Oct 16, 2026

封印を解く

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シモーヌとアイラは
冥界から鏡の扉を抜けて、
常春の国に戻っていた。

その空中に浮いてるヤカンは?

大量のお水が入ってるの。


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一行はお城を出て、
フクロウの置物のある庭園に向かっている。

こぼすと大変。


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この中にアスラーダが
封印されているのよ。

まずクモスケを呼ばないと。


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名前を呼ばれて、
目の空洞の中から
クモスケが這い出してきた。

何のご用でしょう?

これからアスラーダの封印を解くの。
あなたにも手伝ってもらえるかしら。

それはそれは。
喜んで。


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クモスケがフクロウの肩に這い出すと、
シモーヌが呪文を唱えた。
すると、薄い煙が立ち上り、
空中に浮いていたヤカンが移動して、
フクロウの置物の目の中に
レテの水を注ぎ始めた。


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しばらくすると、
レテの水は空洞一杯になり、
滝のように溢れ出してきた。

まるで滂沱の涙のようですね。

このお水、絶対に飲まないでね。


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シモーヌが呪文を唱えて
フクロウの置物にかけられていた封印を解いて、
夢くい蜘蛛の繭の中で眠っているアスラーダの体が
運び出された。

クモスケ。
この繭を開いて。

うす。お任せください。

随分厳重なのね。
とアイラが言っている。

それだけ脅威だったのよ。


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繭が開かれると、
なぜか目を見開いたまま眠っている
ずぶ濡れのアスラーダの姿が現れた。

ここからが肝心よ。
深い眠りについている、
アスラーダに起きてもらわないと。
みんな、目を覚ますように願ってちょうだい。

心から願うなんて、
私無理。
とエリーゼが言っている。

あなたには同胞愛がないの?
このアスラーダの素顔は初めて見るけど、
きっと子供の頃の顔だわ。
早く起きなさい。
学校に遅刻しますよ。
とアイラが言っている。


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するとアスラーダが目覚めた。
顔面から子供の頃の顔の面影は消え、
頭蓋骨の顔になっている。

うーん。まだ眠たいんだよ。
あれ。ここはどこ?
僕は誰?

アイラが思いつきの
でまかせに本当のことをおり混ぜて
を話し始めた。

あなたの名前はアスラーダ。
あなたは死んでしまって
死後の世界で蘇ったのよ。
永遠の眠りについていたところを
私たちが幽体として蘇らせてあげたの。
第二の人生だと思って
元気で生きてね。


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そんなことがあったんですね。
みなさん、お世話になりました。
何故何も覚えてないのかな。

前世の記憶は
今を生きるのに邪魔になるのよ。

そうなんですね。
それにしても、あなたは
お美しい方ですね。

アスラーダ。
死後の世界のこと、色々教えてあげるから、
私についてきなさい。
冥界にも美女はたくさんいるわよ。
とアイラが言った。

はい。

かくて、アイラとアスラーダは
冥界に帰って行った。



解説)
続きます。
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