Mar 28, 2026
春の雨 そのに

雨はなかなかやまなかった。

子供達も、
マンゴー亭で雨宿りしている。

大道芸人たちが話している。
このロボット人形は
言葉が話せるのか。
ピピは
チョコください。
と言っている。

ルイは小池恵子に
濡れた髪を拭いてもらっている。
次僕だよ。

ハリー夫妻はデジャに
避難していた。
危うく
びしょ濡れになるところだったわ。
それは危うかったですね。

ジョンはカーミラに
席を譲っている。
さすが英国紳士ね。
ハリーは同席した男性に
声をかけられた。

もしかして、
魔術劇場を主催されている
ハリー原さんでしょうか。
いかにも、
私がハリーです。
劇場は休業状態ですが、
どちらさまかな。
これは申し遅れました。
私は黒木というものです。
魔術劇場のある広場の噂を聞いて、
観光で来たんですが、
劇場は郊外に移転されたと聞いて
がっかりしていたところです。
ほう。
魔術に興味がおありかな。

はい。がっかりしていたところ、
春節の龍の舞では、
すごいものを見せていただきました。

今年はシモーヌが、
作り物の龍を操ったそうね。
私たちは来たばかりで見ていないの。
とカーミラが言った。
ああ、こちらは妻のカーミラだよ。
立っているのは友人のジョンだ。
それはどうも
どうぞお見知りおきを。

やはりあの方とお知り合いでしたか。
実は私、魔術に興味を持って調べているうちに、
この世界には、普通の人々とは別に、
特殊な能力を持つ種族が
いるんじゃないかと思い至ったんです。
シモーヌさんは美術品の売買をされていますが、
骨董品の真贋を見抜く能力は業界では有名。
不思議な力を持っていると言われています。
あなたのお仕事は調査員か何かなの?
私の本業は貴金属の売買です。
個人的な興味ですよ。
実は私自身もそんな種族の一人じゃないかと、
考えていましてね。
この探究は自分自身のルーツを探る
旅路でもあるんです。
ロマンチックなのね。
その種族のことを、
私たちは普通に魔族って呼んでるわ。
解説)
続きます。
Feb 28, 2026
二月の終わり

広場の歌声は絶えない。
今日は風があるので、
早春譜がぴったりね。

屋台では男性が
餃子を追加注文していた。
春節はこれですなあ。

ローラはドルフィンの倉庫から
小池恵子が選んできた
スラックスを身につけた。
どうかな?
ゆったりしてて
動きやすそうよ。

ローラ。
餃子が。
あ、今戻ります。

その頃、久々の
ジェニー達の家では。

マンゴー亭からアンナが
デリバリーで餃子を届けにきていた。

やっぱり春節は餃子ね。

龍の舞がすごかったって
新聞に書いてあるよ。
今年は中止だって聞いてたけど、
広場に行けばよかったなあ。
どうせすごく混んでたんでしょう。
そうみたい。
人波の上で舞ってたらしい。

喫茶ペンギン前では。
マリーネが、今年の春節は
3月3日までだから、そろそろ餃子を
食べましょうって言ってるわ。
私広場に注文しに行ってくる。
とはるなが言った。
今月も今日で終わり。
もう3月で明日はコンテストの発表ね。
明日行けばいいことがあるかも。
私もそんな気がする。
解説)
続きます。
Jan 28, 2026
マークの村へ

シモーヌは、
バルコニーに続く部屋に
案内している。
あら素敵なお部屋ね。
隣はディアナの部屋よ。
元々ディアナのために作ったお城だから、
私の部屋はなかったんだけど、
昨年来たときフクロウたちが私のために、
用意してくれたの。

世界を作ってくれた創造主の到来だから、
よほど嬉しかったのね。
私は仕事もあるし、
精霊たちには自分たちの力で生きてほしいし、
ここで暮らすつもりはないんだけど。
仕事ってアンティークの売買の仕事ね。
それと骨董品に宿ってる精霊を見つけて、
自由にしてあげるっていう。

マークさんは、これからどうするの。
そろそろ村に帰ろうかなと思います。
去年ハロウィーン前に家を出て以来、
ずっと帰ってないんですよ。
マークさんは一人で
アフリカの密林を開墾したのよ。
そこが今では小さな集落になって、
マークの村って呼ばれてる。
とサラが言った。
そうだ。私たちも一緒に行かない?
その村には魔族の人が一人住んでるの。
シモーヌさんに紹介したいわ。

3人はマークの村に行くことにした。
平原から帰ってきたディアナたちと話している。
ディアナはエドがこの国に慣れるまで、
しばらくこの国にいると言った。
ウマが合ったのね。
とサラが言った。

サラはアイスに教えてもらった呪文を唱え、
3人は鏡の扉を抜けて、あっという間に
アフリカのフラハの家にやってきた。
おお、珍しいな。
それにマーク、久しぶりの帰郷じゃないか。

こちらはシモーヌさん。魔族の方です。
そちらはフラハさんよ。やはり魔族の人よ。
フラハさん、
お名前はハリーさんから伺っています。
ケントさんというお兄様がいらっしゃるという方ですね。
どうぞよろしく。
ふむ。ハリーはそんな話もしたのか。
まあ今や絶滅危惧種と言われる魔族の仲間と
知り合えるのは嬉しいな。
それでシモーヌさんは普段は何をされているのかな。
フランスにお店を持っていて、
骨董品の売買で生計を立てています。
もっとも、店は店員に任せて、
世界中を気ままに旅しながら
骨董品の買い付けをしてるんです。
なるほど、骨董の鑑定には魔力が活かせるか。
普通に人間社会に溶け込むと、
魔力を生かす機会は滅多にないからな。
魔族でも魔法を使うのをやめて、
私の兄みたいに新聞記者になるものもいる。
まずます絶滅に近づくというわけだよ。

マークの案内で、
3人は村を散歩することにした。
サラはフラハに挨拶している。
フラハの家は村外れで、
村までちょっとあるんですよ。
さすがに買い付けにアフリカの奥地まで
来たことはなかったから興味深いわ。
村には民芸品なんかもあるの?
先住民にとっては、
開拓者が作った新興の村なんで、
たまに住みつく者もいますが、
伝統的な民芸品というものは特にないんです。

3人はジャングルに分け入っていく。
フラハさんはどうして村外れに?
彼は人間の世界に馴染めなくて、
アフリカに来たと言ってました。
彼はこの土地を先住の部族の長から譲り受けたんです。
僕がここを開墾して住むことができたのも
彼のおかげなんですよ。

やがて
まばらに民家が見えてきた。
村に到着しましたよ。
解説)
続きます。