Sep 29, 2005

水田喜一朗さん

23日に亡くなられ、今日が告別式でした。お天気もよく、静かないいお葬式でした。この夏の初めに同人誌をいただき、少しお加減が優れないご様子で、気にかかっていました。3年前兄路易が死んだ時、慰めのお手紙下さいました。留学時代ご一緒に写っている写真をくださいました。古い写真で、古き良きパリの香りでした。わたしも、こんな風なお葬式してもらいたいな、と思いました。最後まで、シャールをもっと読むとおっしゃっておいででした。
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Sep 22, 2005

蚊に刺されて

 この夏は蚊に食われることが多かった。理由は、どこか涼しい草原に避暑に行ったわけでも、ほっておいた別荘に久しぶりに出かけて家の周りを家族総出できれいにしたわけでもなく、そういう身分ではちっともないので、あいかわらず、道路より低い穴倉のような自室で机にこびりついていたに過ぎない。では、どこで蚊に刺されたのか?理由は、下側の隣家との間のブロックがゆるんで、落ちかけている、なんとかしろと、再三催促されて、春の初めに、しかたなくブロック垣を積み直したことによる。引っ越してきてから植えた椿、あるいはいつの間にか生えた実生のイイギリ、40年ちかくが経ち、窓を蔽って西日よけにもなり、いい感じだったのに、と名残りを惜しみつつ、根こそぎにした。(抜くために大金をはたいた。)駄目な子ほど可愛い、の植物版で、この野生の素性知れずの駄木たちの生命力に感嘆しながら暮らしてきたのだ。ところが、駄木はだぼく、根が張りすぎてブロックを押し出し、このままにしておくと家のコンクリートの基礎だってあぶないよ、と専門家に脅された。奥さん、もう大きい樹を植えちゃダメだよ。とありがたい忠告とともに、2ヵ月かかかって工事が終った。ほりあげた土を戻したまま、この夏を、土肌をむき出しにしたまま迎えた。びっくりするように、藪が茂った。赤まんま、露草、モントフリージヤ、セージ、みずひき、カタバミ、ススキ、何でもありに伸びまわり、咲き狂って、それはそれなりに美しく、時に見とれていた。土が軟らかいので、風に乗った種が根を張りやすかったのだろう。しその葉まであるので、ときどきいただきにこの藪に足を入れると…地団駄をふみ続けなければならないほど、残酷なほど噛まれて。秋の彼岸を明日にして、まだまだ、足も腕も赤い斑点だらけにして、喜んでいる。この痒さは自虐的な快感ではないか。
十五夜や失敗ばかりするわたし 薫
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Sep 12, 2005

俳句は、詩はと

分けて考える必要はないけど、同じコトバという文化を使ってする遊びでも、表し方は違うと思う。俳句は日本独特の表現形式で、様式(形式)美を追求することを主眼にする。詩は、自我、「私」をスタートにする。形式は製作の過程で内的に流れ出てくる。俳句のようにあらかじめ洗練された枠が与えられてはいない。だから詩と俳句をスタートの時点でごっちゃにして居ると、どちらも「もどき」しか作れない。表現者は明確な自覚の上で作業を開始しなければいけない。詩は自然に湧いてくるもの、さいしょの1行を神様が書く、とかの銘句に惑わされ、自分を甘やかしていたのかもしれない。近ごろ少し気持ちが整理されてきている。
素秋なり屋根のはざまの明かるくて 薫
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Sep 02, 2005

フランソワ・オゾン

の映画『ふたりの5つの分かれ路』とは、何とぼけたタイトルにしたことだろう。原題は『5x2』。このほうがずっと明快なのに。たぶん、3,40代の女性客をねらったネーミングなのだろう。それほどに女性上位のストーリー。あるいは、男の心にしつこくこびりついた「永遠の女性」のイメージ。それほどにヒロインの女性は美しい。というより、フランス男がどんな女性を美女と思っているかがこれほどはっきりわかる映画もあるまい。ギリシャ系かなと思われる、金髪碧眼の大柄な女性。大型犬か、白豹のようだ。そして咬みつく。移り気で、我慢しない。欲しいものは盗る。だが上品で、知性もある。しばらく男を幸福にさせ、そして終る。正直でいいかも。切れの良いスコッチのようだ。音楽が際立つ。まず、ボビイ・ソロの60年代の甘いメロディー。これドーナツ盤で、歌詞を暗記したことがある。シチズンにイタリアの技術者が来ていた頃。そしてその系統のラインアップが最後まで続く。1967年生れの、センスと頭の切れる監督の、スカッとする作品だ。
 座らんと廻るスカート夏木立 薫
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