Nov 01, 2005

ポール・ルイ・ロッシ 『夜の顔』

 ロッシさんから新しい詩集が送られてきた。フラマリオン社 octobre 2005,"Visage des nuits"で、オレンジ色の表紙のかなりヴォリュームのある本。外出のたびに持って出て、かどが白く擦れてきてしまった。前詩集の"La rivière des cassis"も美しい詩集だった。ロッシさんの文は claire という言葉がいちばんぴったりすると思う。洗い流された、といってもいい、きれいな水で顔を洗うような気分のするフランス語なのだ。けっして七面倒くさくない。ただこの詩人は、文体が年代によってすごく変るので、どの年代をとって、この人はこういう文体、と言い切るのが難しい。それがネックでなかなか訳がつけ難い。最近はすごくシンプルな短い詩と、詩的な散文の二つのタイプにまとまってきているようにも見える。この人は過去現在未来の人物を自ら生きてしまうみたいなワールドがあり、人の人生のある空白を読むような魅力がある。印象に残るのは、故郷ナントの街のそぞろ歩きで、中世にジル・ド・レーが処刑前に収容されていたといわれる塔があり、その高い窓からロワール川が見える。この景色を狂気の犯罪人はどんな思いで眺めただろうかというくだりで、自分もそこでそうやって景色を見ているような戦慄を覚えたのだった。そんな風なことがしばしばあって、怖い。
しばらく仏文の手紙を書いていないので、気になりながらまだお礼状が書けない。
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