Aug 24, 2026

ランチタイム

a1

パールは質問攻めにあっていた。


a2

宇宙連合のことを知っているのなら、
もしかしてあなたも
どこかの星から来た宇宙人なの?
とアイスが尋ねた。

そうとも言えるけど、
来たのはこの宇宙じゃなくて別の宇宙から。

私が知っていることで言うと、
最初にこの星に来たのはレプティリアンたち。
彼らは古代に魔族と協力関係にあったけれど、
自分たちで内紛を起こして戦争になり、
巻き込まれた魔族の都は滅びでしまった。
その後レプティリアンたちは和睦して、
人類や魔族との交流を断つ方針に変更した。
宇宙連合がこの星の文明を見つけたのは
その後のことだって聞いてるけど。
とアイスが続けた。

私たちはレプティリアンたちが来る前からいたわ。

私たちって?

私とそこにいるトンピリビとか。


a3

そんな話聞いたことがなかった。
確かにトンピリビはこの島に、
私より前から住んでいたような気がする。
でも、そこにいるクックドゥーが、
貝を探しに島に来た時、彼について島から出て行って、
戻ってきた時に、いろいろ報告をしてくれる友達だった。
たしかにトンピリビは物知りだけど、
別の宇宙から来た生き物だったなんて。
とマーレが言った。

本当はね。マーレ、あなたも私たちと関わりがあるのよ。
何も覚えていないのにも理由があるの。
あなたは貝のみる夢の中でこの島を訪れる人々の行動を、
自分の姿を現さずに、全て見通すことができたでしょう。
そう言う力をあなたは持っている。
それにアンモナイトが夢見る太古の世界で
いつも遊んでいるでしょう。
あの夢は、あなたの記憶の再現でもあるのよ。

それって2億年も前のことでしょ。
とサラが驚いていった。


a4

話が大きすぎてついていけないけど、
あなたたちは何のために別の宇宙から来たんですか。
とサラが尋ねた。

それはとても一言では言い表せないけど、
侵略とか征服とかいうことじゃないのよ。

死後の世界とも関係してるんですか。

それはもちろん繋がりがあるわ。
死んじゃっておしまいだと、
寂しいでしょ。


a5

他に質問はないかしら。

管理局のことを伺いたいわ。
管理局は銀河系の様々な惑星文明の
集合体である宇宙連合とは別の組織で、
他の宇宙から来た存在がコントロールしているって、
聞いたことがあるの。あなたたちのお仲間?
とアイスが尋ねた。

それはその通りよ。

それに、管理局が、いろんな惑星文明の初期段階で、
神話や伝承を作る手伝いをしているって
聞いたことがあるわ。
とアイスが言った。

まあそういうこともね。
それも私たちがこの宇宙に来た理由の一つ。

でも管理局の局長クロリスも、
宇宙連合の宇宙ステーションの船長メイズも、
銀河系の惑星出身の同じ有翼の種族でしょ?

いい視点だわ。
彼女たち天使族はこの宇宙での協力者なの。


a6

突然ですが、ランチタイムにしませんか。
さっき缶詰をたくさん開けちゃったんです。
と軍曹がいった。


a7

ランチタイムが始まった。

あのワンド、どこで見つけたの?
とパールがマーレに聞いている。

沈没船の中だって。
タコが沈没船の遺留品を集めていたみたいで、
タコの子供を助けたお礼にって
アイスがタコから貰ってきたの。
私ね。大昔にこの島に魔族の都があった頃、
魔族があのワンドを使って鳥と会話するのを
見たことがあって、
それで、きっとアイスなら使えるんじゃないかって、
思ったわけ。
そしたらやっぱり、アイスが使ったら、
あなたが言葉を話せるようになって。

あのワンドには、クリスタルパールが、
はめ込んであったでしょう。
あのワンドは、私が作ってあげたものなのよ。
私は当時も普段は鳥の姿をしていたけれど、
祝祭の日に魔族のリーダーがワンドを使うと、
私を人間の姿にすることができた。
ワンドは戦時中に失われたんだけど、
沈没船の中にあったのね。


a8

私はまたケツァルコアトルスの姿に戻るわ。
私に用事がある時には、
その貝を笛のように吹いて。
と言って、パールはアイスに、
巻貝を手渡した。

それ、さっき私が海中で拾った貝とそっくりですね。
とサラが言った。

昔の魔族もその貝で私を呼んだの。
あなたも持っているといいわ。
呼んでくれれば、飛んでいくから。

はい。でもそれじゃ混乱しません?

