Jul 06, 2018

セルクル第11回は7月4日(水)無事終了しました

1時からのイタリア詩は、ディエゴさんが古代ローマの諷刺詩についてA3の大型プリント2枚のテキストを使って熱弁をふるいました。ギリシャに比べて精神的な活動が弱かったローマ人は文学的な分野はすべてギリシャから移植して用いたが、唯一独自に発達させたのが諷刺詩だったとの論旨は極めて新鮮です。社会への切込みを目的としたエピグラム(短詩)形で、人々の日常的な行為をやり玉にあげ、言葉で≪刺す≫ことによって人間の本音を浮き彫りにしている、生き生きとした2000年を経ても古びることのない文学分野として価値があるという論旨です。古代ローマ人の得意分野は戦争と建築だったというまとめ方も納得できるものです。〈br〉 フランス詩はJ-M.モルポワの詩集『青の物語』から3篇を有働が、オリヴィエ・カディオの詩と対比させながらレポートしました。批評的抒情詩リリスム・クリティークを自己の創作の原理とするモルポワに対して、5歳年少のカディオは≪リテラリテ≫と呼ぶ表現主義を主張して対抗しています。カディオと対比すれば、モルポワの詩的断章は古典修正的とも映りますが、実際テキストに向き合うとその文章の見事さにふうっと息をつくような満たされ方をして、抒情詩の捨てがたさに納得を覚えます。カディオもシンプルな言葉使いながら要所にピリッと作者の視線を利かせてそのリズムの心地よさに感服しました。6人の読み手のうち4対2で、モルポワに軍配が上がりました。両詩人とも、もっと読みたいという気持ちを起こさせる優れた書き手であることは十分に納得できました。〈br〉 その前の週の6月30日(土)に朗読会を開きました。今年前半に詩集を発表した4人の70代詩人というくくりで、有働の場合は訳詩集ですが、それぞれの個性が静かに表現できて、大成功の朗読でしたが、詩集そのもののアピールが弱かったという反省があります。詩集以外の作品も数多く混ぜ込んだために、詩人の個性は見えても、新詩集のイメージの立ち上がりが弱かったと思います。1冊の詩集はその場での詩人そのものですから、詩集というくくりをもっと鮮明にしたほうがよかったと思います。≪韻律磁場へ!≫という谷合さん作のタイトルは素晴らしかったと思います。1回では惜しいので、これからもこのフレーズを使った朗読会ができればいいなと思います。
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Jun 06, 2018

セルクル第10回 オールイタリア詩

2018年6月6日(水)第10回セルクルは予定を変更して、オールイタリア詩でした。1時からと3時からのフタコマを30分の中休みをはさんで5時15分前までの長丁場で、イタリア詩の中の難破をテーマにした、古代ギリシャから現代の難民の詩(ボートピープルたち)を歌った1950年生まれの作家エッリ・デ・ルカという初見の詩人の難民をテーマにした8行詩は分かりやすく、ドキュメンタリー風の作品でした。他にホメロス、ヴェルギリウス、ダンテ、レオパルディの難破をテーマにした叙事詩をごく限られた詩行ですが、読むことができました。難破という観念は古代ギリシャと古代ローマでは具体的に海上での遭難を歌い、レオパルディになると象徴的な扱いになり、ダンテはキリスト教的な教訓の意味合いが強く、現代に至ってまた具体的な海上での難民の難破を取り上げています。レオパルディの象徴で、ピークに達し、再び古代に戻っていくような錯覚におそわれました。出席者は金沢、田中、細田、有働、志村、ディエゴ、森の7名でした。
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May 16, 2018

セルクル第8回と第9回を一緒に報告します

第8回4月4日(水)はサルヴァトーレ・クァジモドの「古代の冬」「もう雨が」「歓びの模倣」「すぐに夜がやってくる」の4篇、フランス詩は金沢つとむさんのレポートでジャック・ルーボー「極私的東京案内」抄でした。充実した会でしたが、有働は体調を崩して青息吐息の状態で、ここの報告ができませんでした。
今日は第9回5月16日(水)で、出席者は細田、西宮、ディエゴ、志村、森、渡辺、有働の7名。ディエゴさんのレポートでディーノ・カンパーナの「キメーラ」と「ジェノアの女」の2篇、フランス詩は細田傳造さんのレポートでエリュアールの初期の詩「ちょっとしかめて」(サガンの「悲しみよこんにちわ」の表紙に裏に引用されている詩)を引いての作品生成の事情を福田拓也『エリュアールの自動記述』の読み込みを行いました。
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Mar 08, 2018

