにシモーヌを
紹介した。

ふーん。魔族の人か。
私はハリーさんと会う約束で
ホテルに来たんだけど、
まだ到着してないみたい。
あ、時間があるなら、
お茶でも飲まない?


a7

3人はホテルの食堂で
コーヒーを飲むことにした。

実はね。
ステーションで問題が起きて。
あ、宇宙ステーションのことは、
シモーヌさんはご存じなの?

このホテルを介して、人間と、
宇宙人と交流があるということは
サラさんから聞きました。
普通の人みたいに見えますけど、
カコさんも宇宙人なんですか。

そうよ。
町で見かけてもわからないくらい
人間そっくりでしょ。


a8

それで問題って?
とサラが尋ねた。

ピピが寝込んじゃったのよ。
昏睡状態なんだけど、検査の結果、
ずっと夢を見ているらしいことがわかったの。

ピピって、あの小さな銀色の宇宙人ね。
目が覚めない原因は分かったの?

どうもね。
どこか外部から原因になる生命体が
ピピの夢に侵入したらしいの。

それって夢食いじゃないですか。
とシモーヌが言った。

あなたたちはそう呼んでるらしいわね。
私も夢食いのことは
ハリーさんから聞いていたので似てるって思ったわ。
そのことを艦長のメイズたちに話したら、
ハリーさんに相談しようということにって。

夢食いの知り合いなら、
大勢いるわよ。
とサラが言った。

え、
夢食いは夢の中だけにしか存在しないんでしょう。

そうでもないんですよ。
と話を聞いていたシモーヌが言った。
人間のみる夢の世界と、魔族が生み出す異世界は、
よく似ていて、夢食いはどちらにも出現します。
それに通路があれば、夢食いたちは、
この現実世界とも行き来できます。
現実世界と言っても、
人間が共同で見ている夢みたいなものですから。
古来、妖怪とか幽霊と呼ばれるものの類は
夢食いの場合もあるんです。
ただ、ちょっとややこしいですが、
この現実世界の物象から生成される精霊とは微妙に違います。
精霊たちはその起源をその存在する世界に持っています。
夢食いは別の世界からもたらされたもの。

別の世界って?

その世界のことは私にもよくわかりません。
そこも特殊な異世界であることは確かだと思うんですが。


a9

その時、リンリンがやってきた。

カコさん、
ハリーご夫妻がおいでになりましたよ。


a10

ロビーに行くと、ハリーたちがいた。

カコさん、待たせてすまなかったね。
おや、君たちも一緒なのか。

偶然ここでさっき出会ったんです。
コート着てるんですね。
暑くないですか。
とサラが言った。

向こうは冷え込んでてね。
散歩中に約束を思い出して、
急いできたんだよ。



解説)
続きます。
Posted at 19:57 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Jan 29, 2026

村での会話

a1

3人は集落のメインストリートを
歩いている。

マークは、アマンダを見かけて、
挨拶している。

あの人は?

村でハウスキーパーをしてくれている
アマンダさん。
住民が何日も家を空ける時、
頼むと留守番してくれるのよ。


a2

ここは豹変亭っていうレストラン。
向こうにいるのは
経営者のローズとアンドレアよ。
歩いてお腹も空いたから
一休みして行かない?


a3

サラは、すごく詳しいのね。

実はね。フラハの家の近くに
魔法生物たちのやっているホテルがあるの。
昨年のお正月にそこに泊まった時、
ホテルで知り合った宇宙人たちと、
この村を歩き回ったのよ。
このお店にもその時に来たことがあるの。

給仕をしにきた
アンドレアがそばで話を聞いている。


a4

宇宙人ですって?
知り合いが多いのね。

ホテルのことはあまり知られていないんですよ。
村外れのフラハの家の、
そのまた奥の広場に立地しています。
僕も詳しくは知らないんですが。

きっと私の方が詳しいわね。
その広場には転送装置があって、
その装置を使って宇宙人たちが地球観光に来るの。
ホテルはほぼ彼らの御用達になっている。
あまり評判になると問題だから、
招待される人間はほぼホテルの関係者だけね。

サラはよく招待されたわね。

だってホテルの経営者は
マリアっっていう魔族の女性なんだけど、
実質的な経営者はヴィヴィアンですもの。

あの人、そんなこともやってるの。

ハリーさんたちも夫妻でよく利用してるのよ。
今も逗留しているかもしれない。
興味あるなら案内するわよ。

ちょっとこの村のことを説明しますと、
村には先住民はあまりいなくて、
住民はジャングルで遭難してたどり着いた人や、
事情があって都会から逃れてきた人が多いです。
ほぼ1日かけて行ける場所に古代遺跡があって、
遺跡調査にきた人たちも住み着いている。
最近では宇宙人たちも時々見物に来ますが、
そういう外来の人たちばかりなので、
特にトラブルはないですね。
住民はみんな知り合いなので
よろしければ紹介しますよ。
とマークが言った。


a5

うーん。
ストーリーの分岐点見たいね。
ホテルに行くか、村を見て回って
村の人を紹介してもらうか。
どっちにしようかなあ。

どっちでもあんまり
変わらないと思うわよ。


a6

結局、シモーヌは
ホテルに行ってみることを選んだ。

じゃあ僕は、これから家に帰って、
庭の雑草の手入れをします。
またお会いできるのを楽しみに。
とマークは言った。


a7

3人が立ち去った後、
ローズとアンドレアが話している。

一年前にホテルができて、
宇宙人みたいな変わった風体の人が結構
来るようになったけど、
やっぱり広場に転送装置があるんだってさ。

地球征服がダメなら、
宇宙征服ね。

それって順番が逆じゃない?


a8

二人は元きた道を引き返し、
村外れのフラハの家の前を素通りして、
さらにジャングルに分け入って。


a9

ホテル・ナジャの入り口にたどり着いた。

随分瀟洒な建物ね。

あれは従業員用の宿舎。
ホテルはあの奥にあるの。
と言っている。



解説)
続きます。
Posted at 20:00 in n/a | WriteBacks (0) | Edit
February 2026
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