Oct 02, 2015

スウィートナーの『魔笛』

すっかりご無沙汰してしまいました。ますます過酷さを増してくる日本の、今年の夏をどのように乗切られましたか。 しばらく前からオトマール・スウィートナーの指揮するドレスデン・クロイツ合唱団の『魔笛』をほぼ毎日聴いています。2,3年前に、町田のブック・オフで紫地に緑の文字の紙のケースに惹きつけられ、同時にずっと昔、N響の常任指揮者だった頃のスウィートナーさんの肖像が記憶から浮き上がり、すぐにでも聴いてみたくてたまらなくなりました(スウィートナーさんの初来日時のエピソードをお話したいのですが、改めます)。3枚組みで、もちろんリブレット付です。ここしばらくは3枚目ばかり繰り返して聴いています。いつも思うのですが、モーツァルトという作曲家は終わりがものすごく潔いなーと、どの曲でも聴くたびに思います。おばあさんの枕辺のお話の終わりのような、やさしくてほのぼのとした、それでいて決然とした終りなのです。素っ気無いのではなく、もう充分に楽しんだのだからと、決然と満ち足りた終りなので(ひとつの世界観の終りと)す。私のモーツアルト熱 は曲の終わり方に魅せられたのだと、そして自分の書く作品もこのように終わりたいと、そういう意味では唯一大切な師匠です。(もうひとつ決定的に教わった事があるのですがそれはまた改めて)そして近頃では、この3枚目を聴いて、安心して一日を終えるのです。いくつかのフレーズを翌日は歌って過ごすのですから、満ち足りた日常を与えられ、これからの短い秋の美しさを大切にすごします。
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