Sep 22, 2009

ぶんぶんぶん

竹早高校時代の親友クロちゃんから電話をもらう。詩誌『交野が原』10月号に寄稿した詩「月の魚」の感想を伝えてくれた。春の頃、クロちゃんは加山又造の砂漠と月の絵を展覧会で見て、その絵葉書を送ってくれた。らくだが1頭丸くうずくまっていて、空に出ている月と呼応しているような不思議な風景だった。それより少し以前にこの詩を『交野が原』主宰の金堀さん宛て送っていたので、イメージが似ているのにびっくりしたのだった。
秋の連休は家にいて、駅前のスーパーに1日おきぐらいに通った。小さい女の子が、スーパーの前で「ぶんぶんぶん蜂が飛ぶ…」と歌って、「ねえ、おかあさん、どうして蜂が飛ぶの?」と叫んでいた。それでクロちゃんとの電話の会話を思い出した。子供の頃に歌いつけていた童謡を読み換えて詩をつくったら面白いだろう、こどもにはすべての歌が謎の世界なのだ。
病んでいる猫を抱いて庭を見ていると、尻の黒い大きな蜂がセージの花の間を飛び回っている。それで女の子の歌を思い出した。
   ねえ、おかあさん、どうして?
猫に小声で歌ってやると、耳をぴんとしてじっと聞いている。まつげがちかちかこまかく動いて、横から見るととてもかわいい。
ぶんぶんぶん、蜂が飛ぶ/お池のまわりに野ばらが咲いたよ/ぶんぶんぶん蜂が飛ぶ//朝露きらきら/野ばらがゆれるよ/ぶんぶんぶん蜂が飛ぶ。
この世のすべてが謎だ。だから言葉はできるだけ単純なのがいい。
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