Jul 29, 2026

魔術劇場での会話

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随分シンプルなデザインのお家なんですね。
想像していたよりずっと小さいわ。

屋内はずっと広いんですよ。
この家の中が魔法で生み出された
一つの異空間になっているんです。


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アイスが入り口を開ける
呪文を唱えている。

マーレさん、
中でお茶でもいかがです。

あ、はい。


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一行が扉を抜けると、
魔術劇場の応接間だった。

あら、ハリー。
アフリカのホテルからお戻りですか?
とデュアンが言った。


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うん。この夏は、
ここで過ごそうと思ってる。
こちらはマーレ。
デュアンは魔術劇場の
家事や管理をしてくれているんだ。
何か冷たい飲み物でも。


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冷たい各種ドリンクと
スイカが運ばれてきた。


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ここには、何人くらいの人が住んでいるの?

数えたことないからなあ。
劇場の興行はずっと休んでいて、
私たち夫婦はこのところ、
アフリカのホテル・ナジャに逗留して
ここを留守にしてたし、
娘のヴィヴィアンもいつも外出していている。
それでも十人くらいはいると思うが。


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住んでいるのは、
ハリーの妹さんのジャンヌとその娘さんのマリア。
毎日バー・デジャに出勤している、
元マフィアのジョニー、ヨシフ、イリヤの三人組。
毎日農家の手伝いに出かけるヘルミーネ。
怪盗ゼロ、造形作家のトマソン、それに黒木喜六さん
といった方たちや、
人形の精霊エヴァや、ピエロ人形のパペやセリアなど、
私も含めて常時十人以上は寝泊まりしてますね。
とデュアンが言った。

世界中を巡回興行していた時は、
私と客の呼び込みをしてくれる人形の精霊エヴァ。
異世界で観客の分身になってくれる精霊セリア。
興行で共演してくれるパペの4人だけだったんだが、
4年前に広場に来てから
家族が押しかけてきたりして、随分増えたんだ。
それはそうとデュアン。
さっき魔術劇場を
ジルの別荘の庭から、このマーレさんの暮らしている
絶海の孤島の中に移転したんだよ。
景色がいいから君も散歩してみるといいよ。


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そーでしたか。
普段はあまり劇場の表の出入り口は使わないので、
全然気がつきませんでした。
住人の皆さんにもお伝えしておきます。


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うそう。この魔術劇場の中には、
私たちの私室や客室など沢山の部屋があるんだが、
必要に応じて増やすことができるし、
みんな鏡の扉で別室に移動するんだ。
バー・デジャの屋内に通じる鏡の扉も常設されていて、
普段はその扉を抜けて現実世界と行き来しているんだよ。

ふーん。異空間を繋ぎ合わせたような
魔族ならではの家の仕組みなのね。



解説)
続きます。
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