それぞれの貝は音色が違うから大丈夫よ。


a9

パールは翼竜ケツァルコアトルスに変身すると
海上を飛び去っていった。

悪い人じゃないみたいだけど、
やっぱり謎だなあ。

話だと何億年も生きているんでしょう。
全能感あるのに、戦争中に失われたワンドが、
見つかったことに驚いていた。

話すと普通の女の人みたいだったし。
マーレは大昔に
この島にあった魔族の都で
パールの姿を見たことなかったの?

全然気がつかなかった。
魔族のリーダーが祝祭の日に
天幕の中に鳥を呼び入れて
お告げを聞く儀式の風習はあったけど、
相談相手はパールだったのね。



解説)
続きます。
Posted at 19:47 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Jul 24, 2026

島に行く話とサラの工作

a1

ジョー軍曹とエルザは
マンゴー亭に行って
肉まんを食べている。


a2

航海中も、ここの肉まんが
食べたくなって困りました。


a3

なんか入ってるんじゃないですか。
と黒木が言った。

隠し味は夢見の水のはずよ。

それはそうと、
さっき思いついたんだが、
この夏はみんなで
島で過ごすというのはどうだろう。

どういうこと?
アフリカのホテル暮らしも快適よ。
とカーミラが言った。

それはそうなんだが、
魔術劇場のみんなも、
たまには気分転換できていいだろう。
もちろん、先方の承諾が必要だが。

劇場ごと引っ越すつもりなの?


a4

それは楽しいアイデアですね。
島って、マーレの住む島でしょう。
さっそく彼女に話してみます。
とアイスが言った。

私も遊びに行きたいなあ。
とレイが言った。

賑やかになりそうですね。
僕らもエクレア号に戻って、
船長に伝えますよ。
とジョー軍曹が言った。


a5

そのころ、サラたちの部屋では、
サラが工作をしていた。


a6

これでほぼ完成よ。
サイズは、オウルの頭に合わせてみたの。

さすがサラ。
ずいぶん立派な王冠ができたわね。


a7

そこにヴィヴィアンが訪ねてきた。

こんにちわ。
馬のフィギアのエドを見つけて、
常春の国に送ってくれたんだってね。
これから会いにいくつもりなんだけど、
その前にお礼を言いにきたの。
サラたちに会うのも久しぶりだしね。


a8

何作ってるの?

クックドゥーからもらった
クリスタルパールをあしらった王冠よ。
常春の国の王様代理のオウル用に。

ちょうど完成したところなの。
オウルに届けるから、
私もあなたと一緒に常春の国に行くわ。
とシモーヌが言った。


a9

サラはクリスタルパールで
こんなネックレスも作ったんですよ。
とケイが言って、ネックレスを示した。

私のつけているネックレスと比べると、
真珠の大きさが全然違う。
でも私にはちょっと大きすぎる気がする。
誰か似会う人がいないかなって、
話していたところなの。
とメアリーが言った。


a10

ヴィヴィアンはネックレスを
ケイから渡されると身につけてみた。

いい感じね。これいただいてもいい?

もちろん。
クックドゥーも喜ぶわよ。



解説)
続きます。
Posted at 19:42 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Jun 24, 2026

蜘蛛たちの島など

a1

シモーヌとサラは、
クモコとクモスケを連れて
小島の見える場所までやってきた。

あの小島はどうかしら、
あなたたちのために新しい世界を
作ってあげたいけど、
あなた方は侵略的な夢食いでしょう。
それはちょっと無理なの。

あの小島に住んでもいいんですか。


a2

一行は鏡の扉を使って
小島にやってきた。


a3

森に潜んで生き残っていた蜘蛛たちや、
異世界から遅れて引き寄せられてきた
夢食い蜘蛛たちが集まってきた。

ありがとうございます。
ここなら夢の世界と同じです。

小さな島だけど、
海が境界だと思えばいいのよ。
壺中天っていうでしょ。
鏡の扉は消しておくから、
頑張って理想郷を作ってね。


a4

二人は湖の岸辺に戻ってきた。
二人を見つけて飛んできたアーキスと
話している。

なんだと。
あの小島をくれてやったのか。
また侵略してくるかもしれないぞ。

そうしたくなったら、
姿を消して別の夢の世界に行くと思うわ。
ここには、あなたもいるし。

そ、そうだな。
力の差を見せつけてやったからな。


a5

二人はお城に戻った。

賑やかでしたが、
すっかり平穏を取り戻しましたな。


a6

アスラーダを魔法で呪縛して
眠らせたのには驚きました。
とソファにいたユリイカが言った。

彼のことを知ってるの?
とサラが尋ねた。

名前を噂で聞いたことはあります。
幽明界にも色々な世界があって、
アスラーダが住んでいたのは、
僕たちにとっては未知の世界。
彼は行き来することができるから、
エリーゼを探しているという
噂が広まっていたんです。


