Oct 25, 2026
ラミーとマーレ

その頃、アイスはラミーを連れて
鏡の扉を抜けて魔術劇場を訪れていた。
ハリーはいるかな?
マーレさんとご一緒に、
島の広場にいらっしゃいます。

ここ、なんとなく覚えているわ。
とラミーが言っている。

二人が遺跡の広場に着くと、
海を見ているハリーとマーレの姿があった。
この島には何もなかったはず。
あまりにも長い歳月の間に
文明の栄枯盛衰があったのね。

ラミーの紹介を済ませて
テーブルで話していると、
デュアンがコーヒーとバナナなどを運んできた。
バナナはこの島の山頂で採れたものです。
どうぞごゆっくり。
あ、ハリーさん、カーミラさんはもう少し
時間がかかると言ってました。
カーミラは何してるの?
とアイスが尋ねた。
ハロウィーンの広場に行くための
身支度です。
ああ、今年もまたコンテストに
参加しようと思って
妻やマーレと出かけるところだったんだよ。

私は魔族がこの島にやってきて
都を作る前からこの島に住んでいるんだけど、
ラミーさんが、はるか昔に
この島に来たことがあるっていうと、
きっとその魔族の都が栄えていた頃ね。
でも思い出せないなあ。
あなたの顔は記憶にないし。
とマーレが言っている。

私も昔すぎてよく覚えていないんだけど、
島には何もなかったから、
それより前のことだと思うわ。
この姿ならどう?
そう言ってラミーは呪文を唱えて
変身した。
ああ、その顔で思い出した。
魔族が島に来るずっと前のことね。
まだ夢見る貝たちしか島にいなかった頃。
私はずっと姿を隠して島を見守る存在だったけれど、
あなたに会った時には、姿を見せたはず。
とマーレが言った。

マーレは立ち上がり変身して
ラミーと向き合っている。
私は気がつくとこの島にいた。
島を訪れたあなたに、そのことを尋ねたのを
思い出したわ。
そうしたらあなたは、自分たちもまた
この世界に追放されたんだって言ったのよ。
とマーレが言った。
私もあなたのそのでんでんむしみたいな
姿を見てあなたのことを思い出したけど、
そんなこと言ったっけ。
昔は父の口癖だったから、
私もいいそうなことだけど。
でも今ならわかる。
あなたは追放されたわけじゃなくて、
この星で私たちとは別の役目を与えられただけよ。
あの頃は、父も私も、
世界中を巡って仲間を探していたの。
マーレという何億年も生きているものが
住んでいる島があるって誰かに聞いてきたのよ。
あなたの姿や身の上を聞いて同じ眷属だと思ったのね。
とラミーが言った。

なんだか二人は知り合いだったみたいですね。
世の中狭いなあ。
世の外からきたものたちの話だよ。

そこにカーミラがやってきた。
お待たせ。
あらアイスが来てたのね。
カーミラさん。
今年もヴァンパイアのコスプレですか。
私はなんでもいいんだけど、
なんでも美女のコスプレになっちゃうの。
ハリーはまたドラキュラね。
ハロウィーンだからなあ。
解説)
続きます。