Nov 10, 2005

小菊が群れて

都合で、いつもは夕暮れ時の買い物の時間を早めて、午後に入ってすぐに出かけると、時こそまさに秋麗。 お天気がいいので、宝石のような時間のなかに居る。郵便局、宅急便、スーパー、コンビニでコピーと、用事を済ませ、駅前通りの賑わいにひたり、家に帰るのが勿体ないなーという感じで、でもレジ袋両手で振り子の婆さん人形のようなスタイルではレストランに入るのも気が引けて、通りなれた道を歩くうち、いままで行ってみたことのない角を曲がってしまう。行き止まりで他人の家の門前に出てしまい、ばつが悪い思いをするのも嫌なので、通り抜けられるかどうか、念入りに観察して道を選ぶ。急勾配の階段だったり、坂だったり、鋭く折れた曲がり角だったり。こんな入り組んだ細い道を歩こうと思うのも、秋のきれいな午後に誘惑されてのこと。こんな道どりは面白い。30数年の間近くに居てもきずかなかった風景に出会う。家々の周りに植えられた草花の風情はなんともいえない。今の時間なら人気もなく静まり返っている。いちばん目を引かれるのは満開の小菊だ。この乾いた秋の空気との取り合わせが絶妙ではないかと近寄ると、懐かしいにおい。小さな蜂がぶんぶんいって。抹香くさいと表現されるのだろうが、まっこう臭さがうれしいのだ。他の季節の散歩では味わえない、この「秋の」散歩は日常のなかに隠された至上の時だ。家に帰りつくと、わが家のボロさに、真夜中を過ぎたシンデレラの気分を味わわされるのだが。でもこのギャップ、まさにポエジーでしょ?
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