セルクル第7回は自作詩朗読とランボー「オフィーリア」でした

3月7日(水)の第7回セルクルは、イタリア詩のディエゴさんが他の仕事に行かれたので、急きょメンバーの自作詩10分間朗読に切り替えました。3時からのフランス詩はスケジュールどおり城野兼一さんがギターで「オフィーリア」を朗読してくださいました。自作詩朗読のほうは、金沢さんのブラウニング「時は春」を下敷きにしてお住まいの周辺の風景を織り込んだ春の匂いのする詩、田中もえぎさんの「くすのき」、これはご両親が生まれたての自分を抱いてくすのきの若葉の下で写っていらっしゃる古い写真を題材にした、ご自分の名前の由来を明かした爽やかな詩、有働の6歳の頃の疎開児童の「女の子のラメント」、志村喜代子さんのかなり激しい「はこ」、西宮順子さんは有働が以前お送りした詩誌から「寝台テーブル」と「彼女のトランク」が読まれました。3時からは城野兼一さんのお待たせ(!)アルチュール・ランボーの16歳のときの詩「オフィーリア」を宇佐美斉訳でギターで朗読。これは逸品でした!この3月に大学院を卒業された城野さんは、この作品にまつわるリサーチもユニークで、訳は中原中也、堀口大学のものも検討したうえで最新訳で読みやすい宇佐美訳を使わせてもらったとのことです。目を見張ったのは、オフィーリアの入水を〈水の流れに任せて〉と読み取ったことで、もっと言えば、詩人ランボーのその後の人生をも予感したものになっているとも思えるという解釈でした。今回は第1部の2連目まで(もっと聴きたかった)で、3部まである比較的長い詩なので、今回を第1回として、さらに曲を創って行ってほしいと、メンバー全員の希望が出されました。
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Feb 08, 2018

セルクル第6回2月7日(水)無事に終了しました

池袋東京芸術劇場5階ルーム2で、1時からエウジェニーオ・モンターレ(1896-1981)の「あらし」と「ウナギ」をマルティーナ・ディエゴさんのレポートで、3時からジャック・プレヴェールの「枯葉」「バルバラ」「わたしはわたしよ」を西宮順子さんのレポートで読みました。ディエゴさんは情熱的な分析と批評でみんなを惹きつけました。ことに「ウナギ」は《ウナギは自分の妹だと思って居ないかい?》と疑問符で終る30行からなるたった一つの文章で構成された、ノーベル賞詩人の実力をまざまざと証明する力作でした。イタリア詩の構成力のダイナミズムに魅せられました。現代のマルチタレントのさきがけと見られるプレヴェールは、平易な日常語のリズミカルな中に、反戦や自由の要求や詩人の良心など、人間としての主要素が隠された無視できない名作です。西宮さんがアカペラで数節を歌ってくださったのが素晴しく心に残りました。皆さんご苦労様でした。次回第7回は3月7日、ディエゴさんが他のお仕事で塞がりますので、イタリア詩の時間をメンバーの自作詩10分朗読会に切り替えます。自作の詩7部コピーを用意してください。
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Jan 05, 2018

2018年のスタートを祝して

まずはセルクルのお知らせから:
1月はお休み。2月7日(水)1時からエウジェニオ・モンターレ「檸檬」「黒い天使」、3時からプレヴェール「枯葉」「バルバラ」を読みます。レポーターはモンターレはマルティーナ・ディエゴさん、テキストは当日プリント配布、プレヴェールは西宮順子さん、テキストは岩波文庫『プレヴェール詩集』、西宮さんはジョセフ・コスマのシャンソン「枯葉」をアカペラで歌います。会場は池袋駅西口東京国際劇場5Fルーム2にて。ぜひご参加ください。連絡はメール:suu210114@gmail.com 又は携帯090-1858-6357の有働まで。

次は訳詩集刊行のお知らせ:
ジャン・ミッシェル・モルポワ『イギリス風の朝』批評的抒情の原点
「リリシズムは主観ではない、リリシズムは本来人間の本質から汲み上げられるものだ、という主張が、長年詩というものにかかわってきた意識になんの障害もなく自然に流れ込んできた」(訳者ノートより)フランス現代詩の批評的抒情主義の旗手が若き日に著した、リリシズムをめぐる思想と詩想の、生命感あふれる断章詩。(『現代詩手帖』2018年1月号広告より)
前訳書『青の物語』で日本詩壇に爽風を送り込み多くの読者を獲得した詩人の、詩的出発点に立つ若書きの詩と詩論のメランジュ版です。

次は有働の今年の抱負:
ようやく詩が書けてきたかな、という手ごたえをちかごろ得ていますので、その微かな灯りを消さぬよう、心して毎日を送りたいと思います。形はごくみじかい、少ない語で世界を掴みたい。というだいそれた望みです。
皆様の日々が楽しいものでありますように~。
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July 2018
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