a7

アスラーダが呼んだ魔神みたいなモンスターも、
そういう世界から来たのかもしれないわね。
攻撃魔法に耐性があるなんて、
あれはたぶん普通の夢食いじゃないわ。
と、シモーヌが言った。

a8

ちょっと気になるなあ。
噂を聞いた幽霊たちに、アスラーダのこと、
もっと詳しく教えてもらえないかしら。
とサラが言った。

仲間は簡単には呼べないんですよ。
それに、呼び出すには、
それなりの場所やきっかけが必要なんです。

幽霊が好みそうな場所ねー。
そうだ。
あそこなら。
とサラが言った。


a9

どこに行くんですか。

シビルの住んでいる島。シビルには、
エリーゼもみすずの家で会ったことがあるでしょ。
彼女は特殊な夢食いなの。

ああ、生前私の夢に入ったことがあるって言ってた。
あの方なら呼べるかもしれないわね。

私たちは留守番してる。
とシノが言った。



解説)
続きます。
Posted at 19:33 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Apr 24, 2026

お花見は続く そのろく

a1

サラも加わって
リリスたちの話は続いていた。

自分が人形に宿っている精霊だと
気がついたのはいつ頃?
とシモーヌが尋ねた。

随分昔のことよ。
ピエロ人形のコレクターがいて、
私もピエロの服を着た人形だったの。
一緒に精霊であることに目覚めた
もう一体の私とよく似た人形がいて、
彼女と二人で色々悪戯したものだから、
持ち主が怖がって手放すことになったの。
私をもらってくれたのが。

マンスフィールドさんなんでしょう。
とサラが言った。

そうなのよ。
マンスフィールドさんは
私を専用の倉庫に保管したんだけど。
そこは人形の家って呼ばれていて、
居心地が良かったから、
彼女が引っ越す時にそこに居残ることにしたの。
この話前にサラにしたっけ?

誰かから聞いたような気がする。
それでマンスフィールドさんから、
倉庫付きのバービーハウスを買った、
ジャンがその倉庫の持ち主になったわけね。

もう一体の精霊の宿った人形は
どうなったの?
とシモーヌが尋ねた。


a2

夜な夜なピエロ人形が騒ぐっていうんで、
呼ばれた超常現象の研究家がいて、
その人に貰われていったわ。
そこで彼女とは離れ離れになったんだけど、
その研究家っていう人が。

ハリーさんだったんでしょ。
とサラが言った。

そうなのよ。
ハリーに貰われた彼女は
エヴァって言うんだけど、
今でも魔術劇場の宣伝とか、
入り口の管理をしてるわ。
広場で再会して驚いた。


a3

エヴァは今でも
ピエロの格好してるのよね。
とサラが言った。

そうなの。
私の着ていたピエロ服は
床下の小人たちに盗まれちゃった。
それはまた別の話だけど。


人間の姿をした精霊が
大勢いるなんて素晴らしいわね。
でもそんなケースばかりじゃない。
私は人形や置物に宿る精霊を見つけたら、
望みを聞いて別世界に送ってあげてるのよ。
とシモーヌが言った。

そうなんですか?
とリリスが言った。

ええ。そこでなら、
人間の姿にならなくても
自由に暮らしていけるから。

ふーん。
私も行って見たいなあ。


a4

さてと。
ピザも食べ終わったし、
うちのビストロに行って一杯やろうか。
ジェット、君たちもくるかい?

郊外には滅多に来ないから、
伺いたいですが、
帰りが遠いですからねー。

良かったら
みんなうちに泊まればいいよ。
普通のバービーハウスだけど、
倉庫のスペースもあるし。
ナタリーも喜ぶと思うよ。
とジャンが言った。


a5

警備隊も帰り支度をしていた。

ルビー歩いて帰るなら
乗っけてこうか。

そうねー。
バギーのドライブは久しぶり。
レイブンやハーレーにも会いたいし
じゃあ警備隊本部まで。


a6

ルビーがバギーに乗り込んで、
バギーはエンジンを始動した。

サラ、先に帰ってるわ。
もっとも、帰りつくのはそっちの方が
早いかもしれないけど。

それどういうジョーク?
とイメルダに言われている。


a7

バギーが去った後、
後片付けをしていると、
公園散歩からケイたちが戻ってきた。


a8

管理人のソローも一緒だった。

途中で出会って、
みなさんを案内してたんです。
人工の滝や遊具コーナー、花壇や
お茶運び人形の像など、
見どころがたくさんですよ。
サラさんたちもいかがです。
とソローが言った。

