Feb 26, 2026

子供の領分

a1

広場では大道芸人たちの演奏が再開され、
人々は平常に戻って聞き入っている。


a2

「春一番」は名曲ね。
この季節にぴったり。
などと話している。


a3

エトナがドルフィンの2階から、
小さな女の子を連れて降りてきた。

あらかわいい子ね。


a4

その子は、ルイちゃんっていうのよ。
私の遠い親戚の娘さんなんだけど、
両親が不在がちで、よく預かってるの。
と言っても、ほとんどドルフィンの2階で
預かってもらってるんだけど。
とマンスフィールドさんが言った。


a5

子供達が話している。

あなたはドラコにお煎餅あげたり、
話したりしてたわね。
すごいなあ。
あ、私は鈴木すず。

僕は池谷圭。

私はピリカよ。


a6

そこにルイがやってきた。


a7

ルイとピリカは見つめあっている。

あなたは、ルイね。

その声は、
もしかしてピリカ?


a8

やったーと言い合って、
ハイタッチしている。


a9

ルイちゃん、
ピリカと知り合いだったの?

マンスフィールドさんの倉庫で出会ったの。
ピリカは子鹿のフィギアだったのよ。
この前行ったらなくなっていて、
マンスフィールドさんに聞いたら、
シモーヌっていう人にあげたって言ってた。
いなくなって寂しかったの。

それってどういうこと?

私はまだ子供だから、
人形と話ができるの。
とルイが言った。

私はできないよ。
とすずが言った。

僕も。
と圭が言った。

子供にもいろいろあるのよ。
とピリカが言った。

私は子鹿のフィギアに宿っていた精霊。
マンスフィールドさんの倉庫に
置かれていたとき、
ルイが話しかけてくれて、お友達になったの。
それから去年の7月の初め。
倉庫に見学に来たディアナが、
フィギアの中に宿っていた私を見つけて、
マンスフィールドさんから譲り受けたの。
ディアナも鹿のフィギアの精霊だから、
私のことがわかったのね。
それから、ディアナに夢の世界に連れて行ってもらって、
そこに来ていたフミコっていう魔族の人が、
魔法で人間の姿に変身できるようにしてくれたのよ。

おとぎ話みたいだね。



a10

仲良くなった子供達は
鹿せんべいを食べている。
子供なのでなんでも食べるのだった。



解説)
続きます。
Posted at 19:51 in n/a | WriteBacks (0) | Edit

Jan 26, 2026

馬の話 そのろく

a1

サラたちはお城に戻って、
オウルと面会している。


a2

ふむ。君はエドという名前なのか。
この国は魔族のシモーヌ様が
生み出してくださった常春の国。
暮らしているのはフィギアや置物に
宿っていた精霊たちで、
みんな君と同じような身の上だよ。
では早速みんなに紹介しよう。
ミネルバ君。

はい、では広間の方に。


a3

広間にフクロウの置物たちが
集まっていた。
オウルはエドを紹介している。

ここにいるフクロウたちはみんな、
同じ倉庫に並べて置かれているのを、
シモーヌ様が見つけてくださって、
この世界に送られてきたんだが、
それ以前の境遇は様々。
誰かこれまでに
馬のフィギアを見たものはいるかな。

馬のブロンズ像なら見たことがあります。

民芸品のチャグチャグうまっこならあります。


a4

紹介が終わり、
サラたちはお城の一画の
眺めのいい部屋に案内された。

この部屋を自由に使っていいって言われたのね。

みなさん親切ですね。


a5

話していると、
ミネルバがやってきた。

シモーヌ様がいらっしゃいましたよ。


a6

シモーヌはみすずの家から、
ディアナを連れてきていた。


a7

シモーヌは、
ディアナをマークとエドに紹介している。

お二人は姉妹なんですか。
お顔がそっくりですね。
とマークが言っている。

ちょっと訳があってね。
ディアナは鹿のフィギアの精霊なの。
とシモーヌが言った。


a8

エドはシモーヌに
質問されている。

エドさん、あなた、広場で話した時、
また人を乗せて走りたいって言ってたわね。
ということは、以前にも、
精霊としてその姿になったことがあるっていうこと?

はい。そうなんです。
ずっと昔のことなんですが、
私が馬のフィギアとして骨董品のお店で売られていたとき、
フィギアの中に精霊の私が宿っているのを見つけて、
母親にせがんで買ってくれた幼い女の子がいたんです。
その女の子は私に名前をつけて、
牧草地まで運んで行って、この姿に変えてくれて
深夜に、私に乗って一緒に走り回って遊んでくれたんです。

ふーん。そうなの。
それからどうしたの。

やがて女の子は乗馬遊びに飽きちゃって、
私は子供部屋の棚の隅に置かれたままになりました。

よくあるパターンね。
それからどうしたの?

それから随分時間が経って、
女の子は大人になって外出が多くなりました。
ある日突然、彼女が帰ってきて、
その直後に、家具を残して一家は引っ越して行きました。
その家にはその子と母親が暮らしていたんですが、
母子ともども蒸発したみたいに消えて、
その後、残された空き家に盗みに入った盗賊が、
馬のフィギアである私を見つけて盗み出し、
盗品であることを隠してオークションにかけたんです。

それでそのフィギアを落札した
ジャンさんの手に渡ったというわけなんですね。
とマークが言った。

そうなんです。

本当の話なんでしょうけど、
フィギアに精霊が宿っているのを見抜いて、
変身させて遊んだなんて、
そんな呪力を持つ魔族の子供がいたなんて、
ちょっと信じられない。
とシモーヌが言った。

ずっと話を聴いていたサラが言った。
私何となく心当たりがある。
その女の子の名前はヴィヴィアンでしょう。
それでその子のお母さんの名前はカーミラじゃない?

そ、そうです。


a9

え、どうしてわかったの?

幼い頃からそんな魔力を持っていたなんて、
ヴィヴィアン以外考えられない。
飽きっぽいのも彼女の特徴。
それとね。三年前に彼女はロンドンのカジノで
問題を起こして、地元のマフィア組織に追われていたの。
それで、お母さんのカーミラと一緒に、
別居していた魔術劇場のハリーさんのところに、
緊急避難してきたのよ。
そのまま今でも同居してるけど。

追われていたので、家具類を残したまま、
慌ただしく家を出払ったというわけね。

深夜に牧草地で遊んだって言ったでしょう。
彼女には半分ヴァンパイアの血が入っていて、
子供の頃は、日光が苦手だったって聞いたことがある。
その家ってトランシルヴァニアにあったんでしょう。

はい。

やっぱりね。
あ、ヴィヴィアンなら今、
幽霊船のエクレア号に乗ってるはず。
近いうちに再会できるわよ。
ただ、向こうが覚えてるかな?

なんか問題の多そうな人なのね。
でもエドの探してた人が見つかったのは
よかったわ。


a10

エドはディアナと
野原を走りに行くことになった。
フクロウたちが
挨拶している。



解説)続きます。
Posted at 19:30 in n/a | WriteBacks (0) | Edit
February 2026
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
Search

Categories
Archives
Syndicate this site (XML)

Powered by
blosxom 2.0
and
modified by
blosxom starter kit

新規投稿