Nov 10, 2009

ジャック・ロジエの3本の映画

来年1月にロジエの映画をユーロスペースで日本初公開するという企画の試写会を見た。1926年パリ生れのヌーヴェル・バーグの映画監督。と、云えば、まずトリュフォーだが、ロジエの作品は日本には来なかった。それで学生時代にはこの監督の名さえ知らなかった。実に遅まきだが、韓流映画の字幕などを手がけているアウラ社がユーロスペースと組んで、この企画を立てたのには、アウラ社の幾代社長の強い意志がある。解説の山田宏一氏はわれわれの同級生で、要するに、かつて60年代に青春を過ごした者の情熱が作用しているというわけだ。今回観たのは、『アデユー・フィリピーヌ』、『オルエットの方へ』、『メーヌ・オセアン』の3本で、いずれも、すぐに笑い転げる女の子たちの可愛らしさ、水着で海辺を走る姿の丸っこい自然さはたぶん子犬や猫の姿と変わらないだろう。海辺で人間も生き物を取り戻す。そういう普通の生き物の、普通に生きている姿が普通の視線で定着されているというのは、けっこう貴重なことなのだ。パリ生れの監督のセンスの良さ、それは決して堅くならない、力まない、その中に鋭さがきらっとひらめき、ドキッとさせられる。気楽に楽しく映画と一緒に時間を過ごして、暮らしに戻って何か心が深くなる、それは従来のフランス映画がずっと保ってきた特性で、そこにあるのはやはり人間らしさだということだろう。
WEBサイト http://www.rozier.jp/ をご覧ください。
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Nov 05, 2009

秋の詩人 八木重吉

11月4日、秋晴れの一日、町田市民文学館の主催の町田市民を対象にした文学散歩に参加した。人気が高くて、60数人の申し込みがあったそうだが、当選の20人に運よく私も参加できた。八木重吉の生家を訪れたいと長年願っていたが実現してとてもうれしい。多摩丘陵に囲まれた自然の穏やかさ、そして秋晴れの午後。八木重吉を訪問するのに絶好の機会だった。生家の左脇に白壁のこじんまりした土蔵が建っていて、資料館になっていた。そして館長の八木静雄さんの挨拶がよかった。今年84歳になられる重吉の甥御さんだ。10月26日の茶の花忌の折はお加減があまりよくなかったので心配していたと文学館のキュレーターさんのお話だったが、秋の良い天気の午後で、ご気分もよくなられておられた。物静かな、生き生きとしたお話しかたをなさった。茶の花が咲き、桃色のジーニアがたくさん植わっていて、心休まるお宅だった。
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