もうすぐ夕暮れになるし、
また今度にするわ。
夜は公園は閉園になるんでしょう。

一応そういう決まりですが、
申請してもらえれば、
キャンプもできますよ。

いいこと教えてもらったわ。


a9

サラはみんなと相談した結果、
ケイとジェットとメアリーは、
アルとジャンと一緒にビストロに行って、
今晩は近くのジャンの家に泊まることになった。

サラとシモーヌとリリスは、
ジェイソンとお父さんとメメと一緒に
鏡の扉でサラたちの部屋に戻ることにした。
シモーヌがリリスを、精霊の国に
案内すると言う話になったのだ。


a10

サラたちは、
鏡の扉に向かった。

これを使えば、
一瞬の移動なのにね。

これは便利だけど、
魔族だけの秘密。
使いようによっては
悪いことができちゃうからね。
移動したら扉の痕跡も消しておくわ。



解説)
続きます。
Posted at 19:37 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Mar 24, 2026

局長の訪問 そのさん

a1

広場は花曇りから晴れになった。


a2

ベランダに洗濯物を干しに出た舞は、
モモコたちがいるのに気がついた。


a3

広場のテーブル席は満席なので、
ここで休憩しているの。
お邪魔かしら。
とナオミが言った。

いえいえ。


a4

近くで見ると大きいけど、
トマソンの作品、
よくできるわね。
とたまきが言っている。


a5

ダイソーに売ってた気がする。

もっと普通のサイズでしょ。
セリアじゃなかった?


a6

広場からも、
造花の桜をカミーラが見上げていた。

本物の堤防の桜は
まだ蕾かしら。


a7

昨日はまだほとんど蕾でしたよ。
とルビーが言っている。


a8

私たちは堤防の桜が目当てで来たんだが、
こんなイベントをやっていたとは知らなかった。
ところで、ヴィヴィアンは見なかったかい。

みんないないんですよ。
このところ魔族の人も見かけない。
とルビーが言った。


a9

私が把握してるところを言うと、
ヴィヴィアンはアイスと一緒に
クックドゥーの海賊船で航海中です。
フミコは忘れられた夢の世界のみすずの家で、
ミミコの世話をしています。
シモーヌは精霊たちの世界に
ディアナに鹿せんべいをあげるって言って
出かけたまま。
私の知ってる魔族の人たちの消息はそんなところね。
とサラが言った。

一年来ないうちに、
ここの魔族は、いろんな異世界と接触してたのね。
と局長が言った。

管理局はお見通しじゃないんですか。
とルビーが言った。

とんでもない。
そういう細かいことは把握してないのよ。
ミラやバグから報告があれば別だけど。

そうなんでしょうね。
とルビーが言った。


a10

レイは小池恵子と話している。

焼きそばとたこ焼きの売れ行きがイマイチね。

みんなピザ食べてるのよ。
それにお漬物もあるし。
私もきゅうりの浅漬け食べたい。

私も。



解説)
続きます。
Posted at 19:35 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Feb 24, 2026

春節の広場 そのはち

a1

シモーヌは、
作り物の龍の頭に向かって呪文を唱えている。
薄い煙が立ち上った。


a2

龍はゆっくりと頭を上げて
もぞもぞと動き出した。


a3

龍は広場に出てきた。


a4

みんな踊りに夢中で
まだ気がついてないみたい。

頭ごしに動いていくから、
持ち上げているように見えるわね。


a5

あれは龍でしょう。

みんなで踊りながら運んでいるのか。
器用なものだなあ。


a6

なんだこれ。

ジェットが気がついたようだ。


a7

わー龍だよ。
龍の舞が始まったんだ。


a8

龍はお構いなしに
うねうねと踊っている。


a9

ケイ、気がついたのね。

龍の舞は中止じゃなかったんですか。

それが事情が変わったのよ。



解説)
続きます。
Posted at 19:51 in n/a | WriteBacks (0) | Edit
August 2026
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
           
         
Search

Categories
Archives
Syndicate this site (XML)

Powered by
blosxom 2.0
and
modified by
blosxom starter kit

新規投稿